特別展

日常のあわい

2021年4月29日(木・祝) - 2021年9月26日(日)

インフォメーション

期間:

2021年4月29日(木・祝) - 2021年9月26日(日)
10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)

会場:

金沢21世紀美術館
展示室7~12・14

休場日:

月曜日(ただし5月3日、8月9日、9月20日は開場)、 5月6日(木)、8月10日(火)、9月21日(火)

料金:

一般:1,200円(1,000円)
大学生:800円(600円)
小中高生:400円(300円)
65歳以上の方:1,000円
※( )内は団体料金(20名以上)およびWEBチケット料金
※当日観覧券販売は閉場の30分前まで
※本観覧券で入場当日に限り、同時開催中の「コレクション展1 Inner Cosmology」(5月29日~9月26日)にもご入場いただけます。

日時指定WEBチケット購入について:
入場時間枠:
[1] 10:00~11:30 [2] 11:30~13:00
[3] 13:00~14:30 [4] 14:30~16:00
[5] 16:00~17:30 [6] 17:30~19:30
※ [6]は金・土曜日のみ
販売開始:2021年7月27日(火) 10:00
販売分:8月24日以降分のチケット

日時指定WEBチケット購入

・各時間枠の開始直後は、入場待ち列ができることがあります。
・ご購入済みの予約券の払戻しはいたしかねます。
・日常のあわい展会場入り口にて、購入済みページの二次元コード画面またはプリントアウトしたものをご提示の上、ご入場ください。
・展覧会観覧日の前日23:59まで予約が可能です。
・日時指定WEBチケット及び当日券は、指定の入場時間枠ごとの数量限定販売となります(先着順・予定数量に達し次第販売終了)。


友の会会員について:
・日付指定不要でいつでもご入場いただけます。
(ただし、当日の混雑状況により入場制限の可能性があります。)
・友の会会員の同伴者は、事前に日付指定の観覧券をご購入いただくか、当日券をお買い求めください。

お問い合わせ:

金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800

2020 年初頭から始まった新型コロナウイルス感染症の流行は、発生から1年以上がたった現在も収束の兆しが見えないままです。世界中で人々の日常はすっかりその姿を変えてしまいましたが、日本はもとより地震や台風などの自然災害が多く、いつ日常が脅かされるかもしれない不安や緊張と隣り合わせで過ごしてきた人も多いでしょう。
本展覧会は、私たちが意識せざるをえなくなった「日常」について、今一度見つめ直すものです。そもそも日常を日常たらしめているものは何でしょうか。生活の中のちょっとした習慣や日課、家族や地域の中で共有されている約束ごと。とりたてて変化のない時間の流れや風景。しかしながら、当たり前に繰り返されている営みであっても、人によって、家族によって、異なる個々の日常が紡がれています。本展では、意識しないと見過ごしてしまう生活のなかのささやかな創造行為に着目した作品や、突然の喪失や災害に向き合う心の機微を捉えた作品、そして形を変えて続いていく日常をあらわにする作品を介して、日常と非日常のあわいにある「現在」を浮かび上がらせます。

出品リスト

関連プログラム

竹村京《Time Counter》パフォーマンス

日時:4月29日(木・祝)、5月5日(水・祝)、6月27日(日)、7月27日(火)ほか不定期に実施します。
会場:展示室12
定員:展示室内が混雑した場合、入室をお待ちいただくことがあります。(事前申込み不要)
参加費:当日の本展の観覧券が必要です。

※都合により、プログラムの内容を変更する場合がございます。
※この他のプログラムについても決まり次第随時更新します。

アーティスト・トーク vol. 1

登壇:岩崎貴宏、髙田安規子・政子
日時:2021年4月29日(木・祝) 14:00〜15:30(開場13:30)
会場:シアター21
定員:70名(先着順・要事前申込み)
参加費:無料
申込:友の会先行受付 4/6(火) 10:00受付開始
   一般受付 4/10(土) 10:00受付開始

出品作家(五十音順)

  • 青木陵子+伊藤存
    岩崎貴宏
    小森はるか+瀬尾夏美
    小山田徹+小山田香月
    下道基行
    髙田安規子・政子
    竹村京

出品作家解説

  • 青木陵子+伊藤存《その他の反乱》2021
    撮影:来田猛

    青木陵子+伊藤存

    青木(1973年兵庫県生まれ)は主に動植物をモチーフとした複数のドローイングを組み合わせた作品を、伊藤(1971年大阪府生まれ)は連鎖するさまざまなイメージを刺繍の線で描いた作品を中心に制作する。連名での活動の際には、それぞれの作品をゆるやかにつなぎ合わせつつ、展示空間での即興的な造形や人の成長をテーマとしたアニメーションの連作などによるインスタレーション作品を発表。本展では、2017年から参加しているリボーンアート・フェスティバルでの制作を元に、編み物や園芸など人々の暮らしに根付く「つくる」という行為の可能性を引き出す作品を展開する。

  • 岩崎貴宏《リフレクション・モデル(テセウスの船)》2017/2021
    撮影:来田猛

    岩崎貴宏

    1975年広島県生まれ。歴史的建造物や鉄塔、クレーンなどがもつ現実のスケールを縮小し、質感や強度の異なる素材へと置き換えることで、見る者の認識を揺さぶるような作品で知られる。本展では、「誰が袖図」をモチーフにした新作などを通じて、コロナ禍で変化した日常を示唆すると同時に、壊れた厳島神社の実像と鏡像を檜材により組み上げた《リフレクション・モデル(テセウスの船)》により、変化を受け入れながら続いていく日常の姿を浮かび上がらせる。

  • 小森はるか+瀬尾夏美《見える世界がちいさくなった》2019-2021
    撮影:来田猛

    小森はるか+瀬尾夏美

    映像作家の小森(1989年静岡県生まれ)と、絵や文章で表現活動をする瀬尾(1988年東京都生まれ)は、東日本大震災を機にアーティストユニットとしての活動を開始。陸前高田から仙台へと拠点を移しながら、東北の風景の変化を見つめ、そこに暮らす人々の語りに耳を傾け、それを記録し、伝える作品を制作してきた。本展では、「震災後、オリンピック前」と「コロナ禍」における東京の若者たちのリアルな声を捉えた映像と、瀬尾の言葉と絵、そしてコロナ禍の年表で構成される作品を発表する。

  • 小山田徹+小山田香月《お父ちゃん弁当》2017年
    作家蔵

    小山田徹+小山田香月

    1961年鹿児島県生まれ。大学在学中に結成した「ダムタイプ」で1984年から2000年まで活動する傍ら、90年代からは人々が集い対話し、関係性を築く共有空間を多数開発してきた。小山田が重視するのは、集まった人の工夫で、現場にあるものを活用するブリコラージュの手法である。本展では、小山田が日々、家族とともに実践しているブリコラージュ的活動から、娘の小山田香月とのコラボレーションで生まれた《おとうちゃん弁当》、《巡礼ゴッコ》などを紹介する。

  • 下道基行《ははのふた》2012年
    作家蔵

    下道基行

    1978年岡山県生まれ。戦争の遺構や津波で流れ着いた巨石、街なかの細い水路や側溝にかける橋のようなものなど、日常の中で埋もれている異質のものに着目し、リサーチを重ね、写真や映像、文章などで発表する。本展では、義母が手近なものを蓋として代用する行為を追った《ははのふた》や、各家庭の中で欠けているものを、別のもので補っている事象について、中学生にリサーチしてもらった《14歳と凹と凸》を中心に、日常の中で意識されていない異質な風景や、人々が無意識に行っている創造行為を追った作品を展示する。

  • 髙田安規子・政子《豆本の山》2013
    撮影:来田猛

    髙田安規子・政子

    ともに1978年東京都生まれ。双子の姉妹によるアーティストユニット。暮らしのなかにある小さな日用品や衣服に、彫りや刺繍といった手を加えることで、スケールの全く異なるモチーフや風景を作り出す作品には、詩的な喚起力が宿っている。本展では室内に見立てた展示室に作品を配置し、コロナ禍で外出できない閉塞感を暗示しつつも、日常と非日常のあわいにあるグラデーションや、物理的に離れていても外の世界とのつながりを感じさせるような空間を作りだす。

  • 竹村京「修復された」シリーズ、「日常のあわい」展示風景、2021
    撮影:来田猛

    竹村京

    1975年東京都生まれ。傷ついたり壊れてしまった日用品を半透明の布に包み、破損した箇所に刺繍を施す「修復シリーズ」や、ドローイングや写真の前面に刺繍された白布を重ね合わせたインスタレーションなど、記憶や風景といった忘れられていくものや、変化していくもの、日用品のように壊れてしまうものを縫うという行為によってとどめることを試みている。本展では、蛍光色に光るシルク糸を用いた修復シリーズの作品を出品するとともに、期間中に不定期で作品を修復する様子を公開する。

展覧会公式カタログ

Movies

クレジット

主催:

金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]

協力:

株式会社アイ・オー・データ機器