期間:
2017年4月23日(日)
13:00〜14:30
2017年4月23日(日)
13:00〜14:30
金沢21世紀美術館
プロジェクト工房
80名
500円(1ドリンク付)
申込方法:
以下のフォームより必要事項をご記入の上お申込みください。
お申込みフォーム
金沢21世紀美術館 学芸課
TEL 076-220-2801
多元的な焦点によって不確かなままに留まる世界と、私たちはどのように関わることができるのか。「藪の中」をかき分けて進むように、もがきながらも自律的に行動するゲストによるトークシリーズ〈In a Grove〉。第1回は、ルワンダで発生したジェノサイドを主題とした「ルワンダ・プロジェクト」など、社会的・政治的な問題に対して透徹した眼差しを向け続けるアーティスト、建築家、映像作家のアルフレッド・ジャーをゲストに招きます。
プログラムのタイトルになっている〈IT IS DIFFICULT〉は、20世紀アメリカを代表する詩人ウィリアム・カーロス・ウィリアムズの詩に由来します。その詩とは、”It is difficult to get the news from poems yet men die miserably every day for lack of what is found there.”「詩からニュースを得ることは難しいが、詩がもっているものを欠くせいで、人は毎日みじめに死ぬ」です。詩、ひいては芸術と社会との関係について語っています。
1956年サンチアゴ(チリ)生まれ。アーティスト、建築家、映像制作者。82年にニューヨークに移り、以来現在に至るまで精力的に作品を発表している。イメージがもつ社会的影響力とその限界を問い続けており、戦争や軍事紛争、社会運動や政治腐敗、南北格差など社会的・政治的な問題に対して透徹した眼差しを向け、妥協を許さない取材や分析から生み出されたプロジェクトで知られる。とりわけ1994年にルワンダで発生したジェノサイドを主題とした「ルワンダ・プロジェクト」は国際的に高い評価を受け、彼の代表作のひとつとなっている。
ヴェネツィア・ビエンナーレ(1986,2007,2009,2013)やサンパウロ・ビエンナーレ(1985,1987,2010)、ドクメンタ(1987,2002)など数多くの国際展に参加し、ニュー・ミュージアム(1992、ニューヨーク)、シカゴ現代美術館(1992)、ローマ現代美術館(2005)、ヘルシンキ現代美術館(2014)などで個展を開催しており、日本国内でもあいちトリエンナーレ2013、恵比寿映像祭(2010)、森美術館や横浜美術館での企画展に参加している。
現代美術に限らず科学や音楽など他の領域を横断しつつ、年間を通してライブ、映像上映、トーク・シリーズ、滞在制作など多様なプログラムを継続的に実施。「自治」をキーワードに、外部コミュニティとの連携・協働を通じて、展示室での展覧会とは違った実験的なアクティビティが拡張していきます。
多元的な焦点によって不確かなままに留まる世界と、どのように関わることができるのか。藪の中をかき分けて進むようにもがきながらも自律的に行動するゲストによるトークシリーズ。
ルワンダ・プロジェクトは、1994年のルワンダ虐殺を契機に生まれた作品シリーズです。テレビや写真などの報道が、ルワンダで起きていることを伝えていないという認識のもと、自らルワンダにわたり、美術作品を制作しました。
ジャーのとった方法は、メディア自体の虚構性や機能不全を、美術という枠組みを使って提示するというものでした。例えば、ルワンダで虐殺が起きていた間に発行された『ニューズウィーク』誌の表紙17枚を集めて提示した作品もあります。その間、ルワンダの虐殺については触れられず、『ニューズウィーク』紙が初めてルワンダ虐殺を取り上げたのは、虐殺が終わってから2週間後の号でした。ジャーは、画像や映像が伝えることができることの限界を示しながら、テキストや光、音、画像などをインスタレーションとして展示し、報道写真の向こうにあるものを伝えようとしています。
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
連携:
東京藝術大学・大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻