展覧会の概要
ゲルハルト・リヒターは現代絵画の巨匠として高い評価を受けているドイツの画家です。本展は、リヒターの1960年代から40年にわたる長い画歴を、日本で初めて総合的に紹介する個展です。出品作品約50点は、リヒター自身とデュッセルドルフ(ドイツ)のノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館の全面的協力により、厳選されました。 白黒の写真を元に描いた絵画「フォト・ペインティング」、色見本のような幾何学的な絵画「カラー・チャート」、ロマンティックな風景画や静物画、大胆なモノクロームの「グレイ・ペインティング」、ガラスを用いた作品など、高度な絵画技術をもって多様なスタイルを同時期に並行させながら、一貫して「絵画の可能性」を追求し続けるリヒター。それらの作品は彼が生きてきた時代背景をかいま見せるとともに、時空を超えてつながり合い、新たな地平へと私たちを導きます。 「鏡は、より完璧な絵画である」−− リヒターは、写真と絵画、現実と幻影、具象的なものと抽象的なものといった境界に立ち、同時にそのどちらをも超えて、絵画の根底にある「見るという行為」の意味について私たちに問いかけます。 リヒターの芸術は、膨大な作品をどのように組み合わせて展示するかにより、万華鏡のようにその表情を変えます。本展は、制作された年代を追いつつ、テーマ、スタイル、サイズ等、作品の性格に着目してその並べ方も多様性をもたせました。そんな展示空間は、無辺の可能性を湛えるリヒターの世界へと私たちをいざないます。 |
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