期間:
2019年4月27日(土) - 2019年8月25日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
2019年4月27日(土) - 2019年8月25日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
金沢21世紀美術館
展示室7〜12、14、ほか
毎週月曜日(ただし4月29日、5月6日、7月15日、8月12日は開場)、5月7日、7月16日
■ 本展観覧券
一般=1,200円(1,000円)
大学生=800円(600円)
小中高生=400円(300円)
65歳以上の方=1,000円
■「粟津潔 デザインになにができるか」 展との共通観覧券(5月18日〜8月25日)
一般=2,000円(1,600円)
大学生=1,400円(1,100円)
小中高生=700円(600円)
65歳以上の方=1,600円
※( )内は団体料金(20名以上)及び前売りチケット料金
◯チケットぴあ
TEL: 0570-02-9999
Pコード:
[本展観覧券]769-551
[共通観覧券]769-548
◯ローチケHMV
TEL: 0570-000-777
Lコード:
[本展観覧券]55333
[共通観覧券]55342
○EVENTIFY(ファミリーマートグループ)
ファミリーマート店内Famiポートにて直接お買い求めください。
金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800
大岩オスカールは、光あふれる鮮やかな色彩とダイナミックな空間構成によって、ときに批評やユーモアを交えながら現代社会を生き生きと描き出してきました。1965年にブラジルのサンパウロで日本人の両親のもとに生まれ、東京、ニューヨークと移動しながら制作を続ける大岩の作品には、一人の生活者としての視点と、どこか客観的な俯瞰の視点が共存しています。自らの暮らす都市や社会、環境問題をテーマに、写真や印刷物、インターネット上のイメージを自在に組み合わせることで、現実と虚構、人工物と自然、光と影のあいだで揺らめく独特の世界観を生み出しているのです。本展覧会では、近作を中心とした60点あまりの作品と、金沢21世紀美術館の27メートルの壁面に描かれるドローイングを通して、大岩のヴィジョンに迫ります。また、ゲストアーティストとして作曲家のチャド・キャノンを招き、画家の作品からインスピレーションを得て生み出された壮大な交響曲と絵画の融合を試みます。大岩が世界を旅しながら絵画の中に追い求めてきた「光」は、今を生きることの複雑さの先にある希望を思い起こさせてくれるでしょう。
日時:2019年6月28日(金) 17:00〜18:00
会場:シアター21 ホワイエ
講師:麻生雅人(カシャッサ・カウンシル・ジャパン主席研究員)
定員:30名(事前申し込み不要)
参加費:無料
日時:6月28日(金) 開演19:00(開場18:30)
会場:金沢21世紀美術館 シアター21
定員:160名
チケット料金:5,000 円
※チケットは完売しました。当日券の販売はありません。
※4月27日(土)販売開始
日時:4月18日(木) 19:00〜20:30
会場:駐日ブラジル大使館 オーディトリアム
(〒107-8633 東京都港区北青山2丁目11-12)
要事前申込: cultural.toquio@itamaraty.gov.br (駐日ブラジル大使館文化部)
参加費:無料
日時:4月27日(土)
14:00〜15:30(開場13:30)
ゲスト:都留ドゥヴォー恵美里(日系ブラジル人芸術研究家)
17:00〜19:00(開場16:30)
ゲスト:チャド・キャノン(作曲家)
会場:金沢21世紀美術館 レクチャーホール
事前申込:不要
定員:80名
参加費:無料
日時:2019年5月11日(土) 14:00〜14:40
集合場所:授乳室前(キッズスタジオ横)
対象:子どもからおとなまで(小さなお子さんは保護者の方とご参加ください)
1965年ブラジル、サンパウロ生まれ。1989年サンパウロ大学建築都市学部卒業。1991年、東京に活動の拠点を移す。1995年デルフィナ・スタジオ・トラストのアーティスト・イン・レジデンスにてロンドンに滞在。2001年アジアン・カルチュラル・カウンシルおよびジョン・サイモン・グッゲンハイム記念財団フェローシップの助成を受け、2002年ニューヨークに拠点を移し、現在ニューヨーク在住。主な展覧会に、1991年「第21回サンパウロ国際ビエンナーレ」、1998年「エデンの園」(上野の森美術館EXTRA)、2008年「大岩オスカール 夢みる世界」(東京都現代美術館)、2011年「大岩オスカール」(ブラジル国立美術館)、2018年「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」(渋谷区立松濤美術館)等がある。
画家の仕事は、どれだけ絵が上手かとか、絵の具を使う技術を持っているかの問題ではなく、一つのアイデアをどう平面上に表現するかの自分の中での戦いです。使う道具は割とシンプルなもので、誰でも手に入れられる絵の具、筆、キャンバス。このシンプルな材料からどれだけ素晴らしいものが生まれるか、この難しさに挑戦して、僕は長年絵を描き続けています。
─大岩オスカール
2002年からニューヨークで暮らす大岩は、毎朝地下鉄に乗ってスタジオに通い、夕方まで制作して帰宅、夜は自宅のパソコンに向かってまた仕事をするという規則正しいサラリーマンのような生活を送っています。そんな大岩が、自らの暮らすニューヨークを俯瞰で捉え、街を流れる目に見えない電波のイメージを重ねたのが「ワールド・ワイド・ウェブ・ウェーブ」シリーズです。ハドソン川に残る廃墟をモチーフに描かれた《ゴースト・シップ》では、夜のニューヨークを背景に波に浮かぶ巨大な船が現れます。
大岩がニューヨークに渡った2002年は、アメリカ同時多発テロ事件の翌年で、日常生活の平和とは裏腹に、アメリカはイラクとアフガニスタンで戦争を始めていました。その後リーマンショックが起こり、オバマ政権の誕生で「希望」が見えたのも束の間、トランプ政権の発足により、アメリカは混迷を極めています。こうした状況を見つめてきた大岩は、バーベキューやサーカス、夢といった身近な主題を通じて、政治や社会の混乱をあぶり出そうとしているかのようです。
生まれ故郷のサンパウロ、1991年から11年間暮らした東京、その後移り住んだニューヨークと、世界を転々としてきた大岩の人生は、旅そのものと言えます。そしてそれぞれの場所で目にした風景やモチーフが作品に取り込まれてきました。昭和の下町の趣を残す北千住や、瀬戸内海に浮かぶ男木島、アジア諸国といった様々な場所が、どこか郷愁を漂わせるタッチで描き出されます。また、愛らしいドローイングの数々が、旅人生の一こまを彩ります。
サンパウロで過ごした少年期から、うまくいかない世の中を目の当たりにしてきた大岩は、大気汚染や海洋汚染といった環境問題、そして自然災害という不条理と向き合いながら制作を続けています。重々しいテーマを扱いながらも、鮮やかな色彩や光が感じられる画面は、かすかな希望を宿しているようです。この章では、作曲家チャド・キャノンが大岩の作品にインスピレーションを得て生み出した壮大な交響曲と絵画の融合も試みます。
大岩の作品において、「光」はもっとも大きなテーマです。強い光のもとで色と形がはっきり分かる錐体細胞と、暗所で物の形は分かるけれど色は分からない桿体細胞という、人間の網膜上にある2種類の細胞に着目した大岩は、後者の細胞を使って絵を見せることを考えました。洋金箔や洋銀箔、ラメやLEDライトなど光を表現するための様々なメディウムを用いて制作された絵画を、暗がりの展示室でご覧いただきます。
展覧会を締めくくるのは、緑や青や黄色を用いた光にあふれる作品群です。舞台はアマゾンの熱帯雨林やサンパウロの川、どことも判別のつかない森など様々ですが、どの作品にも見る者を包み込むような柔らかな光が降り注いでいます。本展のための新作《光をめざす旅》は、大岩の語る「幸せになりたいのだったら、自分の中で自分が目指せる光を育てていくのが大事」という姿勢をみごとに絵画化したものといえるでしょう。
大岩オスカールは、これまで瀬戸内国際芸術祭(2010年男木島、2013年伊吹島、2016年小豆島)や駐日ブラジル大使館(2017年)、サンパウロのジャパン・ハウス(2018年)で巨大な壁面ドローイングに取り組んできました。今回、金沢21世紀美術館の縦4.5メートル、横27メートルの巨大な壁面に、およそ2週間かけて「森」をテーマにしたドローイングを制作します。圧倒的なスケールをぜひ体感してください。
[寄稿]
・「現世への執着」宮沢和史(シンガーソングライター)
・「大岩オスカール、あるいは反転の美学」
都留ドゥヴォー恵美里(京都大学大学院人間・環境学博士/日系ブラジル人芸術研究家)
・「光と闇が出会うとき」横山由季子(金沢21世紀美術館学芸員)
発行元:求龍堂
発行日:2019年4月
ISBN:978-4-7630-1914-1 C0071
予価:2,963円(税別)
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
駐日ブラジル大使館
日本航空、株式会社呉竹
公益財団法人野村財団