期間:
2022年12月10日(土)
14:00〜16:00(開場13:45)
2022年12月10日(土)
14:00〜16:00(開場13:45)
金沢21世紀美術館 レクチャーホール
70名
無料
市民無料の日:
12月10日(土)は「美術奨励の日」。 金沢市民の方は金沢21世紀美術館主催の「コレクション展」を無料で観覧できます。(要証明書)
金沢21世紀美術館 交流課
TEL 076-220-2811
(火〜日、祝日10:00〜18:00)
フォーラムアールでは様々な分野の専門家をお迎えし、世界にある「今」への新しい視点や考え方を学びます。各回で美術館の専門スタッフが聞き手となり、みなさんとともに「少し先の未来」との向き合い方を考える、のびやかな学びと語らいの場を目指します。科学技術の進歩が社会を変化させ続ける中、また地球環境や社会システムの更新などに対応すべく、私たちはあらゆる分野で協調して対応しなければなりません。各回のトークを通じて、変化を理解し、仕組みや態度を調整/更新していく学びの機会としたいと思います。
琉球弧の島々では、山・川があり田んぼで稲作を営むことのできる高島を田の国「タングン島」と呼び、川がなく水の確保に苦労をし、ムギやアワなどの畑作が中心だった低島を、野の国「ヌングン島」と呼び分けてきました。このように琉球弧の島々では、それぞれの自然環境に応じて、固有のことばや文化、生命観、在来知、技術、道具、芸能などを発達させてきました。本レクチャーでは、琉球弧のサンゴ礁を生業の場とする人々の漁撈文化を紹介し、人間と生きもの、自然環境との循環的な関わりについて考えます。(高橋そよ)
開催中の「コレクション展2 Sea Lane - Connecting to the Islands 航路 - 島々への接続」(2023年3月19日まで)では、沖縄と海洋で交流のあった東南アジア・オセアニア地域の作家の表現を通して、この地域特有の島嶼性という観点に着目しています。「島嶼」というのは大小さまざまな島が分布する状態を指します。本展でフォーカスしている地域とその地域出身の作家にとって、歴史、文化、環境、常識といったあらゆることにおいて島嶼性がもたらした影響は大きなものでした。 高橋そよ氏は、20年以上沖縄の島々をフィールドワークの地として、そこで島どうしのつながりや、関係性、文化や伝統の継承、経済活動の成り立ちなどを研究しています。実際に島嶼研究をしている高橋氏にとって、作家が見てきた現実がどのように映るのか、そして作家の表現と研究者の調査研究の両側面から人類がいま直面している現実を理解し、未来に向けて何をどう考え実行していけばいいのか、そのようなことを考える機会にしたいと思います。(野中祐美子)
11月10日(木)10:00より受付開始
下記お申し込みフォームより、必要事項を記入の上お申し込みください。
WEB申し込みフォーム
琉球大学人文社会学部 琉球アジア文化学科 准教授。島をフィールドとした人間と自然との関わりに関する研究に憧れて、北海道から琉球大学に入学し、伊良部島の素潜り漁師に弟子入りをする。野生動植物の国際取引をモニタリングする国際NGOのプログラムオフィサーなどの社会と研究をつなげる仕事を経て、2019年より現職。地域の方々と一緒に、漁具や古写真をはじめとするサンゴ礁漁撈文化の記録と継承に取り組んでいる。
金沢21世紀美術館アシスタント・キュレーター/レジストラー。清須市はるひ美術館学芸員を経て2014年12月より現職。開催中の展覧会「コレクション展2 Sea Lane - Connecting to the Islands 航路 - 島々への接続」を担当。沖縄のアーティストの調査を進めるなかで、沖縄から東南アジア・オセアニア地域のつながりに関心をもつようになり、本展覧会が実現した。近年の主な展覧会は「村上慧:移住を生活する」(2020-21)、「現在地:未来の地図を描くために」(2019-20)、「泉太郎 突然の子供」(2017-18)など。
vol. 1 太田光海「氾濫する映像の中に、自分だけの水脈を見つける ―感覚民族誌の視点から―」
vol. 2 高橋そよ「生きものをめぐる―琉球弧の生物文化多様性の視点から―」
vol. 3 藤原辰史「これからの「食」とアート」
vol. 4 吉村正志「地域社会と見つめる『生物多様性』〜沖縄の陸域環境調査から」
vol. 5 フランソワーズ・モレシャン「時代は変わる、ファッションも」
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]