ご挨拶

金沢21世紀美術館―改めて原点に立ち返って
 金沢21世紀美術館は、今年14年目を迎えます。2014年の開館10周年を機に開館以来展覧会のテーマの中心としてきた、建築、現代美術、工芸を3年かけてとりあげてきました。それが一巡した2017年度は、改めてこれまでのこうした歩みを踏まえ、幅広いジャンルを網羅した国際色豊かなプログラムを展開します。
 まず4月には日本人作家、池田学による絵画の個展を開催。日本の現代美術の最新の傾向を示すことができるでしょう。続く日本とデンマークの外交樹立150周年を記念する展覧会のテーマは、デザインです。プロダクトやグラフィックに限らずデザインという思考のものさしを使って日本とデンマークの「日常」を読み解きます。同時開催となるヨーガン レールの展示では、今回は廃棄物を使った作品を紹介。今という時代を切り取った展覧会となります。秋からの、カナダ生まれのジャネット・カーディフとジョージ・ビュレス・ミラーの作品展は、彼らのアジアで初めての大規模な展覧会。当館が作られた頃に活動を本格化させたアーティストの作品を通して、改めてこの美術館の考え方を示す場となるでしょう。それらと並行して、コレクション展や若手作家の個展を開催。デザインギャラリーでは新しいテクノロジーを使った実験的な試みや、地域の産業についても考えます。また、多様で自主的な活動を継続的に実施する新たな長期プログラム「自治区」にもご注目ください。
 さらに交流事業では、国内外のアーティストが新作を滞在制作する「カナザワ・フリンジ 2017」をはじめ、金沢出身の泉鏡花の戯曲を基にしたパフォーマンスや若手のステージ、定番のトークや映像などのシリーズも展開していきます。広場を使ったプログラムやワークショップなども昨年以上に充実させ、この美術館がまちの交流拠点であることを示していきたいと考えています。
 北陸新幹線が開通して2年、人々の移動性が高まり金沢の街は大きく変わりつつあります。当館には2年続いて200万人を超える来館者が訪れ、開館以来通算2000万人のお客様に国内だけでなく海外からもお越しいただきました。こうした状況にあるからこそ、金沢21世紀美術館はもう一度、開館以来掲げている基本理念に立ち返ります。激動する世界の現在を表現する国内外のアート作品を伝え、新たな文化を市民とともに考え、創造していく活動を推進してまいります。どうぞご期待ください。

金沢21世紀美術館
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