2021年の金沢21世紀美術館のプログラム

これまでの日常(あたりまえ)を問い直す

 新型コロナウィルス感染症の収束が見通せない中、金沢21世紀美術館は、新年度に向けて慎重かつ丁寧な感染症対策を講じながら、活動を継続し、発信し続けてまいります。2021年度を一言で表すならば、「これまでの日常(あたりまえ)を問い直す」一年になるのではないか、ということです。
 特別展では、文字通り日常と非日常との間を身近な暮らしから見つめ直す「日常のあわい」展と近年改めて注目を集めるフェミニズムを再検討、再解釈する「フェミニズムス / FEMINISMS」展を開催するほか、コレクション展では、作品の背景にある祈りや信仰を主題にした「Inner Cosmology」展や闇と光の間にある色彩に着目した「BLUE」展を開催します。
 同時にこの美術館が市民の「日常」の場所になることも私たちの課題です。普段の生活の中で、市民の皆さんが主体的に美術館と関われるような場を作る、例えば「オープンまるびぃ」では、11月3日の金沢市民無料開放日に向け美術館が街なかの居心地の良い場所になるにはどんなことができるのかを考えていきます。市民を主役にまちの広場をみんなで作る「まるびぃArt-Complex」や、誰もが来館しやすい美術館を実現する「みんなの美術館 みんなと美術館」などのプログラムを継続して展開していくことも重要でしょう。さらに友の会やボランティアの活動、キッズスタジオの活用など、多様な来館者の期待に応え、市民と地域やアートをつなぐコミュニケーションの場としての役割を果たしてまいります。
 さらに子どもや家族が楽しめるワークショップや「高校生限定 劇的!バスツアー」など地域の若い世代の活動を後押しする企画のほか、既成の分野の枠を超えた活動に焦点を当てる自治区など多彩なプログラムを予定しています。ちなみに、来館者の皆さんの送迎に利活用してきたアートバスも新しくなります。こちらもご期待ください。

金沢21世紀美術館