EXHIBITION展覧会
主催展覧会2014
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開館10周年記念
レアンドロ・エルリッヒ ーありきたりの?
2014年5月3日(土) - 2014年8月31日(日)
レアンドロ・エルリッヒ(1973年ブエノスアイレス/アルゼンチン生まれ、モンテビデオ/ウルグアイ在住)は、金沢21世紀美術館にとって特別なアーティストのひとりです。「レアンドロのプール」の愛称で多くの人々に親しまれている作品《スイミング・プール》は、妹島和世+西沢立衛/SANAAの設計したこの美術館において、ひときわ大きな役割を果たしてきました。90年代はじめから湧き出るように出現した多様な表現の中で、誰もが共有できる物や事を通して現実の認識に変容をもたらす作風は、現在まで続く現代美術の特徴のひとつとして指摘することができます。《スイミング・プール》は「プール」というありきたりのものを未知で新しい要素と組み合わせて非日常化してしまうことで、見る側の問題意識を誘発している作品です。日常の中に大胆に介入して、常識的な見方でそのものの存在に反応してしまう私たちの姿を見事に映し出し、同時に親しみやすさや気軽さによって、人々が作品に向き合ったときに創造力を惜しみなく発揮して、全身で受け止めることが身につくように促してくれています。現代美術が以前にも増して人々に愛されていることに大きく寄与しているのは間違いありません。本展は《スイミング・プール》の他に最新作を含む17点を紹介する、日本で初めての個展となります。またそれが開館10周年を迎える2014年の記念の年に開催できることは大きな喜びです。つねに外に向かってひらかれている、交感の場を提案するエルリッヒの作品世界を、ぜひお楽しみください。
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柿沼康二 書の道 “ぱーっ”
2013年11月23日(土) - 2014年3月2日(日)
柿沼康二は、1970年生まれ。現在東京を拠点に活躍する書家です。5歳から筆を持ち、父である柿沼翠流、手島右卿、上松一條に師事しました。「書はアートたるか、己はアーティストたるか」との命題を立て、既存の書に収まらない新たな書の地平に挑み続けてきました。 柿沼康二の作品の特徴は、書の古典に立脚した今日的な表現にあります。書の原理を問いつつ今日の美術として書を捉えていこうとしています。「吸って吐いて、自由な書!」とは、柿沼康二の目指す書の在り方です。表現スタイルには、いくつか代表的なものがあります。古人や能筆家との対話の場である臨書。臨書から形式発展させ、他者の言葉を柿沼流に作品化する「エンカウンター(出会うこと)」。書の原理である墨を使って絵画的に展開する超大型の作品群。あるいは、大型の作品での例が多い制作プロセスを観客と共有するパフォーマンス。ひとつの言葉にこだわり、それを執拗に繰り返す「トランスワーク」。書を時間的、空間的に発展させて、巨大なスケールで展開したインスタレーション。 このように、柿沼康二の書は、書、現代アート、サブカルチャーと関連して展開した今日的な表現です。それは、明日へと向かう希望の書であり、自由で、未来に向かって開かれた、可能性としての書です。本展では、代表作約700点で柿沼康二の書の世界を紹介します。 本展キュレーター・金沢21世紀美術館館長 秋元雄史
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ARCHITECTURE FOR DOGS 犬のための建築
2014年12月6日(土) - 2015年5月10日(日)
「犬のための建築」は、デザイナー・原研哉氏のディレクションのもと、犬の尺度で建築を捉えなおすことで 新たな建築の可能性を模索する、犬と人間の幸福のための真摯な建築プロジェクトです。 2012年11月に公式サイトがオープンし、世界をリードする建築家・デザイナー13組がデザインした「犬のための建築」13作品が、フリーダウンロードできる設計図と共に公開されました。公式サイトでは、設計図をもとに自作した「犬のための建築」の写真を投稿することができ、インタラクティブな交流の場にもなっています。また2012年12月にマイアミの「Design Miami/」にて最初の展覧会が開催された後、ロサンゼルスのロングビーチ・ミュージアム、TOTOギャラリー・間、四川省のZHIアート・ミュージアムに巡回した後、今年2014年に金沢21世紀美術館でも展覧会を開催する運びとなりました。本展では、「犬のための建築」28件31点が、長期インスタレーションルーム、デザインギャラリーと交流ゾーンにかけて一堂に展示されま す。柴犬・スピッツ・パグといった具体的な犬種を特定してデザインされ、それぞれの建築家・デザイナーの個性もにじみ出ている作品の数々をじっくりとご堪能いただけます。 デザインギャラリーでは、「人間と犬のスケールを調整する装置」というコンセプトはそのままに、10数種の形態バリエーションに展開した原研哉氏による《D-TUNNELのボレロ的展開》が、実寸大もしくは縮尺模型として公開されます。また、東京展で投稿された一般の方からのアイディアの中から選ばれた《すきま椅子》は日本初公開となります。 「犬」を通して「建築」の領域を広げてくれる本展覧会、どうぞご期待ください。 企画・ディレクション:原研哉 共同企画:Imprint Venture Lab 参加作家:アトリエ・ワン、伊東豊雄、MVRDV、隈研吾、コンスタンチン・グルチッチ、妹島和世、トラフ建築設計事務所、内藤廣、坂茂、藤本壮介、ライザー+ウメモト、原デザイン研究所、原研哉
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ジャパン・アーキテクツ
3.11以後の建築
2014年11月1日(土) - 2015年5月10日(日)
2011年3月11日に起きた東日本大震災は、建築家と建築界に大きな意識の変化をもたらしました。津波の圧倒的な破壊力に、建築物を強化するだけでは解決できない問題を突きつけられると同時に、人と人との繋がり、地域と人の関係といったソフト面からのアプローチがいかに大事かを考えさせられたのです。さらに未曾有の惨事となった原発事故はエネルギー問題に対しての意識と危機感を急激に高め、環境やエネルギーとの関係に配慮した設計が、今までに増して切実に求められるようになりました。さらにマクロに見ると、少子高齢化に向かい、住宅や公共施設がだぶつくと言われるこれからの日本において、建築家がどのような役割を果たし、どのような未来を描こうとするのか、批判と期待の両方をもって問われるでしょう。こうした社会の変化に自分なりの考え方や手法で向き合う25組の建築家の取り組みを紹介します。
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ジャパン・アーキテクツ
ジャパン・アーキテクツ 1945-2010
2014年11月1日(土) - 2015年3月15日(日)
「ジャパン・アーキテクツ1945–2010」はポンピドゥー・センター パリ国立近代美術館副館長のフレデリック・ミゲルー氏を監修・キュレーターにお迎えして、戦後日本において大きな役割を果たしてきた日本の建築家たちによる150を超えるプロジェクトを考察し、戦後日本建築史を紹介する展覧会です。戦後に焦土化した国土を復興し始めた1945年から2010年までの65年間を、ミゲルー氏は6つのセクションに分け、各セクションのコンセプトに対応するカラー・コードを用いて、戦後日本建築を独自の視点で刺激的に読み解いています。本展は、日本建築の資料を多数所蔵するパリ・ポンピドゥー・センターからの出品を含め、建築家たちの思考の過程を示す貴重なオリジナル作品約300点によって、日本における建築家たちの業績を展観します。
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アペルト1
金光男 White light White heat
2014年9月13日(土) - 2014年11月24日(月)
本展「金光男(KIM Mitsuo) White light White heat」は、今まさに興りつつある新しい動向に目を向けて、新進気鋭の若手作家を個展形式で紹介する新しいシリーズ「アペルト」の第1回目です。 金光男はシルク・スクリーンの技法を使って、イメージの反復と、反復にたぐりよせられたイメージ間の関係性を模索しています。板にパラフィン・ワックスを薄く敷き、その上にシルク・スクリーンで画像を転写しただけでなく、その表面に熱を加え、パラフィン・ワックスが溶融してイメージが崩壊する寸前で固められた作品群。イメージが完全に崩れ、パラフィン・ワックスと共に溶け出したインクの部分は無地に戻り、虚無な空間として残されています。平面でありながら、ワックスの盛り上がりによってかき乱された表面は、そのまま金自身の身体行為の痕跡でもあるのです。フェンスや梯子の、崩れてはっきりとしない輪郭によって、曖昧な境界の向こう側に、もうひとつの光の世界が感じられます。素材と技法の特徴を生かしながら、相対する現象が同じ世界にあることを暗示させ、本来のあるべき姿から本質を失っている状態を可視化しようとしています。 立松由美子(金沢21世紀美術館 コンサベーター/キュレーター)
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鈴木康広「見立て」の実験室
2014年9月13日(土) - 2014年11月24日(月)
「鈴木の見立て+みんなの見立て=見立ての実験室」 日常生活で「これは何かと似ている」と思うことがあります。このように、あるものを別のものとして表す技法を「見立て」といいます。鈴木康広は船の航跡をファスナーに、剣玉の赤い玉をリンゴに見立てるなど、見慣れたものや現象を独自の視点で捉え、世界の見方を広げる作品を発表しています。 今秋、金沢21 世紀美術館は美術館や金沢のまちを見つめ直す機会として、見立てをテーマとするプロジェクト展示を鈴木「室長」、そしてプロジェクト・メンバーである「研究員」とともに実施します。 鈴木康広の「ものの見方や捉え方」を体感しませんか? きっとあなたの「ものの見え方」にも変化がうまれることでしょう。
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コレクション展 II 感光と定着
2014年9月13日(土) - 2014年10月13日(月)
2014年度、「透過と反射」に続くコレクション展のテーマは「感光と定着」です。この2つの言葉は光をとらえ、像をつくるまでのプロセス、つまり「写真」を指しています。 写真は絵画や彫刻に比べると新しい表現領域です。「今、ここ」を留めおきたいという強い願望は、光の作用によって化学的な変化を引き起こす方法を、さらにはその変化を像として定着させる方法を編み出しました。1826年にニエプスが最初の写真画像をつくりだすことに成功し、続く30年代にはダゲールとタルボットがそれぞれ別の方法で、写真の実用化に道を開いて以来、現在まで約180年にわたって絶え間ない進化を遂げてきた写真。化学や工業といった技術的な発展と、あるいは社会情勢や美術の動向と深く結びつき、独特の歴史をつくってきました。 当館では「1980年以降に制作された新しい価値観を提案する作品」を、作品収集の大きな柱としていますが、この「1980年以降」は特に写真にとって極めて大きな変化が訪れた時代なのです。デジタル技術の進化は暗室作業に代わる新たな画像加工の方法を容易にし、フィルムからデジタルへの移行はカメラそのもののメカニズムに大幅な変更を加えました。 もちろん大きな変化が初めてというわけではありません。180年余の歴史の中で写真は幾度と無く革新の時期を迎えました。例えば1920年代から30年代にかけて、コンパクトカメラの開発やフィルムの改良、そして印刷技術との連携などを通して、写真に革新的な状況がもたらされましたが、「1980年以降」はそれを超えるような変革でした。こうした過渡期に、はたして写真家やアーティストは、光をどのように扱い、そして定着させてきたのでしょうか、あるいは写真をどう捉え、写真を用いてどのような表現をつくりだしてきたのでしょうか。今一度、彼らの取り組みに注目し、当館のコレクションから選んだ写真作品を展観します。
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粟津潔、マクリヒロゲル 1
美術が野を走る:粟津潔とパフォーマンス
2014年9月13日(土) - 2014年10月13日(月)
風景と物の因果律、偶然的な出合い。チャンスオペレーション。そうした部分を人間は見ているのだと思う。 粟津潔「美術が野を走る」(『造形思考ノート』p.112より) 粟津潔(1929-2009)は第二次世界大戦後、荒野と化した東京で映画と美術雑誌を教科書に、山手線車中や路傍の人々を写生し独学で絵を学びました。ポスター《海を返せ》で1955年日本宣伝美術会賞受賞を経て、デザイン、印刷技術によるイメージの複製と量産自体を表現として拡張、「私はすべての表現の分野に、その表現の境界を取り除くだけではなく、階級・分類・格差・芸術に現れた上昇と下降も、取り除いてしまいたいと決断する」 と述べ、様々なジャンルを横断、実験的な表現に挑み続けました。粟津の作品は、ポスターやブックワーク、建築に表れ、町に拡がって行きました。1960年には「メタボリズム」に、大阪万博では、EXPOランド、日本館構想計画にも参加しています。私たちにもなじみ深い高速道路の標識のフォントデザインも粟津によるものです。 当館は、粟津デザイン室のご厚意により2006年から受贈を開始し、約2786件所蔵。2007年に開催の「荒野のグラフィズム」展では1750件が紹介されましたが、未発表作品や制作過程、実験的行為の手がかりとなる資料、メモなどが多数あり、現在も調査研究を続行中です。 今年からシリーズ「マクリヒロゲル」と題し、多角的な切り口で未発表作品を含め粟津の世界を紹介します。第一弾となる本展では、アーティストの浜田剛爾の主宰による<Performance>にて1977から79年に粟津が実践したパフォーマンスに着目。浜田は、後に、「アートは、社会的流儀や世界的大義に対して、超越・隔絶した存在であることが、アートが唯一誇っていいことだと思うんです。そのことが否定されたときには、戦う気持ちがあります。僕にとっては、そのこと全体がパフォーマンスと同義だからです」*と語ります。本展はこの視座に立ち、既存のヒエラルキーを解体していった粟津潔の開拓精神を、今日様々な領域で活躍する表現者たちとともに、実践していきます。 金沢21世紀美術館キュレーター 北出智恵子 *「Interview:08 浜田剛爾:偶然を取り込み、形のないものの力を信じて」 北川フラム『アートの地殻変動』、美術出版社、2013年、p.116
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橋本雅也 間(あわい)なるもの
2014年5月24日(土) - 2014年8月31日(日)
「橋本雅也 間(あわい)なるもの」では代表的なふたつのシリーズを紹介する。 ひとつは花のシリーズである。鹿の骨と角から生まれた彫刻で、誕生は一頭の鹿の死から始まる。橋本は猟師に同行し、冬山で一頭の鹿の死に立ち会う。鹿は、骨、肉、皮となって、橋本の元に残った。白い花を彫り、スイセン、さくらなどの作品となった。2010年の作である。 もうひとつは橋本自身が断髪した髪をモチーフにして制作した髪飾りの作品である。自身の存在論的問いかけが髪を仲介して作品となった。大きくても15,6センチほどのサイズで、水牛の角と漆で出来ている黒くつややかな作品である。2009年の制作である。
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好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム フードクリエイション+東京大学総合研究博物館
2014年4月26日(土) - 2015年3月31日(火)
※「好奇心をあじわう小部屋」、「好奇心の祝宴」は10月13日で終了いたしました。 今年金沢21世紀美術館は開館10周年を迎えました。「好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム」は、みなさんとともにこれを祝う「祝宴」の場をつくりあげるプログラムです。その中心となるのは、あらたな「食」の価値を提案する諏訪綾子が主宰するフードクリエイションと、<驚異の部屋>をつくりだす東京大学総合研究博物館。博物館の原点でもある「好奇心」に立ちかえりながら、「あじわい」をテーマに据えた、ユニークなプログラム「好奇心をあじわう小部屋」と「好奇心の祝宴」を開催。あじわいのプログラムは街中へと広がっていきます。
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中村好文 小屋においでよ!
2014年4月26日(土) - 2014年8月31日(日)
建築家・中村好文は、長年にわたってクライアントの暮らしに寄り添った普段着のように居心地のいい住宅をつくってきました。この展覧会は、中村が子供のころから心奪われ、同時に「住宅の原型」として位置づけてきた小屋に関する考察と展示を通じて「住宅とはなにか?」を問い直す企画です。会場は「長期インスタレーションルーム」と「光庭」ですが、光庭には、エネルギー自給自足を目指すひとり暮らし用の小屋「Hanem Hut」を原寸サイズで展示いたします。 3.11以降、エネルギー問題や環境汚染の問題は、ますます避けて通ることのできない重要なテーマとなってきています。この小屋の展覧会が、そうした問題解決への糸口となり、提案となることを願ってやみません。
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コレクション展 I 透過と反射
2014年4月12日(土) - 2014年9月21日(日)
開館10周年を記念し、これまでに収集してきたコレクションの中から初公開や久々の展示となる作品を中心に、コミッションワークや金沢ゆかりの作家の作品を含め、当館の収蔵作品21点を展観します。 「コレクション展Ⅰ 透過と反射」では、光を透過し、あるいは反射する素材が用いられた立体作品をはじめ、自己の反射としての自画像やレンズを通すことで像を得る写真など、さまざまな表現から浮かび上がってくる「透過と反射」がテーマとなっています。 古来より人間は、透明な物質や磨き上げられた表面に強い関心を示してきました。美術でもまた作品が窓や鏡にたとえられてきたように「透過と反射」は繰り返し登場してきた概念です。透明性の高い素材や鏡面の技法が生み出す効果は、私たちに大きな驚きと直感的な愉しみを与え、さらにそれぞれの作品に眼を凝らすことで透けて見えてくるもの、映し出されるものは私たちの視覚のチャンネルを変え、新しい思考を誘発します。 本展を見終わってもう一度美術館を散策したとき、美術館を覆う円形のガラス壁や、ここそこにある大きな透明の扉にはどんな姿が映し出され、その向こうにはどんな光景が広がっているでしょうか。
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フィロソフィカル・ファッション 3: ミントデザインズ ‒ happy people
2013年12月7日(土) - 2014年5月18日(日)
目まぐるしく移り変わる流行、それを支えるファストファッションの隆盛が顕著ないま、衣服の意味を問い直し、一貫したコンセプトでファッションを提案するクリエイターを紹介するシリーズ「フィロソフィカル・ファッション」。その第三弾として「mintdesigns(ミントデザインズ)」を取り上げます。 勝井北斗と八木奈央によるファッション・ブランド「ミントデザインズ」は、独自に開発するテキスタイルのユニークさを生かした衣服のデザインが注目されてきました。一方で、食器や家具、和菓子など、異業種とのコラボレーションにも積極的に取り組み、そのデザイン領域を拡大し続けています。衣服にとどまらず、日常生活の時間を豊かにするためのプロダクトデザインを目指す彼らの活動は、「流行」と同義ではない「ファッション」の可能性を提案しています。 本展は、「happy people」をテーマに、ミントデザインズの衣服を日常へ浸透させる実験です。東京と金沢で暮らす人々が、それぞれの日常空間のなかでミントデザインズに出会う、その瞬間を展示します。 金沢21世紀美術館キュレーター 平林恵
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ボーダーライン コレクション展 II
2013年9月28日(土) - 2014年3月16日(日)
私たちは様々な場面で内部と外部を区別しています。内部は、言語、身体的特徴、記憶など共通のルールにもとづいて形成され、外部との間にはしばしば摩擦や軋轢が生じます。しかし、内部と外部はその境界において交渉しながら新しいルールを見つけ出し、境界は絶えず更新されています。つまり、境界は内部を広げる可能性を秘めた領域でもあるといえるのではないでしょうか。今年度のコレクション展は、このような視点に立って、境界を「分断するもの」から「繋がり、広げるもの」として捉え直す試みです。 「ボーダーライン コレクション展 I 」では、私たちにとって一番身近な身体を基本に据え、内と外の関係を考察しました。「ボーダーライン コレクション展 II 」ではそれを社会的な境界へと広げ、当館コレクションを展観します。 進化の過程で巨大な大脳を持つようになった人類は、意識という内部を獲得しました。私たちの社会には、自己と他者、国境、民族、ジェンダーなど様々な境界が存在しますが、そのほとんどは実際に線が引かれているわけではなく、人間が意識の中で引いた線であり、それが制度化されたものです。本展では、8作家の表現を通して、人間の意識が作り出した境界に時に立ち向かい、時に横断しながら、境界を介して外部と接することで自己という内部の領域を拡張していこうとする人間の可能性を探ります。 米田晴子(金沢21世紀美術館キュレーター)
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島袋道浩:能登
2013年4月27日(土) - 2014年3月2日(日)
島袋道浩は世界中を旅しながら、人間の生き方やコミュニケーションのあり方に関する作品を制作してきました。本企画は能登特有の風習や産物に興味をもった島袋が能登を旅し、アーティストならではの視点で発見したことを元に新作を作り上げる、1年間の長期プログラムです。金沢を中心とした若い人たちに芸術活動参画の機会を提供する「金沢若者夢チャレンジ・アートプログラム」の第7弾として、4月より約28名のボランティア・メンバーが活動をしてきました。メンバーは作家と一緒に能登を訪れ、作家の作品制作に参加したり、メンバー通信『能登へ』を発行したりしています。展示を見てメンバー通信を読んだ人は、能登の魅力を感じるとともに、作家の能登への視点に触れることで、普段の身の回りの様々なものに対しても以前と少し違う視点を持つことができるでしょう。
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