期間:
2016年10月8日(土) - 2017年3月20日(月)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)※1/2・3は17:00まで
2016年10月8日(土) - 2017年3月20日(月)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)※1/2・3は17:00まで
金沢21世紀美術館
展示室1-6
月曜日(ただし、10/10、10/24、1/2、1/9、3/20は開場)、10/11、12/29〜1/1、1/10
■本展観覧券
一般=1,000円(800円)
大学生=800円(600円)
小中高生=400円(300円)
65歳以上の方=800円
※本展観覧券で同時開催中の「コレクション展2」にもご入場いただけます。
■「トーマス・ルフ」展との共通観覧券
(2016年12月10日〜2017年3月12日)
一般=1,700円(1,400円)
大学生=1,400円(1,100円)
小中高生=700円(600円)
65歳以上の方=1,400円
※( )内は団体料金(20名以上)及び前売りチケット料金
◯チケットぴあ
TEL: 0570-02-9999
Pコード:[本展観覧券] 767-717、[共通観覧券] 767-716
◯ローソンチケット
TEL: 0570-000-777
Lコード:[本展観覧券] 56704、[共通観覧券] 56971
販売期間:2016年3月20日まで
※共通観覧券の販売期間は3月12日まで
金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800
「工芸」か「デザイン」かー。
工芸とデザインはものづくりという点では同じであるが、両者は異なるジャンルとして区別される。しかしながら、それらをつぶさに観察するまでもなく、両者の間には「デザイン的工芸」また「工芸的デザイン」とも呼べる作品あるいは製品があるように思われる。
本展覧会では、「プロセスと素材」「手と機械」「かたち」「さび(経年変化)」といった観点から工芸とデザインを見つめ直すことによって、それらの曖昧模糊とした境目を浮き彫りにする。それと同時に、最先端技術の発達などによって多様化が進む両者の新たな地平を考察する。
日時:2017年3月4日(土)、5日(日) 10:00〜17:00 ※2日間連続
会場:金沢21世紀美術館 プロジェクト工房
対象:高校生・中学生
参加費:1,000円
定員:先着10名
持ち物:タオル、飲み物、昼食、木工作業のしやすい服装
申込方法:電話、ウェブ申込フォーム
期間:2017年1月21日(土) 10:00〜16:00
会場:金沢21世紀美術館 キッズスタジオ
対象:高校生以上
定員:先着15名
持ち物:材料費500円、昼食と飲み物
申込方法:TEL 076-220-2801(学芸課)
※裸足で活動する時間があります。動きやすい服装でご参加ください。
日時:2017年1月21日(土) 11:00~(40分程度)
集合場所:授乳室前(キッズスタジオ横)
対象:子どもからおとなまで(小さなお子さんは保護者の方とご参加ください)
日時:10月15日(土) 17:00~(40分程度)
集合場所:授乳室前(キッズスタジオ横)
対象:大人から子どもまで
講師:深澤直人(本展監修)
日時:2016年10月9日(日) 14:00-15:30
会場:金沢21世紀美術館 レクチャーホール
料金:無料
定員:80名
申込方法:ウェブサイトにて9月15日(木) 10:00より申込受付開始(先着順)
※定員に達したため、申込受付を終了しました。
プロダクトデザイナー
1956年 山梨県生まれ。
1980年 多摩美術大学プロダクトデザイン学科卒。
1989年 米、IDEO入社。
1996年 帰国、IDEO東京支社長。
2003年 NAOTO FUKASAWA DESIGN 設立。
卓越した造形美とシンプルに徹したデザインで、イタリア、フランス、ドイツ、スイス、 北欧、アジアなど世界を代表するブランドのデザインや、日本国内の企業のデザインやコンサルティングを多数手がける。電子精密機器から家具・インテリアに 至るまで手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。
「行為に相即するデザイン」「意識の中心」「ふつう」「輪郭」「典型」など、自らのデザイン哲学をこれらの言葉で表わすとともにデザインの 具体を通してその実践を続ける。デザインのみならず、デザインを通して対象の本質にせまる力、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。
人間の意識していないときの行動の中にデザインのきっかけがあることを見い出し、それを「Without Thought(思わず)」と名付けた。1999年からはその名を使ったデザインワークショップを毎年開催し、書籍とともに発表を続けている。
米国IDEA金賞、ドイツ iF design award 金賞、日本グッドデザイン賞金賞、英国D& AD 金賞、ドイツ red dot design award 、毎日デザイン賞、織部賞、など受賞歴多数。「MUJI」壁掛け式 CDプレーヤー、「±0」加湿器、「au/KDDI」INFOBAR、neonはN.Y.MOMA収蔵品となる。2007年ロイヤルデザイナー・フォー・ インダストリー (英国王室芸術協会) の称号を授与される。 フランス国立セーブル製陶所招待作家。
21_21 Design Sightディレクター。良品計画デザインアドバイザリーボード。 マルニ木工アートディレクター。2010 年~2014年グッドデザイン賞審査委員長。 2012年Braun Prize審査委員。 多摩美術大学統合デザイン学科教授。2006年Jasper Morrisonと共に「Super Normal」設立。2012年7月より日本民藝館五代目館長。
著書には「デザインの輪郭」(TOTO出版)、 共著書「デザインの生態学ー新しいデザインの教科書」(東京書籍)、 共著書「デザインの原形」(六耀社)、作品集「NAOTO FUKASAWA」(Phaidon)がある。 2008年には「THE OUTLINE 見えていない輪郭」写真家 藤井 保氏との展覧会を開催、同タイトル書籍を出版 (アシェット婦人画報社)。
工芸とデザインの違いを解く人は多い。ものづくりとして捉えればそこに境目はあるのだろうか。作者自身の手で作るものを工芸と言い、デザインもその工程に含まれる。デザインはものをデザイナー自身では作らない。工芸は「作品」と言いデザインは「製品」と言ったりもする。工芸を生み出す手の技はデザインの機械の精度と比べても仕方ないがそこに価値の違いが現れる。生み出そうとする気持ちは同じであっても工芸とデザインは相入れようとしない。そこに境目はあるのか。それともそれは「デザイン」なのかあるいは「工芸」なのか。
問うてもしょうがない問いをあえて突きつけてみようとするのがこの展覧会の目論見である。
深澤直人
工芸とデザインの境目を浮き彫りにするのが本展覧会の趣旨でありますが、その境目というのは非常に曖昧であります。これは工芸でこれはデザイン、といったように一本の線を引くことは困難です。これは、工芸20% デザイン80%であるというのが説明しやすいかもしれません。この曖昧さを持って、観覧者を揺さぶることに意義があると思います。展示のスタイルとして、「工芸」VS「デザイン」とあえて対立させるという見せ方が基本になると思います。
素材は、その土地に根ざしており、工芸の作家は、その素材の持つ特性・力(マテリアリティ)から創作に及び、カタチを創出しました。素材特性は工芸から工業に至る過程によって、緻密に洗練され、ものづくりに反映されている。プロセスの中で、工芸と工業に共通するものとして、治具がある。しかしながら、昨今では、デジタル工作機械の台頭(3D プリンタ、レーザーカッター、CNCフライスetc)よって、治具なしでものが製作されるようになった。
工業(デザイン)は、工芸を真似ることから始まった。つまり機械は、手を模倣したかった。そして、その試みは大きく成功しました。果たして万人が違いを見分けることができるか疑わしいほどに。そして、ものの作られ方を忘れさせるのを十分なほどに。
「工芸」と「デザイン」の間には、「工芸的デザイン」と「デザイン的工芸」があると思います。応量器は、モジュールの概念が見て取れ、それは、そのものと他のものとの調和を目指している「デザイン的工芸」だと思います。一方、型を用い、一度の工程で大量のものを生産するものに、さらに手を加える、後加工を施すものを「工芸的デザイン」と言って良いと思います。柳宗理のデザインも手で作った工芸的なかたちを大量生産しています。人の手が加わることによってかたちが極められるように思えます。
時間によって風合いや質感が変わり、所有者はその変化を共にすることによって、愛着を持つ。時間は、ものそのものの物理的な変化をもたらすだけではなく、そのものの作者やブランドの価値を漂白する。デザインの代名詞とも言えるブラウンの製品は当時クールだったけれど、今見るとウォームな感じがして愛着が湧く。時間は、デザインを工芸にするのかもしれない。
工芸の職人における熟練とは、手仕事ながら、精緻を極める。しかしながら、精密であるという軸では、冷徹なほど精密な機械には及ばない。印刷の技術も高度になり、本物の木の木目と見分けがつかないようになった。節がない方が上等な材木であったのに、わざと節があるものを最近の人は選んだりすることも少なくない。見た目は本物以上なのに吸湿放湿など機能性も付加された壁紙も捨てがたい。
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]