期間:
2019年4月6日(土) - 2019年6月30日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
2019年4月6日(土) - 2019年6月30日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
金沢21世紀美術館
長期インスタレーションルーム
月曜日(ただし5月6日は開場)、5月7日(火)
無料
金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800
横山奈美(1986- )は、日々の生活の中で消耗されていくもの、廃棄されていくものをモチーフに絵画を制作しています。通常見向きもされない捨てられる運命をもった、いわば主役にならないものを主役にすることで、そのものに本来備わる意味や用途から離れ、これまでとは異なる見え方、横山によれば「そのものが持つ根源的な存在感や美しさ」を提示します。
本展は、近年、横山が精力的に取り組んでいる「愛とは何か」「美とは何か」というテーマと向き合った作品群で構成されています。愛をテーマに造形されたネオン管を絵画に描いたネオンシリーズは、ネオン管の主役ともいえる美しい光の部分と、裏側で見えないよう隠される器具や配線の部分とを同等に描き出すことで、理想や憧れとともに誤魔化せない、見られたくない部分をも顕在化させます。また、本展タイトルにも使われた木炭ドローイングのシリーズ作品《LOVEと私のメモリーズ》は、少女とラブという名の犬との思い出をつづった場面が描かれています。人間好みにどんどん品種改良が進む犬が短命であるというニュースをきっかけに、愛犬へと向けられた「愛(LOVE)」について考察します。
横山は、ちまたに流布し、あまりに軽々しく多用される「LOVE」という言葉への疑問や違和感、あるいは複雑で深刻な感情を作品に落とし込むことで、私たちの日常にありふれる「LOVE」という言葉の意味を問いかけ続けています。本展では約30点の油彩画とドローイングにより、横山の問いかける「LOVE」を通して、物事の本質について探求する機会となるでしょう。
横山奈美が作品の前で自身の作品について語ります。
日時:2019年5月25日(土) 14:00〜15:00
会場:長期インスタレーションルーム
料金:無料
1986年岐阜県生まれ、茨城県在住。2012年愛知県立芸術大学大学院油画・版画領域修了。主な展覧会に「日産アートアワード2017」(BankART Studio NYK/2017年)、「VOCA展2015 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」(上野の森美術館/2015年)、「手探りのリアリズム 」(豊田市美術館/2014年)、「Draw the world-世界を描く」(アートラボあいち/2013年)など。主な受賞に、日産アートアワード2017 オーディエンス賞受賞(2017年)、第8回絹谷幸二賞 奨励賞受賞(2016年)など。
LOVEという言葉は、世界中でポピュラーに用いられています。日本ではキリスト教の影響で広まり、多くの人々に知られるようになりました。
LOVEとは人を思いやること、人生の中で最も大切なものと捉えられており、この言葉は、映画や歌、アート作品の中でテーマとして多く扱われています。その他にも、Tシャツのロゴやキーホルダーなど身近にあるあらゆるものに用いられています。私達はそんなLOVEという言葉に満ちた世の中で生きています。しかし、本当の意味で世の中はLOVEで満ちているでしょうか。
私は魔法の呪文のように唱え続けられたこの言葉は、消耗し本来の意味が字体から抜け落ち、重みもなく空っぽになっている様に感じます。
今回は、私の生きてきた中で見たLOVEにまつわる思い出を起点として、LOVEから抜け落ちた本質を探すための絵画を展示します。
「アペルト」は、若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会のシリーズです。
金沢21世紀美術館は世界の「現在」とともに生きる美術館として、今まさに興りつつある新しい動向に目を向けています。作家とキュレーターが作品発表の機会を共に創出し、未来の創造への橋渡しをします。
国籍や表現方法を問わず、これまで美術館での個展や主要なグループ展への参加経験は少ないが、個展開催に十分な制作意欲を持ち、アペルト実施以後のさらなる飛躍が期待できる作家を紹介していくものです。
※「アペルト(aperto)」は、イタリア語で『開くこと』の意味。
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
KENJI TAKI GALLERY