金沢21世紀美術館

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開館

EXHIBITION展覧会

開館15周年記念

現在地:未来の地図を描くために[2]後期

2020年2月4日(火) -
2020年4月12日(日)

奈良美智《Dog-o-rama》2006
金沢21世紀美術館蔵
© Yoshitomo Nara
photo: NAKAMICHI Atsushi / Nacása & Partners

インフォメーション

期間:
2020年2月4日(火) 〜2020年4月12日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで) 前期:2019年10月12日(土)~12月19日(木) 後期:2020年2月4日(火)~4月12日(日)
会場:
金沢21世紀美術館
展示室1〜6、長期インスタレーションルーム、交流ゾーン
休場日:
月曜日(ただし2月24日は開場)、2月25日(火)
料金:
一般=450円(360円)
大学生=310円(240円)
小中高生=無料
65歳以上の方=360円
※( )内は団体料金(20名以上)
※コレクション展につき前売りチケットの販売はございません。
お問い合わせ:
金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800

概要

パブリック・プログラム休止のお知らせ
新型コロナウィルス感染症の感染拡大を考慮し、《奈良美智 Dog-o-rama》Pup Patrol(パップ・パトロール)、《奈良美智 Dog-o-rama》Pup Up the Dog(パップ・アップ・ザ・ドック)を 2月29日~3月31日 の間休止とさせていただきます。何とぞご理解賜りますようお願い申し上げます。

当館は開館15周年を迎え、コレクション収集を開始した開館前の2000年から20年の間に約3,880件に上る作品を収蔵するに至りました。その間、社会の状況は目まぐるしく変化し、コレクション作品もその時代の空気を鋭く読み取る作品が増えていきました。本展では、改めてコレクション作品を見直す中で、多様化、複雑化する現代において自分たちの現在地がどこにあるのかを見据え、未来に向けてどのような地図が描けるのかを考えます。

関連プログラム

Pup Patrol

奈良美智さんデザインの犬の着ぐるみを着て、 館内をパトロールしよう! どんな場所がある? どんなにおいがする? どんな音がきこえる? 子犬の気持ちで見て回ろう!

Pup Up the Dog

展示室で寝ている大きな犬。 やせていてちょっと元気がないみたいです。 みなさんの協力で、 大きな犬を元気にしましょう!

ワークショップ「ざわざわ森のいきものを描こう!」

美術館のコレクション作品をオマージュして作られた作品《ざわざわ森》に、 みんなも参加しよう! 「ざわざわ森のいきもの」を想像して絵にすると、 作家の安部さんが、 古着やはぎれを使って作品にします。 絵と作品を双子のようにならべて、 《ざわざわ森》に展示していくよ。 どんな森になっていくかな?

抽象的な価値

照屋勇賢《金沢21世紀美術館》2019
作家蔵
Courtesy of the Artist and Yumiko Chiba Associates
photo: Yuken Teruya Studio

資本主義の成熟は、世界のあらゆる存在が市場経済に偏った価値づけに従うことを示した。美術作品もまた例外ではなく、市場の価値が作品そのものの価値のように考えられているが、果たしてそうなのだろうか。価値とは極めて抽象的なもので、本来は人によってその基準も本質も異なるものだ。20世紀は人類史上、もっとも経済上の価値に支配され、現在ではますます加速していく傾向にあるが、それ以外に我々が創造できる価値があることを、美術作品を通して再考する。

出品作家:照屋勇賢

うつすーTranscribe, Photograph, Reflect, Transfer

トーマス・ルフ《ma.r.s. 19》2011
金沢21世紀美術館蔵
© Thomas Ruff

「うつす」という言葉は、「映す」、「写す」、「移す」など様々な意味をもつ。記録すること、そっくりに描写すること、撮影すること、物の形や姿を他のものの表面に現れるようにすること、反映すること、他の場所へ動かしたり、入れ替えること、視線や気持ちなどの方向を他に変えること。「写す」と書けば、その多くが写真を撮ることとして認識されるが、「うつす」という言葉が多義的であるように、「写真」というメディアもまた、様々に表出される。

出品作家:ホンマタカシ、ヴァルター・ニーダーマイヤー、西山美なコ、トーマス・ルフ

オブジェクトー事象と概念のモデル

ベンアンドセバスチャン
《金沢21世紀美術館:空虚部門》2017
金沢21世紀美術館蔵
© benandsebastian photo:KIOKU Keizo

オブジェクトには固有のデータがあり、その雛形を複製すると空間上に具体的なオブジェクトが作られる。具体的なオブジェクトだけでなく、仮想空間においても同様の手法を用いてシステム全体を思考することができる。21世紀において、美術におけるオブジェクトを考えるとき、データによる仮想化が進行しているため、オリジナル、複製、クローンといったキーワードに加えて、クラス(階級)やインスタンス(事例)にも言及しなければならなくなるだろう。

出品作家:ベンアンドセバスチャン

境界

ミヤギフトシ《雪投げ》2020
作家蔵

私たちの社会には、自己と他者、国境、民族、宗教、ジェンダーなど様々な境界が存在するが、それらは実際に線が引かれているわけではなく、何かと何かを区別したり、あるいは差異化を図るために概念や制度として人間が作り出したものだ。境界は時に強固な壁として立ちはだかったり、それが弱まったりぼやけたりする中で、関係は絶えず変化してゆく。事物を区分する境界は、時に乗り越えることが困難であり、時に不可能なこともある。一方で、境界の存在ゆえに守られているものもあれば、境界という線引きがあるからこそつながりを確かなものと認識し、相互の濃密な結びつきが生まれる可能性もある。私たちは、境界があることの是非よりも、こうした境界の存在を自覚することで、そこで起きている/起こるであろう関係とその未来について考える必要があるのだ。

出品作家:シルパ・グプタ、ミヤギフトシ

見えない力

毛利悠子《copula》2020
作家蔵
Photo: KIOKU Keizo

私たちの身の回りで起こるあらゆる現象や事象は目には見えない力が働いて、目に見えるものを作り出している。自然現象からネットワークシステムに至るまで、ありとあらゆるものが見えない力によって成り立っている。一方で、政治や経済といった社会システムにおいてもまた、見えない力が働き、この世界を動かしている。
毛利悠子の作品では、見えない力の存在が私たちの予想や期待とは異なる結果をもたらしたり、意表を突くような現象を起こす。ある動作がきっかけで、次の出来事、そしてまた次の出来事へと連動していく様子は、見えないが確実にそこにある力によって動かされている。そうした一連の関係性は、詰まるところ私たちの日常のあらゆる場面で起きていて、気にも止めなければ気がつきもしないが、そうした見えない力について意識してみると予想もつかない新しい世界が広がるのではないだろうか。

出品作家:毛利悠子

KOGEI

上出長右衛門窯+丸若屋《髑髏 お菓子壺 花詰》 2009
金沢21世紀美術館蔵
© Kamide Choemon Gama © Maruwakaya
photo: SAIKI Taku

工芸については、土地に根ざす、歴史的・文化的な出自が明らかな「工芸」から、3Dプリンターや作り手の移動、交流、協働から生まれる、世界性が宿る「KOGEI」への過渡期にあると考える。一方、現代美術は、行きすぎたグローバル化から地域への回帰という「工芸」とは逆の方向に進む勢いが見て取れる。現代の工芸を考える上では、既存のカテゴリーやジャンルの範囲内に収めずに、自由を獲得できる場の創生につなげるという意味で、本展では「KOGEI」と綴り、いったんは既存の価値基準から解き放ち、素材、手法、造形の多様さを主体にした展示を試みる。時代と共にある現代美術と「KOGEI」には、風土、文化、身体性、物質性、社会との関わりなど、双方に共通するキーワードから交差する地点を考察することも可能であろう。

出品作家:「雲龍庵」北村辰夫、寺井直次、山村慎哉、富本憲吉、前史雄、大場松魚、中野孝一、猪倉髙志、ボディル・マンツ、上出恵悟、上出長右衛門窯+丸若屋、青木克世、竹村友里、蓮田修吾郎、畠山耕治、ピピン・ドライスデイル、三代 德田八十吉、見附正康、葉山有樹、北出不二雄、大樋陶冶斎(十代 長左衛門/年朗)、桑田卓郎、スコット・チェイスリング、マイケル・ロウ、ロン・ケント、中川衛、十一代 大樋長左衛門(年雄)、中村卓夫、ルパート・スパイラ、須田悦弘、奥村浩之、橋本雅也、久世建二、板橋廣美、中村信喬、家住利男、田嶋悦子、田中信行、塚田美登里、扇田克也、楢原寛子、ヤン・フィシャル、ヴラディミール・ズビニオヴスキー、宮崎寒雉

アーカイブ

塩田千春《記憶の雨》 2020
作家蔵
Photo: KIOKU Keizo

アーカイブとは、公記録保管所、または公文書の保存書、履歴などを意味し、元来記録を保存しておく場所を指す。しかしながら、この語を歴史的に眺めた場合、人間の様々な活動を「記録」した資料を保護する場所もまた、アーカイブと考えられる。つまり、アーカイブとはある社会のもつ集団的記憶とも規範ともなるべき記録体なのである。現在そして未来へと遺された集積物全般、例えば誰かの残した膨大な遺品をもアーカイブと呼ぶことができる。アーカイブはそれ自体の圧倒的な質量で、個人あるいは集団の記憶を想起させる。
塩田千春の作品における鍵はかつては誰かが所有し、生活に欠かせない一部だった。無作為に各地から集められた膨大な量の鍵の総体には表象化されえない、忘却されてしまった匿名の個人の記憶が想起される。

出品作家:塩田千春

素材と技法

ヤン・ファーブル《昇りゆく天使たちの壁》1993
金沢21世紀美術館蔵
© Angelos bvba / Jan Fabre
photo: SAIKI Taku

20世紀の後半以降、絵画や彫刻、工芸、写真といった従来のジャンルに収まらない、あるいは複数のジャンルを横断するような試みが繰り広げられるようになった。21世紀に入ると、私たちを取り巻く社会状況の変化とともに、美術作品に用いられる素材や技法も加速度的に変化し、もはやジャンルで作品を分類することが不可能な状況になっている。その一因として、西洋中心主義的な美術のあり方が批判され、様々な地域や文化圏の表現が、現代美術の俎上に載せられてきた背景も忘れてはならない。このセクションで取り上げる作品の素材には、錆びた金属、木材、土、虫などフラジャイルなものも少なくない。また、技法もきわめて多様かつ複雑である。こうした作品をいかに保存し、未来へと引き継いでいくかも現代美術館の大きな課題のひとつである。

出品作家:エル・アナツイ、小谷元彦、ヤン・ファーブル、中村錦平、中村康平、中川幸夫、須田悦弘

小さな反抗

奈良美智《Dog-o-rama》2006
金沢21世紀美術館蔵
© Yoshitomo Nara
photo: NAKAMICHI Atsushi / Nacása & Partners

SNSや個人ブログなど、インターネット上のプラットフォームにより、個人の意見が世界を動かす力にもなることが自明となった今日、大小様々なアクションが日々起こり、小さな反抗も、時に大きなうねりとなる。やせている犬は、古着という極めて個人的で、小さな容積のものが様々な人の協力によって集まり、詰め物となることで大きな存在となる。そして、美術館の中をパトロールするカラフルな子犬たちは、大人がひしめく美術館の中を自由きままに闊歩することで、美術館という場を大きく変容させる存在となる。

出品作家:奈良美智

<パブリック・プログラム>
Pup Patrol
奈良美智さんデザインの犬の着ぐるみを着て、 館内をパトロールしよう! どんな場所がある? どんなにおいがする? どんな音がきこえる? 子犬の気持ちで見て回ろう!
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Pup Up the Dog
展示室で寝ている大きな犬。 やせていてちょっと元気がないみたいです。 みなさんの協力で、 大きな犬を元気にしましょう!
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関係性についての考察

Photo: KIOKU Keizo

世界は様々な「関係」で成り立ち、日常は「関係」によって形作られている。人と人、人と物、物と物といった様々な関係について考察する。安部泰輔は古着やはぎれを素材として作品制作やワークショップを行う。人が使用した古着が集まり、それらが別の形(作品)となって人が触れたり、持ち帰ったりすることで、目に見えない関係性が美術館の外へと拡散していく。また美術館のコレクション作品を軸に滞在制作される安部の作品群は作家とコレクション作品、コレクション作品と鑑賞者、鑑賞者と作家自身、それぞれの関係性を構築しながら、美術館の「日常」へとつながっていく。

出品作家:安部泰輔

<ワークショップ>
ざわざわ森のいきものを描こう!
美術館のコレクション作品をオマージュして作られた作品《ざわざわ森》に、みんなも参加しよう!「ざわざわ森のいきもの」を想像して絵にすると、作家の安部さんが、古着やはぎれを使って作品にします。絵と作品を双子のようにならべて、《ざわざわ森》に展示していくよ。どんな森になっていくかな?
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音声ガイド

ギムホンソック《これはうさぎです》2005
金沢21世紀美術館蔵

「現在地」展の出品作品について、キュレーターが自分たちの視点と声で語ります。どんなコンセプトで、どのように作られた作品なのか、どんなところに注目して見てほしいか、キュレーターたちがそれぞれテキストを書き、読み上げた金沢21世紀美術館オリジナルのオーディオガイドです。

料金:スマートフォン用アプリケーション(スマートフォン決済/Apple Storeで販売) 490円
   レンタルオーディオガイド 600円 
貸出場所:総合案内モニター前

主催/ほか

主催:
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]