ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと

2022年5月3日(火・祝) - 2022年9月4日(日)

インフォメーション

期間:

2022年5月3日(火・祝) - 2022年9月4日(日)
10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)

会場:

金沢21世紀美術館
展示室7〜12

休場日:

月曜日(ただし7月18日、8月15日は開場)、7月19日(火)、8月16日(火)

料金:

一般:1,200円(1,000円)
大学生:800円(600円)
小中高生:400円(300円)
65歳以上の方:1,000円
※( )内はWEB販売料金・団体料金(20名以上)
※当日窓口販売は閉場の30分前まで
※入場当日に限り「コレクション展2 BLUE」(対象期間:5月3日~5月8日)及び「コレクション展1 うつわ」(対象期間:5月21日〜9月4日)にもご入場いただけます。

日時指定WEBチケット購入について:
入場時間枠:
[1] 10:00~11:00 [2] 11:00~12:00
[3] 12:00~13:00 [4] 13:00~14:00
[5] 14:00~15:00 [6] 15:00~16:00
[7] 16:00~17:00 [8] 17:00~18:00
[9] 18:00~19:00 [10] 19:00~20:00
※ [9][10]は金・土曜日のみ
販売分:前月1日の10:00〜

日時指定WEBチケット購入

・日時指定WEBチケット及び当日券は、指定の入場時間枠ごとの数量限定販売となります(先着順・予定数量に達し次第販売終了)。
・展覧会場入り口にて、購入済みページの二次元コード画面または印刷したものをご提示ください。
・各時間枠の開始直後は、入場待ち列ができることがあります。


友の会会員について:
予約不要でいつでもご入場いただけます。(ただし、当日の混雑状況により入場制限の可能性があります。)

お問い合わせ:

金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800

韓国を代表するアーティストデュオ ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホは、ユニットを結成した当初の2009年より「現代世界における芸術の社会的機能と役割は何か」と問い直すプロジェクト「News from Nowhere」(ウィリアム・モリスの小説からインスピレーションを得て名付けられた)を展開し、さらに様々な領域の専門家との対話と意見交換を介した協同のための実践的なプラットフォームを提唱してきました。こうした考え方をもとに、彼女たちは現代社会における諸課題を抽出し、作品を介してそこに生きる我々へとメッセージを投げかけます。

疫病や戦争といった古来より人類を苦しめてきた災いが、今なお、強大な脅威として存在しつづけていることを認識せざるを得ない現在。この不穏な時代に彼女たちが、こうした脅威、歪みや矛盾、そして抑圧を孕む世界を、今を生きるアーティストとしてどのようにとらえ、いかなる変革をめざしているのか、作品を通して感じ取っていただけることでしょう。当館の建築空間を活かして展示されるそれぞれの作品は、独立したものでありながら何処かで連環しており、会場全体が彼女たちの多層的な作品世界になっています。彼女たちの日本国内では初となる大規模な個展をぜひお楽しみください。

関連プログラム

アーティスト・トーク

日時:2022年5月3日(火・祝) 13:00〜15:00
会場:金沢21世紀美術館 レクチャーホール
定員:一般90名(要事前申し込み・先着順)
料金:無料
申込方法:4月20日(水)より受付開始

作家プロフィール

  • ムン・キョンウォン & チョン・ジュンホ

    ムン・キョンウォン MOON Kyungwon
    1969年ソウル(韓国)生まれ。 ※写真左

    チョン・ジュンホ JEON Joonho
    1969年釜山(韓国)生まれ。 ※写真右

    ムン・キョンウォンとチョン・ジュンホによるデュオ。近年、学際的なプラットフォームを作ることに焦点を当てた共同プロジェクト「News from Nowhere」を活動の中心としている。最初のサイトスペシフィックな共同作品を2012年のドクメンタで発表。主な個展に2013年「News from Nowhere」シカゴ美術館附属美術大学、2015年ミグロス現代美術館 (チューリッヒ)、「The Ways of Folding Space & Flying」ヴェネチアビエンナーレ韓国館、2017年「Freedom Village」スカイ・ザ・バスハウス(東京)、2018年~2019年「News from Nowhere」テート・リバプール、2021年「News from Nowhere: Freedom Village」韓国国立近現代美術館(ソウル)、2021年「奥能登国際芸術祭」(珠洲・石川)などがある。金沢21世紀美術館では、2018年東アジア文化都市2018「変容する家」、2019年開館15周年記念「現在地:未来の地図を描くために[1]」、2018年〜2019年自治区AIR 金石大野アートプロジェクトに参加。
    https://moonandjeon.com/

主な出品作品

  • 《世界の終わり》2012
    2 チャンネル・ヴィデオ・インスタレーション
    13分35秒
    金沢21世紀美術館蔵

    《世界の終わり》2012

    ドクメンタ13(2012年)で発表され、以後ヴェネツィア・ビエンナーレ韓国館(2015年)など数々の国際展で公開された、彼らの代表作のひとつ。2面のスクリーンに投影される映像は、ある男性アーティストの活動を描く「現在」と、ポスト・アポカリプスの新世界に生きる女性が旧文明の調査に赴く「未来」がパラレルに進行し、「未来」の女性は男性の制作した作品の痕跡を通じて「現在」と接触する。デュアル・プロジェクションの手法が最大限に活かされ、アポカリプス前後の「未来」と「過去」という異なる時間軸の接続が映像世界として精緻に描き出されている。

  • 《どこにもない場所のこと:エクリプス》2022
    シングルチャンネル・ヴィデオ・インスタレーション
    17分5秒

    《どこにもない場所のこと:エクリプス》2022

    本展で初めて発表される新作映像インスタレーション。光の檻を思わせる空間の中で、サウンドやライティングと同期して大型LEDパネルに映像が映し出される。人一人いない大海原で救命ボートを居所として危機にさらされながら暮らす男。仮想現実の世界に取り込まれながらも、その支配から、そして人間の存在を締め付ける束縛や制度の檻からの解放を切望し、根源的な自由を追い求める人間の意志が描かれる。

  • 《サイレント・プラネット》2020-2022
    2チャンネル・ヴィデオ・インスタレーション
    7分48秒

    《サイレント・プラネット》2020-2022

    当館のアーティスト・イン・レジデンス・プログラム(自治区金石大野芸術計画)に参加し、金石地区(金沢市)に滞在した彼女たちが、同地で撮影した映像を通して、「誰もが消え去った不在の村」を描き出し、忘れられた歴史と失われた暮らし、世界への哀れみと懐疑を考察している。また、金石地区でのリサーチを経て、街の特性を活かしながらその機能拡張や風景の変容に言及する、彼らの建築プランを展示。

  • 《妙香山館》2014-2017
    HDフィルム
    19分39秒

    《妙香山館》2014-2017

    この映像は一夜の夢のごとく流れゆく。
    長年にわたる確執や分裂、イデオロギーの相違、無関心や不信が宙吊りになった都市にある架空の北朝鮮レストランでのある夏の夜。テーブルを囲む2人のアーティストの間に生まれた会話は、芸術と思想、現実と観念、そして自我と超自我の間を行き来する。
    北朝鮮でも韓国でもないこの特別な場所で、人間存在の矛盾と齟齬、そして我々を取り巻く世界の虚飾が露わになる。心の奥底に潜む芸術的な想像力と激しい情熱が静かなカメラワークによって展開される。

  • 《どこにもない場所のこと:フリーダム・ヴィレッジ》2021
    2チャンネル・ヴィデオ・インスタレーション
    14分35秒

    《どこにもない場所のこと:フリーダム・ヴィレッジ》2021

    韓国と北朝鮮の間の非武装地帯にある村 ―そこは現実には存在するが、いわば不可視の村― の住民と、未来に生きる人物が時空を超えて交錯し、イデオロギーの二律背反性から生み出された2つの世界が描かれている。彼女らは本作を「制度や社会システムへの内省」であり、「想像力豊かな概念を呼び起こすための新しい展望を開く比喩的な空間」と呼ぶ。表裏二面の大型LEDパネルの映像のほか、サウンドや絵画、写真、テキストで構成される複合的な大型のインスタレーション。

    For the project "MMCA Hyundai Motor series NEWS FROM NOWHERE."
    Co-organized by National Museum of Modern and Contemporary Art, Korea

  • 《フリーダム・ヴィレッジ》2017
    シングルチャンネル・ヴィデオ
    12分15秒

    《フリーダム・ヴィレッジ》2017

    古めかしい実験装置があふれ、奇妙なことが起こりつつある。何の実験なのだろうか。稲妻のように放電し、計器盤のインジケーターが狂ったように振れる。古びたテレビには朝鮮戦争のドキュメンタリーが映し出され、残酷な戦争の映像と奇妙な実験はつながり、過去とも現在とも判別できない曖昧な時間と空間が交錯する。この映像作品は、朝鮮半島の分断がもたらした政治的不安や衝突を考察するものであり、人類史上の過ちを省み、矛盾に満ちた世界の存在を明らかにしようとする隠喩空間、かつ想像力の地平である。

関連書籍

  • 『ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと』

    販売中
    販売価格:2,970円(税込)
    仕様:A4変型、上製本、128頁

    [カタログのご予約をして頂いたお客様へ]
    準備が整い次第、順次発送をさせていただきます。大変お待たせいたしました。
    恐れ入りますが、11/15(火)までにカタログが未到着の場合は下記までご連絡をお願いいたします。
    金沢21世紀美術館ミュージアムショップ tel:076-236-6072

クレジット

主催:

金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]

協賛:

サムソン文化財団

助成:

コリア・アーツ・マネジメント・サービス