期間:
2017年12月16日(土)
10:00〜16:30
2017年12月16日(土)
10:00〜16:30
金沢21世紀美術館 シアター21
入場無料
申込方法:
申込受付を終了しました。なお、当日受付は行いません。
金沢21世紀美術館 学芸課
TEL 076-220-2801
20世紀以降の工業の発達は、様々な素材を複合的に使用した製品を数多く社会にもたらしました。身の回りにある製品と同様に、あるいは時としてそれ以上に、現代の美術作品は媒材(材料や手法などの諸要素)が様々に交錯・干渉しながら成立すると言えます。
現代のアーティストは表現の可能性を求めて新たに誕生した素材を美術に応用しつづけますが、そもそも物性や耐用年数などが明瞭でない新しい素材は、美術作品において想定外の劣化を引き起こしている例も少なくなく、材料の複合化が作品の保存や修復をより困難にしていることは否めません。そのようないわゆる「複合媒材(ミクスト・メディア)」の美術作品を永く公開可能にするためには、どのように保存・管理すべきなのでしょうか?
本シンポジウムでは、米国、香港、韓国から美術作品の保存に携わる専門家を招き、それぞれが実践している対処法を手がかりとしながら、美術のコレクションの保存と修復について考えます。
10:15〜11:45〈基調講演〉
フラヴィア・ペルジーニ( アソシエイトオブジェクトコンサベーター、ボストン美術館/アメリカ)
13:30〜16:30〈パネルディスカッション〉
フラヴィア・ペルジーニ( 基調講演者)
柳 蘭伊(リュウ・ナニ)( コンサベーター、サムスン美術館リウム/韓国)
クリステル・ペスメ( コンサベーター、M+/香港)
モデレーター: 内呂博之( コンサベーター、金沢21世紀美術館/日本)
申込受付を終了しました。なお、当日受付は行いません。
アソシエイトオブジェクトコンサベーター、ボストン美術館/アメリカ。2006年より米国ボストン美術館でコンサベーターを務める。ボストン美術館では、タイムベースドメディア、キネティックアート、ネオン・蛍光灯による作品、彫刻と現代美術インスタレーションの保存を専門とする。近年ではボストン美術館内外の専門家が参加するアーティストインタビューのワークショップ「VoCA(現代美術の声)」、ニューヨークで近現代美術の保存管理を手がけるスタジオベック&フローナートLLCのクリスティーネ・フローナートによるタイムベイスドメディアのワークショップを企画し、電子メディアの収蔵、保存管理、文書化、および保管に取り組んだ。
コンサベーター、サムスン美術館リウム/韓国。
サムスン美術館リウムのシニアコンサベーター。東京藝術大学で油画保存分野の博士号を取得した。その後、韓国のホアム美術館で近現代美術の修復を担当した。4年間、アメリカ、テキサス州オスティン大学のHRC保存センターのボランティアとして洋紙の修復プロジェクトに数多く参加し、2009年より現職。現在はコンサベーターとして屋外の大型作品を含む近現代美術の保存を担当している。また、韓国初期油画の修復と材料の研究を行っている。
コンサベーター、M+/香港。
2019年に開館予定の香港 「M+(エム・プラス)」のシニアコンサベーター。パリ第1パンテオン・ソルボンヌ大学を卒業し、サンディエゴのバルボア美術保存センターで紙専門のコンサベーターとして務めた後、ロサンゼルスのゲティ・コンサベーション・インスティテュート(GCI)のメンバーとなった。GCI科学部門の予防的保全研究グループにおいては、特に博物館施設の照明計画の開発における予防保全について専門的に研究。2017年「M+」に移籍し、保存管理の専門家として活動を行っている。
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
公益財団法人ポーラ美術振興財団、駐大阪・神戸米国総領事館