メガネって不思議だ。いつも見慣れた自分の顔がガラッと変わる。いや、メガネひとつでいつもの顔が変えられるのだから、こんなに面白いことはない。「メガネは顔の一部です」というCMもあったけれど、まさにそのとおり。ファッションともいうけれど、顔にのっかっているんだから、これは最重要課題。洋服とは比較にならないほどの使命を帯びているのだ。
金沢美術工芸大学には「メガネ部」がある。製品デザイン専攻の学生が中心となって日夜メガネのデザインについて考えている集団である。学生だから、若いからという言葉は使いたくないが、その発想の斬新さは、頭の柔らかさゆえ。これまでにない新たなデザインのメガネが、部の伝統とともに次々と生み出されていく。
学生たちが考えたメガネが現実のものとなったのは、福井県眼鏡協会の協力があってのことである。福井県眼鏡協会が主催する「メガネデザインコンペ」にメガネ部が参加し、受賞をきっかけにプロダクトが作られることとなった。まさに産学官協同プロジェクトによってこれらのメガネが生み出されたのである。今回の展示はメガネ部が中心となって企画してくれた。斬新なメガネと共に、見せ方へのこだわりも存分に発揮して、未来のメガネ工場がデザインギャラリーの誕生する。 |