EXHIBITION展覧会
主催展覧会2022
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コレクション展2 Sea Lane - Connecting to the Islands 航路 - 島々への接続
2022年11月3日(木・祝) -
2023年3月19日(日)沖縄復帰50周年にあたる2022年、金沢21世紀美術館では、現代美術の側面から沖縄について、そして歴史的にも沖縄と海洋で交流のあったアジア、とりわけ東南アジア地域やオセアニア地域の作家の表現を通して、この地域特有の島嶼性という観点に着目した展覧会「コレクション展2 Sea Lane - Connecting to the Islands 航路 - 島々への接続」を開催します。古来より海は島と島を隔てる「壁」であり、一方で島と島をつなぐ「道」でもありました。かつての琉球王国は、現在のインドネシア、マレーシア、タイなどと交易し、文物が行き交う経由地となり、様々な人や物が出会う場となっていました。海を巡る沖縄や周辺諸国の歴史をたどれば、そこには各地との豊かな交流と、時には対立する厳しい現実という両側面が存在していました。人が移動するほど、言語や人種、ルーツ、文化、性、常識といった互いの差異が顕在化します。そのようななか、作家たちは目の前の現実を真摯に見つめ、応答しています。 本展覧会は、沖縄や東南アジア・オセアニア地域で固有に育まれた文化、そして決して目を背けてはならない歴史を土台に生まれた現代の表現を7名のコレクション作家と3名の招へい作家の作品によって紹介します。さらに、島々で育まれた多様性と、海洋を巡る他地域からの影響にも目を向け、海を隔てて存在する島と島とが、そしてそこに住まう人々がどのような関係を築いてきたのか作品を通して考察するものです。
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時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの
2022年10月1日(土) - 2023年3月5日(日)
イヴ・クラインは、吸い込まれるような鮮やかで深い青―インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)―で有名な、青の作家として知られています。荒廃した戦後の「タブラ・ラサ(白紙)」ともいえる状況から、彼は新しい人間性を探求する作家として、彗星のごとく登場しました。クラインが20歳の時、詩人のクロード・パスカルと彫刻家のアルマンとともに過ごしたニースの浜辺で、3人で「世界を分割する」ことを思いつきます。クラインが欲したのは「青空」であり、空に向かって署名することで、空とその無限性を作品として手にしたとされるエピソードは、彼の「非物質性」、「精神の自由」、「空間への飛翔」、「宇宙的な想像力」への関心を示しています。 また、アクションやパフォーマンスを通し、最も非物質的で精神的であると考えた「青」に代表される色や火、水、空気などを用いることで、芸術を物質として見せるのではなく、「感性」を通して触れられるようにしました。若き日に来日したクラインは、柔道の黒帯を取得し、精神と身体の関係を探求したことでも知られています。 同時代、廃墟から立ち上がり、自分の身体や物質、空間の関係をゼロから見直すような実験的な芸術の試みとして、イタリアでは空間主義運動、ドイツなどでは「ゼロ」、日本では「具体」などが展開されました。本展は、イヴ・クラインを中心に、こうした同時代作家、さらに現代の作家を加えて、彼らの芸術に共通する「非物質性」というテーマを浮かび上がらせます。 私たちは、現在、気候変動やウィルス、インターネット情報環境など無数の「見えないもの」が起こす混乱の中で、実体が見えない不確かさの中にいます。それゆえに、クラインの非物質性が生み出す感性や精神性の探究は、ポストインターネット世代を含む現代の芸術家たちの創作にインスピレーションを与えています。本展は、いま、ここにないものを感じ、想像し、不確かな現在を乗り越えていく喜びと力を私たちに与えてくれることでしょう。
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金沢21世紀美術館と国立工芸館の所蔵作品によるコラボレーション展
「ひとがた」をめぐる造形
2022年7月23日(土) - 2022年9月11日(日)
あなたの目の前に高さ40センチほどの、人の形をした作品があります。あなたは「人形」だと思いますか。それとも「彫刻」だと思いますか。また、その作品がヤキモノだったとしたら「陶芸」でしょうか。さらにそれが等身大だったらどうでしょう。このように、人の形をした造形の中には、大きさや素材・技法などを手掛かりにしてそれが何であるかを考えることが少なくありません。しかし、それが作品を鑑賞することに重要かどうかは判断が難しいことがあります。 現代の若者像を着想の原点に、陶による表現で作品を構築する北川宏人(1967年生まれ)や、伝統的な博多人形の技法を用いつつ、ロマンあふれる作品を生み出す中村信喬(1957年生まれ)らの人の形をした造形「ひとがた」を通して、あらためて「工芸」や「美術」を考える機会とします。 ゲスト・キュレーター 唐澤昌宏(国立工芸館館長)
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特別展示:オラファー・エリアソン
2022年7月23日(土) - 2022年9月11日(日)
オラファー・エリアソンは1990年代初めから、写真、彫刻、ドローイング、インスタレーション、デザイン、建築など、多岐にわたる表現活動を展開してきました。とりわけアートを介したサステイナブルな世界の実現に向けた試みにおいて国際的に高い評価を得ています。 本展覧会は、エリアソンのエコロジーと、再生可能エネルギーへの関心から生み出された作品《太陽の中心への探査》を収蔵後初めてお披露目するものです。本作品は、ガラスで覆われた多面体と太陽光発電ユニット(ソーラーパネル及び蓄電池等電源供給システム)により構成されています。作品の中心部に光源が取り付けられており、そこから突き出したアームの先のライトがゆっくり回転することによって、部屋の中央に固定してつられたガラスの多面体があたかも回転しているかのように、光が動いて部屋を照らし出します。スタジオ・オラファー・エリアソンの開発した偏光フィルターが装着されたガラスの多面体からの光は部屋全体に銀河のように輝くリフレクションを投射し、見る者を作品世界へと没入させ、魅了します。それは我々の生存に欠かせない太陽とその周囲を公転する惑星との関係を想起させるとともに、この世界を成り立たせている構造や法則への志向も見てとれます。光庭に設置したソーラーパネルから得た電気エネルギーを得て動く本作品は、地球環境の不可逆的な変化に見舞われている私たちに、伝統的な進歩史観への再考を促し、持続可能な社会に向かう新しい視点を呼び覚まします。本展覧会を通じ、現在のエコロジー下における芸術の可能性と、複合多面体と光の反射が生み出すマジカルで新しい知覚体験をお楽しみください。
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コレクション展1 うつわ
2022年5月21日(土) - 2022年10月16日(日)
本展は、2021年度収蔵作品を含む当館コレクション作品を中心に、現代美術における「うつわ」を様々な視点からご紹介する展覧会です。 「うつわ」という言葉は、特定の働きをする入れ物から道具、人の度量の大きさまで、幅広い意味に用いられるように、容器としての機能を持つものはもちろん、そうした実用性からは抜け出た概念を持つものがあります。 「うつわ」の歴史をひも解いてみると、日本の縄文土器は、集落を中心とした集団生活において、採集した木の実や動植物を保存したり、食物を煮炊きしたりするための器具として重宝されました。その一方で、まるで太古の生命リズムをかたどったような躍動感あふれる装飾や文様を施したものが多く遺されており、実用性ばかりでなく、高い装飾性も評価されています。日々の生活を営むための道具として、また祭しや儀礼に欠かせない祭式具として、古来より人々の生活や信仰を助けた「うつわ」には、人間界と自然界とをつなぐ重要な役割があったことが想像できます。 また、肉体のことを、魂が宿る「うつわ」と言うことがあります。生死のサイクルにおいて魂は永続的であり、容器としての身体にその都度転入を繰り返す、という考え方です。身体を「うつわ」として考えてみると、その容器に宿った魂が、五感を可能にする身体を通じて自然界や聖なるものと結びつき、古い記憶を呼び覚ますような感覚をもたらすこともあるかもしれません。 このように「うつわ」という言葉に様々な意味が宿っていることを心に浮かべながら、生活に最も身近なものである「うつわ」を多様な角度から見つめることで、「うつわ」に込められた意味や価値について考えるきっかけとなることを目指しています。
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特別展示:マシュー・バーニー
2022年5月21日(土) - 2022年9月11日(日)
マシュー・バーニーは、彫刻と映像の密接な関係を通して、身体感覚とバーチャルな情報感覚の融合を試みる、21世紀を代表する世界的なアーティストの一人です。1980年代より彫刻、映像、パフォーマンス、またそれらを融合させた作品を多く手がけ、現代美術の分野において注目を集めてきました。 本展は、バーニーが1980年代後半より制作を始めた、主にドローイング、映像、彫刻から構成される『拘束のドローイング』シリーズの9番目の作品《拘束のドローイング9》を中心に、同作品映像やモチーフ、登場人物などを紹介する関連作品を展示します。 《拘束のドローイング9》は、2005年に金沢21世紀美術館で開催されたバーニーの国内初の大規模個展において、シリーズ新制作として世界初公開されました。捕鯨や茶道といった日本文化をテーマに、映画、彫刻インスタレーション、写真など多彩なメディアで展開される本作品は、日本を中心に撮影され、日本文化に対する新鮮なヴィジュアルの解釈がなされています。アイスランド出身の音楽家ビョークが映画音楽と展示インスタレーションの音楽を担当し、映画においても共演するなど、話題を呼びました。 そのタイトルから連想されるように、『拘束のドローイング』には、ドローイングを行う際に身体に拘束、制限を与え、そこから生まれる未知の形に挑戦するという意味があります。公開から17年を経た現在においても、人間の身体とそれを取り巻く世界、あるいは身体内での活動、エネルギーの問題を主題とする作品に込められたメッセージは私たちの心に強く響きます。本展を通じ、普遍的なテーマである人間の身体と環境、その関係性における作家独自の視点とその作品世界をお楽しみください。
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ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと
2022年5月3日(火・祝) - 2022年9月4日(日)
韓国を代表するアーティストデュオ ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホは、ユニットを結成した当初の2009年より「現代世界における芸術の社会的機能と役割は何か」と問い直すプロジェクト「News from Nowhere」(ウィリアム・モリスの小説からインスピレーションを得て名付けられた)を展開し、さらに様々な領域の専門家との対話と意見交換を介した協同のための実践的なプラットフォームを提唱してきました。こうした考え方をもとに、彼女たちは現代社会における諸課題を抽出し、作品を介してそこに生きる我々へとメッセージを投げかけます。 疫病や戦争といった古来より人類を苦しめてきた災いが、今なお、強大な脅威として存在しつづけていることを認識せざるを得ない現在。この不穏な時代に彼女たちが、こうした脅威、歪みや矛盾、そして抑圧を孕む世界を、今を生きるアーティストとしてどのようにとらえ、いかなる変革をめざしているのか、作品を通して感じ取っていただけることでしょう。当館の建築空間を活かして展示されるそれぞれの作品は、独立したものでありながら何処かで連環しており、会場全体が彼女たちの多層的な作品世界になっています。彼女たちの日本国内では初となる大規模な個展をぜひお楽しみください。
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甲冑の解剖術―意匠とエンジニアリングの美学
2022年5月3日(火・祝) - 2022年7月10日(日)
戦国時代から江戸時代にかけて、戦いの場で、武士の誇りと力の象徴として独自の展開を遂げた甲冑。蒔絵や金工、組ひもなど工芸的な技と斬新な意匠を駆使した美学と、防具としての機能性やエンジニアリングの発達。これらの魅力を現代アーティストによる空間デザインで展示します。細部や構造をデジタル解析したライゾマティクスによる映像や、甲冑を現代人の身体のリアリティにしなやかにつなげるナイル・ケティングの空間デザインを通して、甲冑は現在の私たちに語り始めます。
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コレクション展2 BLUE
2021年11月20日(土) - 2022年5月8日(日)
光のスペクトルにおいて、赤の長い波長がまっすぐ進むのに対し、青の短い波長は四方に拡散し、空間のなかに溶け込んでゆきます。手につかむことのできない空や水に象徴されるように、青はその深みにおいて認識される色であり、それゆえに古代より人々の憧憬の念を掻き立ててきました。地上に目を移しても、青い色をした自然物は非常にめずらしく、ラピスラズリは洋の東西を超えて珍重されてきました。また、かつて映画監督のデレク・ジャーマンが「ブルーは目に見える闇の色」と語ったように、青は光と闇、生と死のあわいに現れる色でもあります。そして人々が内省へと向かう今にあって、青は私たちの心にもっとも浸透する色と言えるかもしれません。 本展覧会では、金沢21世紀美術館のコレクションを中心に、絵画、彫刻、工芸、映像といったジャンルを横断しながら、国内外のさまざまな文化圏の作家による多様な青の表現を紹介します。また、当館の恒久展示作品であるレアンドロ・エルリッヒの《スイミング・プール》やジェームズ・タレルの《ブルー・プラネット・スカイ》、アニッシュ・カプーアの《L’Origine du monde(世界の起源)》にも新たな光を当てることになるでしょう。そして、招へい作家として、青い色彩と光が印象的なドローイング・アニメーションを制作してきた画家/映像作家の石田尚志の作品も展示します。それぞれの作家が織りなす青の世界を、ぜひ体感してください。
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特別展
フェミニズムズ / FEMINISMS
2021年10月16日(土) - 2022年3月13日(日)
1990年代以降のフェミニズムは、欧米の若い女性たちを中心にポピュラー文化と結びつき、メディアを通して広がっていきました。日本でも若い女性たちの活躍がメディアを通して紹介され、まさに「ガール・ムーブメント」の様相を呈していました。しかし日本の場合、女性たちからのマニフェストという以上に、ムーブメントがメディアに利用され、女性たちを消費していった側面があったことは否めません。1986年の男女雇用機会均等法、1999年の男女共同参画社会基本法などの法律が整い、男女平等社会が実現したかのように見えましたが、現実社会には結婚や家族という制度、異性愛という社会的規範、女性らしさ男性らしさという通念など、個人と社会の狭間に行き場のない違和感があふれていました。 2020年代の今、インターネットを介して異議を発する小さな声と声がつながり、社会が変わろうとしています。女性のためだったフェミニズムが、社会に違和感を持つあらゆる人たちの力になろうとしています。近年、フェミニズムは複数形で語られ始めました。世代や時代、所属する国家や民族、それぞれの環境や価値観によってフェミニズムの考え方や捉え方は異なります。複数形のフェミニズムが発するメッセージは、多様な考え方を認め合うことこそが社会にとって重要で必要だという視点です。本展ではアーティストたちがそれぞれのまなざしで、ジェンダーを、身体を、社会をどう捉えるのか、そしてその先に何を見ているのか、日本におけるフェミニズムの表現の一端を9名のアーティストの作品からご紹介します。 ●出品リスト・解説
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特別展
ぎこちない会話への対応策—第三波フェミニズムの視点で
2021年10月16日(土) - 2022年3月13日(日)
本展覧会は、ゲストキュレーターのアーティスト・長島有里枝が、1990年代以降に活動を始めた10作家の作品について、フェミニズムの視点から新たな解釈可能性を見いだす試みです。 93年のデビュー以来、長島は、自身を含む同世代の女性写真家をくくった「女の子写真」というカテゴリーに疑問を持ちながら、作品制作と執筆活動を続けてきました。80年代のメディアが喧伝した揶揄的なフェミニスト像に違和感を持っていた若い長島は、「フェミニスト」と自称することを避けつつも、常に男性中心主義的な価値観への問題提起を作品にしてきました。当時の若者のフェミニズム的実践を見えにくくしたそのような態度は、日本における第三波フェミニズムの一つのあり方であったと考える長島は、「運動」や「連帯」の形を取ってこなかった作家たちの作品にもその要素が見いだせるのではないかといいます。このような考察に基づき、長島が9名の作家との対話を経て選んだ作品をご紹介いたします。 目の前の状況に対応するために生み出される様々な実践を、バリエーションに富む作品の中に見いだす機会となれば幸いです。
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lab.5 ROUTINE RECORDS
2022年10月1日(土)〜2023年3月21日(火・祝)
本展は、金沢21世紀美術館デザインギャラリーを作品展示の場所としてだけでなく、調査・ 研究・実験の場として開きつつ、そのプロセスをプレゼンテーションすることを目的に2017年より始動した〈lab.〉(laboratoryの略)シリーズの第5弾です。今回は、近年あらゆる分野を横断して福祉とアートの新しい可能性を試みる、気鋭の福祉実験ユニット「ヘラルボニー」 の新プロジェクト「ROUTINE RECORDS」をご紹介します。金沢市内の特別支援学校や福祉施設、他県の福祉施設に通う知的障害のある人が習慣的に繰り返す、日常の行動(ルーティン)から生まれる音を丁寧に紡ぎ、音楽として届ける試みです。会場では、個々の音の視聴コーナーや、ルーティン音をプロの音楽家が実験的に生成する楽曲の視聴、鑑賞者がルーティンによって生まれた音をリミックスし、新しい音楽を制作できるDJブースなどを設け、聴取した音が音楽となる創造的なプロセスを多角的に体験することができます。本展を体験した鑑賞者が、多様な背景を持つ他者への理解を深め、気づきを促す機会となることを期待します。
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アペルト17 SCAN THE WORLD [NEW GAME]
2022年10月1日(土) - 2023年3月19日(日)
SCAN THE WORLD(STW)は、石毛健太(1994年、東京都生まれ)とBIEN(1993年、東京都生まれ)の2名のアー ティストが中心に行っている、ハンディスキャナで街をスキャニングするプロジェクトの総称です。STWは路上表現の現在形のうちの一つであり、同時に誰もが参加できる新しい遊びでもあります。 本展[NEW GAME]では、金沢21世紀美術館の長期インスタレーションルームが、STWに参加するための集合場所へと変貌します。そこには古代遺跡より出土したかのような巨大な石碑が浮遊し、来訪者にSTWの方法を伝えています。そして、この石碑を解析・研究するように、STWの過去の実践だけではなく、新たな参加者との未来の実践が展示されます。 また、STWはウェブサイトを制作します。このウェブサイトは今回の展示の中心であり、これまでに実践されてきた遊びと、これからの遊びをつなげるプラットフォームでもあります。ここでは誰もが街のテクスチャのデータをアップロード・鑑賞することができます。世界中の場所や人がイメージと遊びを共通項につながることができるのです。 石毛健太とBIENは金沢に長期滞在し、会期中の半年間、参加者を募りながらSCAN THE WORLDを実践し続けます。STWは、まちに開かれ、金沢21世紀美術館をスタート地点にして、まだ見ぬプレイヤー達とともに、現在進行形の路上の遊びとしての進化を続けることでしょう。 scan-the-world.net 2022- In Cooperation with: Konel inc. Design: NUMATA Sou
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ジェフ・クーンズ × ベルナルド
2022年4月9日(土) - 2022年9月11日(日)
ジェフ・クーンズ(1955年、ペンシルバニア州ヨーク生まれ、ニューヨーク在住)は、ポップカルチャーのアイコンをはじめ、人々の目を引き付ける日常的な表象を用いた作品により世界のアートシーンをリードしてきました。本展では、フランスのリモージュを代表する磁器ブランドのベルナルドとの協働によって精巧に作られたクーンズの代表作「セレブレーション」シリーズをご紹介します。 オリジナルの「セレブレーション」シリーズは、1990年代半ばに制作されたクーンズにとって重要な作品です。パーティを彩る動物型のバルーンという安価で軽やかなモチーフが、鏡面仕上げのステンレススチールによる巨大な彫刻となって現れるとき、低俗さと高級さ、純粋さと魅惑、はかなさと永遠という対極的なコンセプトが作品の中で重なり合います。それは、1年の中の特別な1日を祝うだけでなく、生のサイクルを祝う作品でもあります。 80年代より陶器を素材とした作品を手がけてきたクーンズは、今から10年前、「セレブレーション」シリーズを磁器によって再現するというプロジェクトをベルナルドに依頼しました。磁器の街として名高いフランスのリモージュで1863年に創業されたベルナルドは、精巧な職人技による卓越した品質を守り続ける家族経営のブランドです。しかし同時に、創造性と技術革新の最先端をゆく姿勢により、これまで国際的に著名な現代アーティストたちとのコラボレーションも行ってきました。透明感のあるカラフルな色、全体の微妙なバランス、そしてとりわけ作家が強く求めた、光を反射する滑らかな表面……複雑かつ入念にデザインされたクーンズの作品を忠実に再現するにあたり、ベルナルドのモデラー、装飾家、釉薬職人たちは、新たな専門技術の開発に取り組みました。 クーンズとベルナルド、新たなことに挑戦し、完璧を追求し続ける両者の姿勢と、職人たちの技術が結実した作品を、ぜひご高覧ください。
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アペルト16 AKI INOMATA Acting Shells
2022年4月9日(土) - 2022年9月11日(日)
AKI INOMATA(1983-)は、人間と生き物との関係に着目し、動物と共に制作した作品を多く発表しています。本展「Acting Shells」は、INOMATAによる進行中のプロジェクト「貨幣の記憶」を中心に構成されています。2015年より開始されたこのプロジェクトは、真珠貝の中に現代世界の各国の通貨のシンボルとなる肖像を融合させることで、「貨幣の化石」を作り出す試みです。人類は、古代から貝殻を重要な貨幣の一つとして用いてきました。仮想通貨や電子マネーが席けんし、物理的な貨幣と置き換わろうとしている今日、本プロジェクトは、あえて貨幣の歴史を遡ることで、過去と現在を横断し、私たちを取りまく経済・社会システムを新たに見つめ直す機会を鑑賞者に与えます。 一方、貝殻(shell)は本来、貝の身を守るシェルターや「やど」の役割を果たしています。本展は、ヤドカリやアサリなど、私たちと異なる生物種にとっての「シェル」の意義を多角的に捉え、人間社会や生命の進化史と、彼らの能動的な振る舞い(act)との結びつきを考えます。INOMATAの作品は、他の生物種や私たちにとっての多様な「シェル」の意味合いを提示し、様々な時空間への想像力に働きかけるでしょう。
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アペルト15 冨安由真 The Pale Horse
2021年10月30日(土) - 2022年3月21日(月・祝)
冨安由真(1983-)は、心霊現象や超常現象、夢の世界などを題材に、現実とも非現実とも判別しがたい空間演出を特徴とする、インスタレーション作品を多く発表しています。見るものの知覚や感覚に揺さぶりをかけるような作品世界は、五感、時に第六感を刺激し、ともすれば忌避されがちな不確かで見えないものへの意識を促し、知覚体験の本質を問います。 本展のために制作された新作のインスタレーション作品は、冨安が幼少期に見た夢に構想を得ており、その夢に現れた一軒の小屋を作品の舞台としています。小屋にかけられた絵画《The Pale Horse 蒼ざめた馬》に登場する一頭の馬は、新約聖書のヨハネ黙示録にて「死」を象徴する騎士が乗った蒼ざめた馬に着想を得たものです。展示空間に足を踏み入れた鑑賞者を、現実と虚構とが交錯し合う、奇妙で幻想的な体験へと誘う作品です。 近年では従来の表現メディアである絵画とその周囲を含んだ空間の見せ方や手法に、そのダイナミズムを増している注目作家が手がける、体感を重要視して構築された作品世界は、鑑賞者に対し、見えないものを知覚させるような、新しい体験の機会を創出します。 ハンドアウト
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デザインで あそぶ まなぶ つながる コドモチョウナイカイ
2021年4月3日(土) - 2022年3月21日(月・祝)
建築家の式地香織を中心に2014 年に発足したコドモチョウナイカイ事務局は、デザインを通じて子どもたちが自ら課題を発見し、創造的に問題を解決する、柔らかな「理性や感性」を育むワークショップ・プログラムを企画・運営する団体です。子どもたちによるデザインチーム「コドモチョウナイカイ」の活動を見守り支える事務局という役割を担っています。「コドモチョウナイカイ」のデザイン活動は最終的に「おまつり」として完成し、地域とつながります。おまつりをデザインした子どもたちは、おまつりを楽しむたくさんの子どもたちや家族、地域の人たちを目の当たりにします。また、自分たちの活動に寄り添い、暖かく見守るたくさんの大人と触れ合います。コドモチョウナイカイプログラムにおける「おまつり」は子どもたちの成功体験や社会参加の場となっていきます。本展では、2014 年からのコドモチョウナイカイの活動を概観しながら、金沢版コドモチョウナイカイとして、デザイン教育のプロセスを子どもたち、地域の方々と体験するとともに、「デザインで」何ができるのか、金沢での「おまつり」開催に向けて活動をしていきます。 〈展覧会の要素〉 コドモチョウナイカイのアーカイブ 2014年の設立以来、コドモチョウナイカイが取り組んできた活動を壁面で紹介します。コドモチョウナイカイでは、おまつりづくりをみんなのプロジェクトと して共有するために、毎年テーマを設定し、ファッションや建築など様々なデザインを切り口に、そのテーマにアプローチしていきます。 誰でも参加型ワークショップ「みんなでつくろう!デザインの森」 デザインギャラリーのガラス壁面を生かして、来場した方なら誰でも参加できるワークショップ を開催します。4月のスタートは「みんなでつくろう!デザインの森」。ガラス壁面に植えられた抽象的な「たね」からどんな木が成長してくるのか。みんなで考えて描いてみましょう。みんなでつくったデザインの森は、金沢版コドモチョウナイカイの活動の拠点となります。 進行形の金沢版コドモチョウナイカイ 金沢のクリエイターたちと一緒に、金沢版コドモチョウナイカイは展開します。1年をかけてどんなことが起こるのか、子どもたちが中心になってつくっていく予定です。まずは6月のファーストコドモミーティング、「デザインで何ができるのか」を考え、みんなで共有できる「テーマ」 探しから活動をスタートします!
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