採択事業団体(50音順)
・劇団あはひ
・サンガツ
・DANCE PJ REVO
選考委員会総評
今回の「アンド21」には35件の応募が寄せられ、非常にクオリティが高くかつコロナ禍の中でも新たな表現活動を模索する意欲的な応募事業が多くありました。
選考にあたっては、次の3つが評価基準となりました。
「内容が現代的で独自の視点を持ち、新たな芸術創造につながる活動であるか。」
「十分に検討がなされた実現可能な企画であるか。」
「金沢のまちや人と交流することで、アーティストとまちの双方に新しい変化や刺激が生じることを期待できるか。」
これらの評価基準をベースとした厳正なる審査の結果、「劇団あはひ」、「サンガツ」、「DANCE PJ REVO」の3団体が2022年度共催事業として選出されました。
次は、各選考委員による総評となります。(50音順)
太田浩一委員
今回のセレクションは、それぞれ分野は異なるが、いずれも新たな表現に取り組む意欲あふれる作品であり、その志の高さが評価される。金沢の皆さんの目に触れた時に、どのような共感を得られるのか、上演が楽しみである。劇団あはひの新作、サンガツの力作「¿Music? 2022」には、Covid-19後の社会への視点に期待する。DANCE PJ REVO作品「窪地」の、アグレッシブなたたずまいは、特に印象に残った。
小野晋司委員
創造と表現を巡る選考委員の皆様との刺激的なディスカッションは有意義だった。現代社会に対する批評性、芸術分野に対する疑いを持って創作に取り組んでいる点が選考されたつくり手に共通している。これまでの活動プロセスからの発展が十分に見込める方々だと考えている。アンド21においての活動が、それぞれのつくり手にとっての次へのブリッジになると同時に、また金沢に戻ってきて創作を展開する循環の始まりになるのではないかと期待している。
竹下暁子委員
アーティストが⾦沢のオープンで批評性に富んだ観客に期待していることが伺える申請が多かった。選ばれた3作品が⾦沢でどう磨かれていくのか。出来上がった作品を受け⼊れるだけでなく、創作過程にある作品をふ化させていく⼟地としての役割が今年の選考には現れているのではないかと思う。また、アーティストはこのコロナの時代にどう向き合うのかといったテーマが取り上げられ、ここ数年の出来事や自身の体験を軸にそこからの未来を予感させる⾯⽩いラインナップとなった。
長谷川祐子委員
アンド21はシアター21の空間のフレキシビリティを活用して、多様な表現の可能性を募る企画である。今回は現代の問題に対して応答する演劇的なパフォーマンスやダンスが選ばれた。いずれも高いクオリティで、金沢の観客の方々にクリエイティブな刺激と情報を与えることを期待する。
吉田雄一郎委員
設定された評価基準から、「2022年/金沢/シアター21」という時間と場所で実施されることに、どのような説得性を持ち、表現としての強度を獲得し得るかという点を見ようと試みた。コロナ禍によって影響を受けた社会や生活に対する応答の批評性において、サンガツ、劇団あはひをはじめ、いくつかの企画からは新たな表現の芽を感じることができた。選出された3組が私たちの予想を超えたヴィジョンを提示してくれることを期待する。