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休館

EXHIBITION展覧会

開館15周年記念

現在地:未来の地図を描くために[1]

2019年9月14日(土) -
2019年12月19日(木)

エルネスト・ネト 《身体・宇宙船・精神》 2004
photo: FUKUNAGA Kazuo
© Ernesto NETO

インフォメーション

期間:
2019年9月14日(土) 〜2019年12月19日(木)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
会場:
金沢21世紀美術館
展示室7〜14、交流ゾーン
休場日:
月曜日(ただし9月16日、9月23日、10月14日、10月28日、11月4日は開場)、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
料金:
■ 本展観覧券
一般=1,200円(1,000円)
大学生=800円(600円)
小中高生=400円(300円)
65歳以上の方=1,000円
※現在地[1]の観覧券で、現在地[2](2019年10月12日〜12月19日)にもご入場いただけます。
■「粟津潔 デザインになにができるか」 展との共通観覧券(9月14日〜9月23日)
一般=2,000円(1,600円)
大学生=1,400円(1,100円)
小中高生=700円(600円)
65歳以上の方=1,600円
※( )内は団体料金(20名以上)及び前売りチケット料金
チケット取扱:
チケットぴあ
TEL: 0570-02-9999
Pコード:
[本展観覧券]769-694
[粟津潔との共通観覧券]769-693
ローチケHMV
TEL: 0570-000-777
Lコード:
[本展観覧券]54369
[粟津潔との共通観覧券]54417
○EVENTIFY(ファミリーマートグループ)
ファミリーマート店内Famiポートにて直接お買い求めください。
音声ガイド:
料金:スマートフォン用アプリケーション(スマートフォン決済/Apple Storeで販売) 490円
   レンタルオーディオガイド 600円 
貸出場所:総合案内モニター前
お問い合わせ:
金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800

概要

金沢21世紀美術館は2004年の開館から15周年を迎えます。その節目を記念して、展覧会「現在地:未来の地図を描くために」を開催します。本展は、コレクション作品を中心に、私たちの未来を見つめるために立つ、今ここを「現在地」として、時代と共に歩んでいく作家たちの世界への眼差しを捉えて紹介するものです。開館からわずか15年間ではありますが、その間に収集した約4,000点に及ぶコレクション作品の数々は、20世紀終わりから21世紀の今日までの目まぐるしく変化する世界について、芸術的な視点から考察することができます。この世界に生きる表現者たちは、どのような未来の地図を手に入れて進んでいくのか。芸術によって認識する、私たちそれぞれの現在地を明らかにしていく機会とします。

関連プログラム

高山明《マクドナルドラジオ大学》ライブレクチャー
日時:9月14日(土)
16:00- 16:15頃 ライブレクチャー① メディア学Ⅱ「路上から発信する」(小坂保行)
16:30- 16:45頃 ライブレクチャー② コミュニティ学「ムスリムとして日本で生きる」(Hikmah)
17:00- 17:15頃 ライブレクチャー③ 文学Ⅱ「私と平家物語」(中島幼八)
※各定員40名(先着順)

現在地ー過去の参照と未来の創造

ムン・キョンウォン & チョン・ジュンホ 《世界の終わり》2012
© MOON Kyungwon and JEON joonho

過去と未来という2つの時間の層は、必ずしも直線的なものとは限らず、ときに織物のように交錯する。ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホの《El Fin del Mundo》では、ある男性アーティストの活動を通して描き出される「過去」と、旧世界文明の調査に赴く女性を通して描き出される「未来」とが、左右2面のスクリーンに投影され、「未来」の女性は男性の制作した作品の痕跡を通して「過去」と接触する。この作品では過去を参照することと、未来を創造することが重層的に語られるが、我々が立つこの現在は、そうした2つの時間の層の織目であり、参照と創造の結節点となる可能性を秘めている。

【出品作家】
ムン・キョンウォン & チョン・ジュンホ

仮想空間に宿る命

ドミニク・ゴンザレス=フェルステル 《安全地帯のアン・リー》2000
© Dominique GONZALEZ-FOERSTER / Anna Sanders Films
photo: SAIKI Taku

フランスの芸術家ピエール・ユイグとフィリップ・パレーノが行った独創的なプロジェクト「No Ghost Just a Shell」の小特集。作家たちは、日本のデザイン会社から購入した「アン・リー」という架空のキャラクターを媒介に、複数の作家が無差別に協働する状況を作り出した。本小特集では、情報工学と生命科学が結びついた先にある「概念と生命が曖昧な未来」を映し出す鏡として、「アン・リー」をめぐる複雑な創作の総体の中から4点を紹介する。

【出品作家】
M/M Paris
ピエール・ユイグ
ドミニク・ゴンザレス=フェルステル
リクリット・ティラヴァニ

芸術と生命工学の交差

やくしまるえつこ 《わたしは人類 ver. 金沢》2017
© YAKUSHIMARU Etsuko
photo: YANAI Shino

テレビやインターネットがそうであったように、生命工学がもたらす新たな技術は、芸術にかつてない可能性を開いている。20世紀後半から21世紀初頭にかけて登場した生物のDNAを読み書きするためのさまざまな技術は、芸術家たちにとって、新たな表現手段となっている。この部屋では、当館所蔵作品を交えて、その歴史の一部を俯瞰する。また世界中で民主化が進むバイオテクノロジーがどのような未来を作り出すのかについて考える。

【出品作家】
ステン・ハンセン
やくしまるえつこ
BCL
川崎和也

【資料展示】
ミハイル・S・ネイマン
三浦郁夫(広島大学両生類研究センター)+広島国泰寺高校生物班
リチャード・パワーズ
マッシヴ・アタック
ジュリアン・ソレル・ハクスリー
YCAMバイオリサーチ

In a Gamescape: REPLAY

Playables(ミヒャエル・フライ&マリオ・フォン・リッケンバッハ)
《Kids》2017–19

開発環境の発展やオンラインストアなど販路の整備は、ゲームを巡る産業構造に変化をもたらし、アニメーション映画や現代美術、電子音楽など他領域からの開発者の参入を促している。つくり手が多様な「個」へと変移することで、ヴィデオ・ゲームは、そのメディア自体を批評的に捉え直すメタメディアとしての機能を獲得し、ゲーム内部の空間や風景、ゲームの自律性や現実世界との接続といった、これまで不可視であったゲームに内在する世界の構造を顕在化させ、さらなる拡がりをも予感させる。

【出品作家】
ミルトス・マネタス
ブレント・ワタナベ
Playables(ミヒャエル・フライ&マリオ・フォン・リッケンバッハ)
ジョセフ・デラップ
和田淳

深い危機の時代

ヘザー・デューイ=ハグボーグ 《過激な愛》2016
photo: Thomas Dexter

この世界には、様々な人種や宗教、異なる価値観や思想をもつ人々が共存している。人種や性差への差別意識は消えることなく、貧困や飢えに喘ぐ人々はあとを絶たない。目には見えない国境が存在し、負の歴史の精算も追いつかないばかりか、繰り返される破壊や紛争が世界の人々に大きな影を落とし続けている。最先端のテクノロジーが人間の生き方や価値観さえも大きく揺るがし、人間の存在をこれまでない方法で規定していく。そんな「深い危機の時代」と向き合うアーティストたちが希望を見い出そうとする作品を紹介する。

【出品作家】
ヘザー・デューイ=ハグボーグ
ホウ・イーティン
ドゥ・ペイシー
Hong Kong Cleanup
ムン・キョンウォン & チョン・ジュンホ
ヒワ・K
アーデル・アービディーン
ヤン・ジェンジョン
ミハイル・カリキス
柳瀬安里
エルカン・オズケン
オリバー・ビア
ツァオ・フェイ
ゲルハルト・リヒター

深い危機の時代 (交流ゾーン/ レクチャーホール)

キュンチョメ 《完璧なドーナツをつくる》2017-18

【出品作家】
キュンチョメ
シュウ・ジャウェイ
ミヤギフトシ

上映スケジュール

協働の力

ペドロ・レイエス 《人々の国際連合 武装解除時計》
2013
© Pedro REYES
photo: KIOKU Keizo

世界の至る所で危機が伝えられる毎日を、どのように生き抜いていけば良いのだろうか。ペドロ・レイエスは、既存の国家国民の枠組みや、専門家だけに任せるのでは地球規模の課題は到底乗り越えられないと考え、個人が意見交換を重ねるためのプロジェクト「人々のための国際連合」を提案している。異なる文化、歴史、知恵や経験を持ち寄り、クリエイティブな方法で打開策を考えることは、真に民主主義的態度の現れである。暴力や破壊も、ユーモアを以て連帯して向き合うことで解決できるかもしれないのだ。

【出品作家】
ペドロ・レイエス

エコロジー、ローカリティ

ジュディ・ワトソン《グレートアーテジアン盆地の泉、湾(泉、水)》2019
Courtesy of the artist and Milani Gallery, Brisbane
Photo: Carl Warner

エコロジー
環境汚染への反省として人間は自然に影響を与えることは許されないというエコロジー思想では、人間存在と環境は対立すると考える。しかし、「現在地」における自然と人間の関係は、すべて網の目のように繋がっていて、境界や対立はないと考えることも可能だ。自然は静謐で美しいというよりも、流動的で不穏であり、突発的で非情でもある。ジュディ・ワトソンは、大地から得た有機的な素材を作品に取り入れ、自然との間に境界を持たない。照屋勇賢の新聞を使った作品は、自然災害によって洗われる非情な風土を受容しつつ、希望の兆しを立ち上げた芽に託したものだ。
ローカリティ
国家的公共性を帯びる歴史は本流として語り継がれていくが、書き残されなかった場所に帰属する事実は、流動的で開放的な時間と空間の中に断片として残されている。ティファニー・チュンは、茨城県日立市の博物館に残された資料から、歴史の超空洞となったエリアを地図で表す。エリアス・シメはPCの解体部品が集積するアフリカにあって、本来的な意味や機能を果たさなくなったワイヤーでアフリカの風景を描く。

【出品作家】
ティファニー・チュン
風間サチコ
エリアス・シメ
ジュディ・ワトソン
照屋勇賢

エネルギーの伝播

オラファー・エリアソン 《水の彩るあなたの水平線》2009
© 2009 Olafur Eliasson, courtesy of the artist and
Gallery Koyanagi, Tokyo
photo: KIOKU Keizo

光、水、色、鏡などを使い、人間が目に見える現象をどのように認識するかに関心を抱き、その認識が形成されるプロセスを探求するオラファー・エリアソン。空間そのものを変容させてしまうような、スケールの大きなプロジェクトでも知られる。《水の彩るあなたの水平線》は、水を張った円形の器の中央にHMIランプとプリズムが置かれ、踏み板と直結するハンマーが器の底を叩くと水面に波紋が広がるという作品。プリズムを通した光が、水の揺れによって、暗い展示室の壁に虹の帯を作り出すというインタラクティブな仕掛けをもつ。行為の介入によって作品全体に変化を起こすというエリアソンの作品の特徴を示している。

【出品作家】
オラファー・エリアソン

関係性についての考察

ギムホンソック 《これはうさぎです》2005
© Gimhongsok
photo: KIOKU Keizo

世界は様々な「関係」で成り立ち、日常は「関係」によって形作られている。人と人、人と物、物と物といった様々な関係について考察した作品を集めて紹介する。リジア・クラークは人が関わることで形が変わる作品を以って人と物の関係を考察し、関係を取り巻く環境にも言及した。シウド・メイレリスはそのリジア・クラークに影響を受けて、《L.C.へ》を制作。異なるサイズや素材の球を、金属製の手袋を装着して持つと感覚が鈍くなり、どの球もほぼ同じようにしか感じられない。経験上知り得た関係を覆すことで、関係とは条件や環境によって変更や更新がなされることを示した。島袋道浩の《箱に生まれて》は、鑑賞者が近づくことで箱が自身について語りだし、ギムホンソックの《これはうさぎです》は黙して動かないうさぎの正体について、横に置いてあるプラカードの文面によって語られる。

【出品作家】
リジア・クラーク
ギムホンソック
島袋道浩
シウド・メイレリス

身体・宇宙船・精神

エルネスト・ネト 《身体・宇宙船・精神》 2004
photo: FUKUNAGA Kazuo
© Ernesto NETO

この部屋では、伸縮性の高い布「ライクラ」で作られたエルネスト・ネトの作品《身体・宇宙船・精神》を紹介する。薄いピンクやグリーンで覆われた不安定な空間は、生物の内部に入ってしまったかのような、不思議な感覚をもたらす。中央にあるクッションからはハーブが香り、リラックスした状態で静かに自身の内面と対話する空間となる。

【出品作家】
エルネスト・ネト

創造的コレクション

ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー
《驚異の小部屋》 2017
photo: KIOKU Keizo
© Janet CARDIFF & George Bures MILLER

小さな抽斗がたくさんついたキャビネットは、抽斗をあけると音楽や誰かの声、様々な音が溢れ出し、抽斗を戻すと音が鳴り止む。抽斗毎にちがう音が仕舞われており、開け締めによって、DJのように音を奏でることもできる。仕舞われている音は、どれも作家が収集した様々な音源からなる。美術館という場所は、このキャビネットに似ている。美術館は作品を大事に保管しつつ、しかし時には取り出して、人々の前に披露し、また作品の組み合わせによって新たな価値観を提示する。優れたコレクションは、その先の創造への糸口になる。

【出品作家】
ジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラー

静かな変革(交流ゾーン / 授乳室前)

高山明《マクドナルドラジオ大学》2017、フランクフルト
photo: HASUNUMA Masahiro

演劇ユニットPort B(2002-)を主宰する高山明は、演劇を媒介にして世界をいかに受容するかという思考空間に観客を招き入れるプロジェクトで知られる。近年は、都市空間自体を劇場化し、ツアー・パフォーマンスやインスタレーションによって、現実の中で活きるプログラムによって静かな変革を目指している。「マクドナルドラジオ大学」は、世界各所にあるマクドナルドを大学に見立て、知のベルト(シンク・ベルト)を創出しようという壮大なプロジェクトである。今回は美術館の交流ゾーンにマクドナルドのような空間を創出し、参加者は講義を注文してその場で聴講することができる。教授陣は、インドネシア、台湾、イラン、シリア、ウガンダ、日本などの移民または難民と呼ばれる人々が務め、哲学、音楽、建築、生物学、自然科学、ジャーナリズムなど内容も多彩である。

【出品作家】
高山明

《マクドナルドラジオ大学》スケジュール

主催/ほか

主催:
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
協力:
NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、Hong Kong Cleanup、株式会社アイ・オー・データ機器、北陸コカ・コーラボトリング株式会社、キリンビバレッジ株式会社