EXHIBITION展覧会
主催展覧会2023
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コレクション展2
リミックス・サウンド(仮題)2023年11月18日(土) - 2024年5月12日(日)
現代の私たちは、自然の環境音から人工の電子音まで、あらゆる「音/サウンド」と共に生きています。音というメディアは、「聞く・聴く」だけではない「身体」の知覚を通して、私たち人間と世界をリミックスする力を持っています。今こそサウンドは、過剰な情報によって分断された私たちをつなぎ直し、この世界と私たちとの関係を再編することができるのではないでしょうか。本展は、カールステン・ニコライによるノイズを含むあらゆる音を録音、集積し、世界の複雑さとつながりを見せる《リアリスティック》を起点に、「聴覚でとらえる空気の震え」だけではないサウンドの可能性を模索します。
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D X P (デジタル・トランスフォーメーション・プラネット) ―次のインターフェースへ
2023年10月7日(土) - 2024年3月17日(日)
デジタルテクノロジーによってこの地球という惑星、そこに住む「私たち」の生き方や感性はどのように変わっていくのでしょうか。20世紀から繰り返されてきたこの問いに対して2023年、いままでとは全く違った惑星の姿が出現しようとしています。人新世と呼ばれ、見えないネットワークやAIによるコントロールに浸されたこの惑星DXPでは、テクノロジーと生物との関係が日々新たに生成されています。またDXPは、アーティスト、建築家、科学者、プログラマーなどが集い、領域横断的に、この変容を捉え、今起こっていることを理解し、それを感じられるものとして提案する展覧会/インターフェースでもあります。注目のテクノロジーであるAI、メタバースやバイオテクによる現代のリアル、そしてそれに続く未来のヴィジョンとしてのDXPは衣食住も含めた総合的な生き方の可能性を探求します。
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Alex Da Corte Fresh Hell
アレックス・ダ・コルテ 新鮮な地獄2023年4月29日(土) - 2023年9月18日(月)
現代は、あらゆる場所が視覚に訴える様々なイメージで埋め尽くされています。感情や時間や空間など、本来は見ることが出来ないものまで視覚化しようという中で、クリエイターや発明家は、妄想の世界に分け入っては、より深い物語を伝えるにはどのようにしたらよいか、人間の深層心理に働くイメージとは何かについて、絶えず思考しています。 アレックス・ダ・コルテは、自分にとってなじみ深いと感じるオブジェやアイコンと戯れながら、それらの本来の意味を解体/再構築する作品で知られる作家です。テレビ、映画、コミック、アニメーションなどを中心に大衆文化や消費文化、美術史、デザインなど、様々なソースからインスピレーションを得る点に特徴があり、映像、彫刻、絵画、インスタレーションなど多様なメディアを駆使しながら、アメリカ中産階級の視覚文化をサンプリングしています。どの手法においても鮮やかな色彩と形にこだわりが見られ、見慣れたモチーフも美術史に関する広範な知識と繊細で独特な感性によって、濃厚で優美なアッサンブラージュとなります。人々を誘引する魅力がある一方で、孤独や不安といった、言葉に出来ない人間の情感にも訴え、理性的に整理された領域でなく、奇妙な妄想の世界で人々を踊らせるような魅力をまといます。 アジアの美術館で初めてとなるアレックス・ダ・コルテによる本展覧会では、最近作を含めた全11点の映像インスタレーション作品などを紹介します。圧倒されるような大きな箱型のスクリーンに投影される、様々にサンプリングされたイメージは、実体も無く、コケティッシュでおかしいのですが、深く関わるほど心がかき乱されるような不思議な魅力があります。「新鮮な地獄」とは、視覚情報が押し寄せる中で、現代社会の消費文化を定義するようになった欲望と記憶と知覚の関係にも踏み込み、氾濫するイメージがもたらすものは何か、といった問いにも、私たちを向き合わせています。
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コレクション展1
それは知っている:形が精神になるとき2023年4月8日(土) - 2023年11月5日(日)
形と精神の関係は、世界を認識し解釈する能力に関わる普遍的なテーマとして、古来より芸術作品を通して探求され続けています。精神や生命が生み出すエコロジー(生態学)とは何かを問い続けたグレゴリー・ベイトソンは、形と形の相互の関係やそれぞれのパターンをつなぐ大きなネットワークとしての「精神 Mind」がある、とも述べています。目に見える、見えないを問わず、自然、社会、言葉、夢といった様々な形のパターンは世界の至る所に生じています。私たちは日々、形同士の関係や類型からおのずと生じる、個人の心よりも大きなシステムとしての精神をどこかで感じています。こうしたパターンや構造は、地球や生態系の基礎となる関係やつながりが生み出す大きなネットワークの一部であり、私たちが世界を解釈し、相互作用する方法の背景となるものではないでしょうか。このような大きなテーマに挑むため、形やパターンがどのように私たちの知覚や世界の理解を形成するか、そして「精神」と呼べるようなものとどのように結びついているかを、美術の歴史もまた考え続けています。本展では、1960年代から最新の作品まで、絵画、立体、写真、映像、インスタレーションといった多様な当館コレクション作品と、本展に合わせて招へいしたアーティストの作品を組み合わせることで、様々な形同士の関係が知っている精神のプロセスをめぐる旅へと誘います。
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コレクション展2 Sea Lane - Connecting to the Islands 航路 - 島々への接続
2022年11月3日(木・祝) -
2023年3月19日(日)沖縄復帰50周年にあたる2022年、金沢21世紀美術館では、現代美術の側面から沖縄について、そして歴史的にも沖縄と海洋で交流のあったアジア、とりわけ東南アジア地域やオセアニア地域の作家の表現を通して、この地域特有の島嶼性という観点に着目した展覧会「コレクション展2 Sea Lane - Connecting to the Islands 航路 - 島々への接続」を開催します。古来より海は島と島を隔てる「壁」であり、一方で島と島をつなぐ「道」でもありました。かつての琉球王国は、現在のインドネシア、マレーシア、タイなどと交易し、文物が行き交う経由地となり、様々な人や物が出会う場となっていました。海を巡る沖縄や周辺諸国の歴史をたどれば、そこには各地との豊かな交流と、時には対立する厳しい現実という両側面が存在していました。人が移動するほど、言語や人種、ルーツ、文化、性、常識といった互いの差異が顕在化します。そのようななか、作家たちは目の前の現実を真摯に見つめ、応答しています。 本展覧会は、沖縄や東南アジア・オセアニア地域で固有に育まれた文化、そして決して目を背けてはならない歴史を土台に生まれた現代の表現を7名のコレクション作家と3名の招へい作家の作品によって紹介します。さらに、島々で育まれた多様性と、海洋を巡る他地域からの影響にも目を向け、海を隔てて存在する島と島とが、そしてそこに住まう人々がどのような関係を築いてきたのか作品を通して考察するものです。 ●作品リスト・解説
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時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの
2022年10月1日(土) - 2023年3月5日(日)
イヴ・クラインは、吸い込まれるような鮮やかで深い青―インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)―で有名な、青の作家として知られています。荒廃した戦後の「タブラ・ラサ(白紙)」ともいえる状況から、彼は新しい人間性を探求する作家として、彗星のごとく登場しました。クラインが20歳の時、詩人のクロード・パスカルと彫刻家のアルマンとともに過ごしたニースの浜辺で、3人で「世界を分割する」ことを思いつきます。クラインが欲したのは「青空」であり、空に向かって署名することで、空とその無限性を作品として手にしたとされるエピソードは、彼の「非物質性」、「精神の自由」、「空間への飛翔」、「宇宙的な想像力」への関心を示しています。 また、アクションやパフォーマンスを通し、最も非物質的で精神的であると考えた「青」に代表される色や火、水、空気などを用いることで、芸術を物質として見せるのではなく、「感性」を通して触れられるようにしました。若き日に来日したクラインは、柔道の黒帯を取得し、精神と身体の関係を探求したことでも知られています。 同時代、廃墟から立ち上がり、自分の身体や物質、空間の関係をゼロから見直すような実験的な芸術の試みとして、イタリアでは空間主義運動、ドイツなどでは「ゼロ」、日本では「具体」などが展開されました。本展は、イヴ・クラインを中心に、こうした同時代作家、さらに現代の作家を加えて、彼らの芸術に共通する「非物質性」というテーマを浮かび上がらせます。 私たちは、現在、気候変動やウィルス、インターネット情報環境など無数の「見えないもの」が起こす混乱の中で、実体が見えない不確かさの中にいます。それゆえに、クラインの非物質性が生み出す感性や精神性の探究は、ポストインターネット世代を含む現代の芸術家たちの創作にインスピレーションを与えています。本展は、いま、ここにないものを感じ、想像し、不確かな現在を乗り越えていく喜びと力を私たちに与えてくれることでしょう。
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コレクション特別展示+コミュニケーションプログラム
奈良美智 ―Dog-o-rama
2023年4月29日(土・祝)〜9月18日(月・祝)
本展では、奈良美智《Dog-o-rama》をはじめ《Lonely Moon/Voyage of the Moon》、そして収蔵後初めての展示となるドローイング群を紹介します。いずれも奈良が当館の「開かれた」機能を前提に構想した奈良美智展「Moonlight Serenade ― 月夜曲」(2006–2007年)で生まれたものです。《Dog-o-rama》は、奈良の重要なモチーフである「犬」によってくりひろげられるプロジェクト型作品です。犬の着ぐるみをまとった子供たちが美術館の中を巡ることにより、作品世界が拡がっていく「Pup Patrol」と、人々から持ち寄られた古着等の布類を詰め、全長7メートルの巨大なぬいぐるみ「Pup King」を完成させる「Pup Up the Dog」の2つのプロジェクトから成ります。本プログラム展示では、ボランティアとともに古着収集を行い、来場者を巻き込みながら「Pup King」を完成し、「Pup Patrol」では子供たちによる館内パトロールが行われます。《Dog-o-rama》で作品に参加しながら、ドローイングや皿絵の作品など空間全体で奈良の作品世界を体感するとともに、犬に扮した子供たちの活動をとおして美術館における作品鑑賞のあり方を再考する機会となるでしょう。
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虚影蜃光 ー Shell of Phantom Light
2023年4月8日(土)〜9月18日(月・祝)
工藝美術家、池田晃将(1987-)は螺鈿技法を用いて、データや電気信号といった実体のないものや想像上の動物を描写する作品を発表しています。雨のように降り落ちる数字、角度によって動きを見せる電子回路のような模様。玉虫色の貝の光は、今日の人間の生活を根底から支えている、電流とデータを表しています。骨貝のような長い水管溝を持つ巻貝、5対の翅を持つトンボ。表面に施された螺鈿加飾が、偶像の崇高性を虚構の造形にもたらしました。池田の創造行為は、まるで蜃気楼を吐き出すかの如く、この世に存在しない風景を具現化する貝の妖怪「蜃」のようです。 本展は、池田が制作活動を始めて約10年間の作品を前後期に分けて全14点紹介します。生物、鉱物標本と玩具や書籍など、本人の所蔵品と作品が一堂に展示される会場に、池田による博物誌を目の当たりにすることで、その奇想天外な造形の系譜を直感的に体験していただきます。また、微小の器型で精妙な世界観を表現するために、池田は伝統的な漆技法を伝承しながら、素地の制作に切削機、螺鈿チップの切り出し作業にパルスレーザーなどの新技術を導入しました。作品制作中の各工程及び繊維業界との協働の成果である螺鈿帯の制作風景を映像にて紹介します。
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アペルト18
顧剣亨 陰/残像2023年4月8日(土)〜9月18日(月・祝)
顧剣亨(こ・けんりょう)は「デジタルウィービング」という複数の写真をピクセルごとに編み込む独自の手法によって、まるで織物のような質感を持つ写真作品を生み出し、イメージの背後に潜在している文脈を表現します。本展では、中国・福建省の原始林などの世界各地の森を高解像度カメラで撮影した大型の新作シリーズを紹介します。その大きさゆえにイメージの全体を「平面」というフレームのなかに圧縮・縮小してしまうことなく、鑑賞者の目線の活発な動きを誘発し、森の陰影が持つ亡霊のようなざわめきや畏怖の感覚を呼び起こします。同時に、複数のイメージを手作業で縦・横 1列ずつのピクセルを反復して編み込んでいく特徴的な手法によって、作家の意図を超えた無意識的な揺らぎが生じ、地球が生み出した自然のスケールの時空間が複雑な形で閉じ込められます。顧の作品は、私たちが共通してもっている惑星的な記憶に刺激を与え、森の持つ多時間性・多言語性・多場所性を残像のように脳裏に刻むことによって、ますます加速する大量の視覚情報の中で麻痺している現代の鑑賞者の感性に変化をもたらすでしょう。
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lab.5 ROUTINE RECORDS
2022年10月1日(土)〜2023年3月21日(火・祝)
本展は、金沢21世紀美術館デザインギャラリーを作品展示の場所としてだけでなく、調査・ 研究・実験の場として開きつつ、そのプロセスをプレゼンテーションすることを目的に2017年より始動した〈lab.〉(laboratoryの略)シリーズの第5弾です。今回は、近年あらゆる分野を横断して福祉とアートの新しい可能性を試みる、気鋭の福祉実験ユニット「ヘラルボニー」 の新プロジェクト「ROUTINE RECORDS」をご紹介します。金沢市内の特別支援学校や福祉施設、他県の福祉施設に通う知的障害のある人が習慣的に繰り返す、日常の行動(ルーティン)から生まれる音を丁寧に紡ぎ、音楽として届ける試みです。会場では、個々の音の視聴コーナーや、ルーティン音をプロの音楽家が実験的に生成する楽曲の視聴、鑑賞者がルーティンによって生まれた音をリミックスし、新しい音楽を制作できるDJブースなどを設け、聴取した音が音楽となる創造的なプロセスを多角的に体験することができます。本展を体験した鑑賞者が、多様な背景を持つ他者への理解を深め、気づきを促す機会となることを期待します。
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アペルト17 SCAN THE WORLD [NEW GAME]
2022年10月1日(土) - 2023年3月19日(日)
SCAN THE WORLD(STW)は、石毛健太(1994年、東京都生まれ)とBIEN(1993年、東京都生まれ)の2名のアー ティストが中心に行っている、ハンディスキャナで街をスキャニングするプロジェクトの総称です。STWは路上表現の現在形のうちの一つであり、同時に誰もが参加できる新しい遊びでもあります。 本展[NEW GAME]では、金沢21世紀美術館の長期インスタレーションルームが、STWに参加するための集合場所へと変貌します。そこには古代遺跡より出土したかのような巨大な石碑が浮遊し、来訪者にSTWの方法を伝えています。そして、この石碑を解析・研究するように、STWの過去の実践だけではなく、新たな参加者との未来の実践が展示されます。 また、STWはウェブサイトを制作します。このウェブサイトは今回の展示の中心であり、これまでに実践されてきた遊びと、これからの遊びをつなげるプラットフォームでもあります。ここでは誰もが街のテクスチャのデータをアップロード・鑑賞することができます。世界中の場所や人がイメージと遊びを共通項につながることができるのです。 石毛健太とBIENは金沢に長期滞在し、会期中の半年間、参加者を募りながらSCAN THE WORLDを実践し続けます。STWは、まちに開かれ、金沢21世紀美術館をスタート地点にして、まだ見ぬプレイヤー達とともに、現在進行形の路上の遊びとしての進化を続けることでしょう。 scan-the-world.net 2022- In Cooperation with: Konel inc. Design: NUMATA Sou
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