特別展示
ローリー・シモンズ《悔恨のミュージック》
(2005 - 2006年 / 映像作品)
時間:会期中毎日、開場後毎時15分から (上映時間:44分14秒)
場所:展示室9 (本展会場内)
1970年代から、おもちゃ、腹話術の人形、オブジェを用いて、絶妙にライティングが施されたドールハウスや背景を舞台に空想的な世界を構築するローリー・シモンズの写真世界は、ユーモアとノスタルジーを併せもち、物哀しく、現実ではかなえられない情景を人造の舞台に映し出してきた。
そのような彼女の作品世界の集大成となった《悔恨のミュージック》では、彼女のオブジェ達が動き出し、私たちが普段生活する中で内に秘める悔恨や欲望の真情を人間以上に表出している。3幕からなるミュージカル仕立ての本作品の中で、唯一の人間の登場人物として、メリル・ストリープがシモンズの分身に扮し、腹話術の人形とともにかつての恋人との回想シーンを演じている。「こうしていれば今頃は…」コミカルでメロドラマ的な歌声の中に悔恨の心情の機微を吐露する模様が、鮮烈な色使いともに深い哀愁に包まれながら、濃厚に描き出された大作である。
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ローリー・シモンズ《悔恨のミュージック》
2005 - 2006
35mmフィルム (HD CAMへ変換)
44分14秒
金沢21世紀美術館蔵
©Laurie Simmons
Courtesy: Sperone Westwater, New York