期間:
2016年12月2日(金) - 2016年12月4日(日)
2016年12月2日(金) - 2016年12月4日(日)
金沢21世紀美術館 シアター21
10月1日発売開始
◯1回鑑賞券
一般 1,500円 / 大学生以下 800円
(友の会:一般 1,350円 / 大学生以下 700円)
◯3回鑑賞券
一般 3,000円 / 大学生以下 1,500円
(友の会: 一般 2,700円 / 大学生以下 1,350円)
◯フリーパス
一般 5,000円 / 大学生以下 2,500円
(友の会:一般 4,500円 / 大学生以下 2,250円)
※ 大学生以下の方は要学生証提示
※ 友の会チケットはミュージアムショップ及び当日受付にて販売。(要会員証提示)
※友の会専用Webサイトにて予約受付。
友の会Web予約フォームはこちら
・金沢21世紀美術館ミュージアムショップ
TEL 076-236-6072 ※窓口販売のみ
(火〜日 10:00〜18:30 / 金・土 10:00〜20:30)
・チケットぴあ(Pコード:466-969)
TEL 0570-02-9999 t.pia.jp
・ローソンチケット(Lコード:53895)
TEL 0570-084-005 l-tike.com
有料・要申込(TEL 076-220-2815)
※未就学児の入場はご遠慮願います。託児サービスをご利用下さい。
金沢21世紀美術館 交流課 TEL 076-220-2811
オリヴェイラは世界最大の映画作家であるー蓮實重彦
現役最高齢の映画作家として数多くの作品をつくり続けたマノエル・ド・オリヴェイラ監督が、2015年4月2日に106歳で亡くなりました。日本では、1993年に開催されたポルトガル映画祭で初めてオリヴェイラ特集が組まれ、同年の東京国際映画祭で『アブラハム渓谷』が最優秀芸術貢献賞を受賞、オリヴェイラ監督という偉大な映画作家の存在を知らしめました。これ以後、ほとんどの長篇が劇場公開され、オリヴェイラ監督は日本の映画ファンが最も敬愛する映画作家となりました。
本特集では、80年をこえる映画人生でマノエル・ド・オリヴェイラ監督が遺してくれた珠玉の作品群より、監督第一作『アニキ・ボボ』(1942)から遺作となった「レステロの老人』(2014)まで、日本未公開作『フランシスカ』(1981)を含め8本を上映します。併せて、1991年以降、ほぼすべてのオリヴェイラ作品の映像編集を手がけたヴァレリー・ロワズルーによるオリヴェイラ映画へのオマージュ作品も特別上映します。
この特集は、コミュニティシネマセンターが全国各地の映画専門施設(シネマテーク)と共同して行う「シネマテーク・プロジェクト/Fシネマ・プロジェクト」として、実施しています。
巡回会場:ユーロスペース(東京)/川崎市市民ミュージアム(川崎市)/金沢21世紀美術館(金沢市)/神戸アートビレッジセンター(神戸市)/シネ・ヌーヴォ(大阪)/広島市映像文化ライブラリー(広島市)/山口情報芸術センター(山口市)/川崎市アートセンター(川崎市)/高崎映画祭(高崎市)/アテネ・フランセ文化センター(東京)
金沢21世紀美術館シアター21を会場に、政治、社会、哲学、生と死、消費文化、人間の不条理、遊び、時代と娯楽、映像美といったテーマごとにセレクトした作品の上映とゲストによるトークを合わせて行う企画です。
土田環 (映画研究者)×木下眞穂 (ポルトガル語翻訳者)
「文学と映画の饗宴―オリヴェイラ作品の魅力」
日時:12月4日(日) 13:30〜14:45
会場:金沢21世紀美術館 シアター21
料金:入場無料 ※ただし、チケットの半券が必要
現役最高齢の映画監督として知られ、ベネチア国際映画祭特別金獅子生涯功労賞やカンヌ国際映画祭パルムドール名誉賞など世界的にも高い評価を得る巨匠オリヴェイラ。しかし、日本ではまだまだ知られていません。そこで、ポルトガル映画にも精通する映画研究者の土田環氏と、同国の文化に造詣が深く翻訳などを手がけてきたポルトガル大使館の木下眞穂氏を迎え、その作品の魅力について考えます。
土田 環 TSUCHIDA Tamaki
映画研究者。早稲田大学理工学術院講師。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。学生時代より内外の映画祭や企画上映、フランスやイタリアなど海外からの撮影業務に携わる。編著書に『ペドロ・コスタ 世界へのまなざし』、『We Can't Go Home Again――ニコラス・レイ読本』など。
木下 眞穂 KINOSHITA Maho
ポルトガル語翻訳者。上智大学ポルトガル語学科卒。ポルトガル大使館に勤務するかたわらポルトガル映画の字幕訳および監修、文芸書の翻訳などを手がける。オリヴェイラ作品では、「レステロの老人」と「フランシスカ」の字幕訳を担当した。主な訳書に、パウロ・コエーリョ著「ブリーダ」「マクトゥーブ 賢者の教え」など。
12月2日(金)
19:00〜 アニキ・ボボ (71分)
12月3日(土)
10:00〜 過去と現在 昔の恋、今の恋 (115分)
13:15〜 フランシスカ (166分)
16:30〜 カニバイシュ (91分)
18:30〜 ノン、あるいは支配の空しい栄光 (110分)
12月4日(日)
10:00〜 神曲 (141分)
13:30〜 トーク 「文学と映画の饗宴―オリヴェイラ作品の魅力」 (40分)
レステロの老人 (19分)
追悼作品 (10分)
15:00〜 アブラハム渓谷 (187分)
定員:110名(各回入れ替え制・全席自由)
※開場時間は上映開始の15分前
※都合により上映内容等、変更になる場合がございます。
※12/4(日) 13:30〜のトークは入場無料。ただしチケットの半券が必要。
1908年12月11日にポルトガル北部の港町ポルトに生まれる。1931年に初監督作『ドウロ河』を撮り、42年に初の劇場用長篇映画『アニキ・ボボ』を発表。家業を続けながら映画制作を続け、62年に長篇第2作『春の劇』を発表するが、「ポルトガルには検閲が存在する」という発言によって投獄される。10年を経て1972年3本目の長篇『過去と現在 昔の恋、今の恋』を発表。1974年独裁政権が終わり、オリヴェイラは『ベルニデまたは聖母』(75)、『破滅の愛』(78)、『フランシスカ』(81)と「挫折した愛の四部作」を構成する作品をつぎつぎに発表。また、敏腕プロデューサーのパウロ・ブランコと組み、自分の望む企画を実現できる環境を得る。2015年4月2日没。享年106歳。
オリヴェイラの長篇デビュー作。陽光降り注ぐポルトの街を舞台に、躍動するアナーキーな少年少女たちを縦横無尽に活写してネオレアリズモの先駆的作品と見なされる。「アニキ・ボボ」とは警官・泥棒という遊びの名前。 幼い恋の冒険を「罪悪」と「友愛」の寓意へ変貌させる演出のスケール感はすでにして巨大。
1942年/71分/モノクロ
監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ
撮影:アントニオ・メンデス
出演:ナシメント・フェルナンデス、フェルナンダ・マトス、 オラシオ・シルヴァ
長篇劇映画第3作。ヴィンセンテ・サンチェスの戯曲「過去と現在」を監督が自ら映画用に翻案。『フランシスカ』に至る「挫折した愛の四部作」の第1部にあたる。現在の夫に心を開かず、事故死した最初の夫への想いを募らせる妻ヴァンダを中心に、過去と現在、死者と生者の間を交差する奇妙な愛が描かれる。
1972年/115分/カラー
監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ
撮影:アカシオ・ド・アルメイダ
出演:マリア・ド・サイセット、マヌエラ・ド・フレイタス、ペドロ・ピニュイロ
1850年代のポルト。小説家カミーロ・カステロ・ブランコと友人のジョゼ・アウグスト、そして「フランシスカ」と呼ばれる英国人の娘ファニー・オーウェン、実際にあった3人の恋の物語をもとに、アグスティナ・ベッサ=ルイスが書いた小説「ファニー・オーウェン」の映画化作品。ふたりの男に愛されたフランシスカはジョゼを選ぶが、3人の関係は悲劇的な結末を迎える。 『過去と現在 昔の恋、今の恋』、『ベニルデまたは聖母』、『破滅の恋』とともに「挫折した愛の四部作」を構成する。
★日本語字幕付35ミリフィルム/日本初上映
1981年/166分/カラー
監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ
原作:アグスティナ・ベッサ=ルイス「ファニー・オーウェン」
出演:テレサ・メネデス、ディオゴ・ドーリア、マリオ・バローゾ、マヌエラ・ド・フレイタス、セシリア・ギマランイス、パウロ・ローシャ
『過去と現在』から音楽を担当してきたジョアン・パエスとともに作られたオペラ・ブッファ映画。厳かに進行する貴族たちの晩餐会は、やがて、タイトルが予告する驚愕の食人場面へ。人間と動物、人間と機械、見せかけと本質…ヴァイオリンの調べに乗ってあらゆる境界が軽々と侵される。
1988年/91分/カラー
監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ
撮影:マリオ・バローゾ
出演:ルイス・ミゲル・シントラ、レオノール・シルヴェイラ、ディオゴ・ドーリア
1974年、独立戦争が長期化していたアフリカのポルトガル植民地で、疲弊した兵士たちは植民地戦争の意味と自国の歴史を振り返る。カモンイスの叙事詩「ウズ・ルジアダス」、アントニオ・ヴェイラ神父、フェルナンド・ペソア、ジョゼ・レジオなどの文学作品に想を得て、ローマ時代から20世紀まで、ポルトガル民族の2000年にわたる歴史の中の4つの敗北の物語を描く、オリヴェイラによる壮大な歴史・戦争映画。
1990年/110分/カラー
監督:マノエル・ド・オリヴェイラ
脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ、ジョアン・マルケス
撮影:エルソ・ローク
出演:ルイス・ミゲル・シントラ、ディオゴ・ドリア、ミゲル・ギリェルメ、ルイス・リュカ
「精神を病める人々」の表札が掲げられた邸宅で、アダムとイブ、キリスト、ラスコリーニコフ、 ニーチェのアンチ・キリストら歴史的文学作品の登場人物たちが、信仰と理性と愛についての議論を戦わせる。西洋古典の深奥に分け入りながらも「まったく未知なものとして、絶対的な驚き」とともに再び映像として蘇らせるオリヴェイラ芸術の真骨頂。
1991年/141分/カラー
監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ
撮影:イワン・コゼルカ
出演:マリア・ド・メデイロス、ミゲル・ギリェルメ、ルイス・ミゲル・シントラ
ポルトガルの大航海時代を詠った国民詩人カモンイス、「ドン・キホーテ」の作者セルヴァンテス、『破滅の恋』の原作者である19世紀ポルトガル・ロマン派の小説家カステロ・ブランコ、20世紀初頭の詩人パスコアイス。4人の文学者がポルトガルの過去と未来について語り合う。タイトルである“レステロの老人”は、大航海時代の栄光に異を唱える人物として、カモンイスの詩『ウズ・ルジアダス』の中に登場する。
2014年/19分/カラー
監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ
撮影:レナート・ベルタ
出演:ルイス・ミゲル・シントラ、リカルド・トレパ、ディオゴ・ドリア
フロベール『ボヴァリー夫人』をもとにポルトガル文学の巨匠アグスティナ・ベッサ=ルイスが原作を執筆。彫琢された言葉の響きとオリヴェイラの完璧な映像が火花を散らす“文芸映画”の最高峰。監督が追求し続ける女性美が、主人公エマを演じるレオノール・シルヴェイラと洗濯女を演じるイザベル・ルトの両極に具現する。
1993年/187分/カラー
監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ
原作:アグスティナ・ベッサ=ルイス
撮影:マリオ・バローゾ
出演:レオノール・シルヴェイラ、セシル・サンス・ド・アルバ、ルイス・ミゲル・シントラ
フィルム提供:東京国立近代美術館フィルムセンター
金沢21世紀美術館[(公財)金沢芸術創造財団] / 一般社団法人コミュニティシネマセンター
ポルトガル大使館
東京国立近代美術館フィルムセンター / 川崎市市民ミュージアム / 岩波ホール