ソンエリュミエール、そして叡智

2012年9月15日(土) - 2013年3月17日(日)

近代市民社会は経済発展及び科学技術により豊かさと自由を獲得してきたかにみえる。情報化社会において迅速さ快適さ手軽さが幸福であり、有益な価値であると見なされてきた。しかし同時に、その利益を追求するために人間生活はますます管理されることになった。つまり、自分が属する社会の制度と権力に支配されているということである。2011年3月の東日本大震災と福島での原子力発電所事故は、安全と幸福と自由という社会の基盤を根底から覆した。人間の自由を実現するための民主主義社会が選びとってきた経済システムや社会システムは、今や人間社会の継続を脅かすものとなってしまった。

「ソンエリュミエール、そして叡智」では、そんな絶望の中にありながら、世の中の矛盾に正面から向き合い、立ち続けようとする人間の可能性を探る。ここに紹介される作家の作品は、人間社会を鋭い眼差しで捉え、その膿みをあぶり出す。あるいは絶望自体も取り込み、半ば自虐的ともいえる手法で、それでも生き抜こうとする現代人の姿を映し出そうとする。彼らの表現は、不自由で身動きのとれない人間社会の構造を暴く。絶望を未来への種として、苦痛と混沌の渦中にもがくはかなくも生命ある存在として人間の有り様を見つめる。

金沢21世紀美術館キュレーター 北出智恵子

matohu 日本の眼 日常にひそむ美を見つける

2012年7月21日(土) - 2012年11月25日(日)

なにげなく通り過ぎるいつもの風景に、新鮮な美が息づいている。日本人にとって、美は超越的な概念ではなく、自然や日常の中にひそんでいる様々な層を繊細に見つめることでした。すなわち「日本の眼」とは歴史のなかで日本人がゆっくりと培ってきた、「美に気づく視点」なのです。

服飾ブランドmatohu まとふ(まとうと読む)は、2005年のデビュー以来、「日本の美意識が通底する新しい服の創造」をコンセプトにした独自のスタンスで、東京コレクションにおいて異彩を放ってきました。そして2010年から「日本の眼」をテーマに、日本の美意識をひとつずつ取り上げ、毎シーズン服で表現する挑戦を続けています。金沢21世紀美術館デザインギャラリーでは、「かさね」「無地の美」「映り」「やつし」などをキーワードに、日本の美意識の再発見とその表現を、matohuの最も代表的なアイテム「長着(ながぎ)」―コレクションテーマにそって同じデザインで作り続けられている服―を通して展示します。

歴史の経糸を貫く感性が、現代の生活にどう生かされ、個々人の生活に気づきと豊かさをもたらすのか、そのヒントを見つけに来てください。

Aloha Amigo! フェデリコ・エレロ×関口和之

2012年5月3日(木) - 2013年3月17日(日)

「Aloha Amigo! フェデリコ・エレロ×関口和之」は、金沢若者夢チャレンジ・アートプログラムの第6弾です。このプログラムは、18歳から39歳までの若者に芸術活動参画の機会を提供し、人間形成へ貢献することを目的としています。今年は、音楽家であるウクレリアン関口和之と美術家フェデリコ・エレロとの出会いによって、音楽と美術の世界が融合する長期プロジェクトを開催します。フェデリコ・エレロが作り出した色彩豊かな造形空間のなかで、「Aloha Amigo - ウクレレのある生活 - 」と題されたウクレレ・プロジェクトが行われます。エレロの伸びやかで繊細な絵画と音楽が共鳴する大空間のなかで、コミュニケーションの多様性や自己表現の可能性を問いかけます。

コレクション展

ソンエリュミエール - 物質・移動・時間

2012年4月28日(土) - 2012年11月4日(日)

光には闇があり、音には無音がある。それぞれは対概念ではなく、ひとつの事がもつ性質である。フランス語で「ソン(son)」は音、「リュミエール(lumière)」は光を意味する。「ソンエリュミエール」は、1952年にフランスで最初に開催されたイヴェントに由来し、以後、照明と音響効果を用いて史跡や有名建築を語る豪華なスペクタクルショーのことを指すようになった。太陽が沈んだ闇夜に人工光が輝き、音楽が流れ、名所の謂れが語られる光景は煌びやかで幻想的である。同時にその効果は表面的で場の固有性は光と音の華やかさに取って代わられ画一化されてしまう。

過剰な情報が氾濫し、莫大なエネルギーが消費される現在、私たちは機械計測的に刻まれる時間に束縛されて日々の生活を送っている。支配的制度としての時間から解放された時、私たちの知覚は変容し、見慣れた現象が新たなかたちをとって姿を現す。光の流れ、音の移動、月の満ち欠け、鉱物に流れる時間—有機的な時空間の中では、流れる時の方向は多様で、個々の経験は計り知れない多義性を帯びた旅となる。

本展覧会では、現代の美術家をそんな旅人と捉え、特に物質、移動、時間をキーワードに世界を見つめ直す。粟津潔、秋山陽、ヤン・ファーブル、ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス、木村太陽、岸本清子、草間彌生、ゴードン・マッタ=クラーク、カールステン・ニコライ、ゲルハルト・リヒター、サイトウ・マコト、田嶋悦子、マグナス・ヴァリン、アンディ・ウォーホル——彼らは物質の性質と力を習得することによって、自己、イメージ、行為といった非物質的な存在に、物理的なかたちを与える。あるいはまた、物質に依ることで立ち現れる造形表現は、エネルギーの運動態として私たちの眼前にあらわれ、未知なる体験をもたらすとも言える。

ここに切り拓かれた思惟の宇宙を遊泳する旅はつかのまではかなくとも、またとない瞬間として確実に鑑賞者ひとりひとりに記憶されることだろう。

EVENTイベント

日本イスラエル国交60周年関連プログラム

ヤスミン・ゴデール「LOVE FIRE」

2012年9月29日(土) - 2012年9月30日(日)

日本初演!ヤスミン・ゴデールが日本で6年ぶりに踊る!世界のダンス界が注目する振付家ヤスミン・ゴデールの日本初演作品。恋愛への憧れ。失速する感情。制御不能な熱情により次第に自失してゆく生々しい肉体と精神。クラシック音楽の名曲を織り交ぜながら、ステレオタイプではない男女間の「ロマンティシズム」が複雑にユーモラスに描かれます。

サイレンス 01 アルディッティ弦楽四重奏団+藪俊彦

2012年9月15日(土)

現代音楽の最前線を走り続けるアルディッティ弦楽四重奏団が、再びシアター21に登場。音楽の未来を切り開いた日米欧の3人の作曲家を取り上げます。膨大な声部を重ねたミクロポリフォニーの手法で知られ、映画「2001年宇宙の旅」にもその曲が使われたハンガリーのジェルジュ・リゲティ。サイコロを振って音を決める偶然性の音楽など常に前衛に位置した作曲家、アメリカのジョン・ケージ。そしてニューヨークに渡り、ケージとも親交、電子音楽からオペラまで、実験精神にあふれる日本の一柳慧。
アルディッティ弦楽四重奏団の演奏で、3人の音宇宙が眼前に迫ります。

EDUCATIONAL PROGRAM教育普及プログラム

ソンエリュミエール - 物質・移動・時間、そして叡智

「サンセット〜サンライズ・アーク」光庭プロジェクト 特別講演会

2012年9月30日(日)

金沢21世紀美術館の光庭で展開中の「サンセット〜サンライズ・アーク」光庭プロジェクトについて、出品作家のパトリック・ブラン氏、日比野克彦氏にお話を伺います。

講師:パトリック・ブラン、日比野克彦 
モデレーター:北出智恵子(金沢21世紀美術館/本展キュレーター) 



<タイムスケジュール>
14:00〜 はじめに
14:05〜 日比野克彦
15:05〜 パトリック・ブラン
16:15〜 両氏対談/質疑応答

「Aloha Amigo! フェデリコ・エレロ×関口和之」とともに

絵本を読もう

2012年9月29日(土)

絵本を読んだあと、ウクレレを体験しましよう。
・『やまのかいしゃ』スズキコージ さく かたやまけん え  架空社
読み手:鍛治裕子

Aloha Amigo! フェデリコ・エレロ×関口和之

メンバー・ウクレレステージ vol.5 with ジュニア・ウクレレ・オーケストラ

2012年9月15日(土)

2012年4月から活動を始動した総勢45名のAloha Amigoメンバーがはじめてウクレレの演奏を披露します。
フェデリコ・エレロが生み出した絵画空間と関口和之のウクレレ思想から触発されて、Aloha Amigoメンバーたちが色彩豊かなウクレレミュージックを奏でます。今回は金沢で活動を展開するジュニア・ウクレレ・オーケストラと合同で行います。

Aloha Amigo! フェデリコ・エレロ×関口和之

ハワイパシフィック・レクチャー  なぜ人は物にこだわるの? - ハワイと日本美術の場合

2012年9月9日(日)

美術作品は一種の「物」である。本レクチャーは、ハワイアン・アートと日本美術を例として、なぜ人は物にこだわるのだろうかという、素朴な問題に物の精神性(スピリチュアリティー)を絡めて追求する。従来、唯物論と観念論は二項対立の両極として捉えられてきた。しかし、可視される物の背景にある不可視の観念に影響されずに、物自体について考えることは無理であろうとする、ビル・ブラウンの「物質感覚論」や、ニコラス・トーマスが提唱した「譲渡することができない物質(Inalienable objects)」といった理論を背景に、人が物に夢中になる理由を探る。ハワイと日本文化の共通点として、アニミズムと物の関係が挙げられよう。美術作品を紹介しつつ、ハワイに伝わる「マナ・カプ・ヘイアウ」と、日本の「もののあはれ・もののけ」といった精神世界の比較を試みたい。

キッズスタジオ・プログラムとともに

絵本を読もう

2012年9月8日(土)

絵本を読んだあと、戸出雅彦さんと「粘土を作ろう」のプログラムを行います。

・『どろんこどろちゃん』 いとうひろし ポプラ社
・『みみずのオッサン』 長新太 童心社
読み手:鍛治裕子

ワークショップ

「素材と遊ぶ」シリーズ 「粘土を作ろう」

2012年9月8日(土)

乾いた粘土に水をまぜて、自分の粘土を作ろう。
こねこね、どろどろ、にゅるにゅる? 土のいろいろな手ざわりを感じよう。

キッズスタジオ・プログラム

「ハンズオン・まるびぃ!」プレイルーム

毎週土日祝一部除く

子どもも大人もいっしょに楽しめるスペースです。
いろいろな造形遊びで、工夫と発見を楽しもう!
(下は遊びかたの例です。内容は日によって変わります。)


★遊びの素材募集中
ご不用の包装紙、紙袋、和紙など工作の素材をキッズスタジオで集めています。
包装紙、紙袋、紙の梱包材(詰め物や卵パック等)、ほか変わった紙製品など
ボタン、ビンのふた、ビーズ、ほか家の中で集まったキッチンや文具の小物など
※汚れていないものでお願いします。

「ウクレレフリーステージ! - 誰でもウクレリアン- 」プロジェクト

2012年5月8日(火)~2013年3月17日(日)※休場日を除く

初心者でも誰でもウクレレを楽しめるプロジェクトです。シンプルなコードを 楽しみながら、ウクレレに親しみます。ウクレレ体験終了後には、希望者を対象にウクレレを弾いたり、歌う姿を撮影します。
その映像がYouTubeにアップされます。


YouTubeはこちらから↓
http://www.youtube.com/user/alohaamigo2012

※ただし、2月2日(土)は18:00~19:00(17:30受付開始)、3月9日(土)は10:30~11:30(10:00受付開始)、3月17日 は11:00〜12:00(10:30受付開始)に実施します。

COMMUNITY EXHIBITION一般主催展覧会

条件に該当する催しがありません。

COMMUNITY EVENT一般主催イベント

条件に該当する催しがありません。