生誕百年記念

井上有一

2016年1月2日(土) - 2016年3月21日(月)

インフォメーション

期間:

2016年1月2日(土) - 2016年3月21日(月)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)

会場:

金沢21世紀美術館
展示室7〜12、14

臨時開館
2016年1月2日(土)、3日(日)は臨時開館日です。
開場時間 10:00〜17:00(チケット販売は16:30まで)

休場日:

月曜日(ただし1/11、3/21は開場)、1/12

料金:

一般=1,000円(800円)
大学生=800円(600円)
小中高生=400円(300円)
65歳以上の方=800円
※本展観覧券で同時開催中の「ザ・コンテンポラリー3 Ghost in the Cell:細胞の中の幽霊」・「コレクション展2」にもご入場いただけます。
※( )内は団体料金(20名以上)及び前売りチケット料金

お問い合わせ:

金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800

戦後の日本現代美術を代表する井上有一(1916〜1985年)の生誕百年を記念する大回顧展です。有一は、戦後まもなく世界的に高い評価を得た数少ない日本の現代の書家です。
有一は、紙と墨からなる「書」を現代芸術の文脈の中で、個人の表現物として開花させました。本展では、初期から晩年までの200点を越える代表作によって井上有一芸術の核心に迫ります。
出品作品は、1955年、抽象表現主義と呼応した抽象書「作品」シリーズ、1957年、サンパウロ・ビエンナーレ国際展に出品した初期の代表作《愚徹》、ボンドや凍らせた墨など、素材と描法に工夫を凝らした《好》《母》《風》などの60年代、思想と生き様の一致した《貧》などの70年代、また70年代末から80年代へと晩年に向かい豊かな世界を形成した 《鳥》 《月》 《刎》 《鷹》 などが並びます。
一字書だけでなく、他の代表的なスタイルの作品も展覧されます。戦争の悲惨さを自らの体験によって作品化した《東京大空襲》 《噫横川國民學校》などの多文字書、語りながら書いた 「言葉書」シリーズの《草野心平詩 蛙誕生祭》 《宮沢賢治童話 よだかの星》などのコンテや鉛筆、木炭による書、死に向き合って制作された《宮沢賢治童話 なめとこ山の熊》、臨書《顔氏家廟碑》 《上》、また絶筆ともいえる《心》。有一が生涯こだわった型破りで自由な書の世界を、生涯にわたって制作した作品群の紹介を通じ、回顧展形式で紹介します。

本展キュレーター 金沢21世紀美術館館長 秋元雄史

関連プログラム

ワークショップ

講師:北見音丸(一般財団法人 世界紙文化遺産支援財団 紙守 参事)
日時:2016年2月28日(日) 13:00〜15:30
会場:金沢21世紀美術館 プロジェクト工房
定員・対象:小学生、先着20名
料金:300円(要事前申込)

井上有一生誕百年記念茶会

席主:海上雅臣
   楽只会 海上宗楽
日時:2016年2月14日(日)
会場:金沢21世紀美術館 松涛庵
料金:前売のみ 2,000円(2/1〜販売開始)
※チケットの発券に際し、チケット代金以外に各種手数料がかかります。

芳賀徹×海上雅臣 井上有一生誕百年記念対談

日時:2016年2月13日(土) 14:30〜16:00(開場 14:15)
講師:芳賀徹(東京大学名誉教授・京都造形芸術大学名誉学長・静岡県立美術館館長)
    海上雅臣(美術批評家)
会場:金沢21世紀美術館 レクチャーホール
料金:無料
定員:先着50名(予約不要)

連続オープニング・レクチャー

井上有一の書の魅力とは何か、二人の論客が読み解きます。
日時:2016年1月9日(土)
   Session 1 13:30〜14:45(開場 13:15)
   「井上有一を語る:書は万人の芸術である」
   講師:海上雅臣(美術批評家)
   Session 2 15:00〜16:15
   「井上有一作品の魅力を読み解く―オブジェ、キャラクター、オノマトペ―」
   講師:栗本高行(多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員・美術評論家)   
会場:金沢21世紀美術館 レクチャーホール
料金:無料
定員:各回とも先着50名(予約不要)

作家プロフィール

  • 《愛》1972
    ボンド墨・和紙、126×182.5 cm
    個人蔵
    © UNAC TOKYO

    井上有一(いのうえ・ゆういち)

    1916年 東京下谷二長町生まれ
    1935年 青山師範学校を経て東京市本所区横川尋常小学校訓導勤務
    1941年 上田桑鳩に師事(51年迄)
    1952年 墨人会を結成、機関紙『墨人』編集を担当(50号迄)
    1957年 サンパウロ・ビエンナーレ展に《愚徹》出品。ハーバート・リードに注目される
    1959年 カスパー・ケーニッヒの推薦によりドクメンタ 2(カッセル)出品。ハーバート・リード『近代絵画史』に《愚徹》が掲載される
    1976年 神奈川県寒川町立旭小学校校長を最後に、41年間の教員生活を終える
    1985年 肝不全で没、享年69歳
    1986年 京都国立近代美術館に代表作62点が収蔵される
    1989年 京都国立近代美術館にて回顧展「大きな井上有一展」(巡回:埼玉、新潟、山口、福岡、愛媛、郡山の各公立美術館)
    1994年 アレクサンダー・モンローによる「1945年以後の日本美術-空に向って叫ぶ」(グッゲンハイム・ソーホー/ニューヨーク, U.S.A)《噫横川國民學校》 《無我》出品
    1995年 「YU-ICHI 1916-1985」(クンストハレ・バーゼル/スイス)。カスパー・ケーニッヒによりフランクフルト市内3つの美術館にて有一展同時開催。「井上有一 −貧」展(シルン・クンストハレ/ドイツ)、「東京大空襲」展(カルメリータ・クロスター/ドイツ)、「経済成長」展(工芸美術館/ドイツ)
    1996年〜2000年 カタログ・レゾネ『井上有一全書業』(全3巻、ウナックトウキョウ刊、海上雅臣編、杉浦康平造本)
    2000年 カタログ・レゾネ完結記念井上有一研究国際シンポジウム開催(京都、東京)
    2005年 「井上有一/ギュンター・ユッカー二人展」(ランゲン財団美術館/ドイツ)
    2013年 シャルジャ・ビエンナーレ 11(シャルジャ/アラブ首長国連邦)出品

出版刊行物

  • 『井上有一 1955-1985』

    生誕百年を記念し開催される最大規模の回顧展。1955年から1985年、30年にわたる制作の歴史を、初期から最晩年まで、各時代の代表的作品を集め紹介。また、各界の論客による井上有一論を通して、彼の芸術の全貌を捉えます。
    寄稿予定者:海上雅臣(美術批評家)、 今福龍太(文化人類学者・批評家 東京外国語大学大学院教授)、栗本高行(多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員・美術評論家)、北見音丸(一般財団法人 世界紙文化遺産支援財団 紙守 参事)、秋元雄史(金沢21世紀美術館館長・東京芸術大学美術館館長)
    収録作品数] 約210点
    発行:一般財団法人 世界紙文化遺産支援財団 紙守
    仕様:A4変形 ハードカバー・352ページ(予定)
    デザイン:宇平剛史
    予価:3,000円(税別)

Images

クレジット

主催:

金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]

助成:

一般財団法人 世界紙文化遺産支援財団 紙守

協力:

京都国立近代美術館、株式会社ウナック トウキョウ