特集 コレクションの更新
本号の特集は、「コレクションの更新」です。当館は2019年に開館15周年を迎えました。コレクション活動を開始した2000年から数えると、20年の歳月が流れたことになります。また、2020年から始まった新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、海外への渡航や国内の往来の制限を余儀なくされ、多くの展覧会が中止されました。そのような状況の中で、国内外の美術館において、改めてコレクションの存在が見直されています。この先の何十年、何百年という年月に向けて、現代の美術作品の潮流をどう捉え、収集・保存・活用していくべきなのか。海外論考も含め、美術館だけではない視点を取り入れつつ、考察していきます。
フォーラム
フォーラムでは、当館学芸員の研究論文を3本紹介します。1本目はコレクション研究として、個展を機に2020年度に収蔵された内藤礼の作品《地上はどんなところだったか》についての研究を、2本目は、2009年にいち早く当館で収集した塩田千春+岡田利規の作品《記憶の部屋について》を例に、近年増えているパフォーマンス作品の収集と再展示の方法について考察します。3本目はエデュケーション部門より、当館の所有するシアター21の活用の観点からインクルーシブシアターの可能性について論じています。