ベトナム絹絵画家グエン・ファン・チャン 絵画修復プロジェクト展

2011年10月22日(土) - 2012年2月12日(日)

グエン・ファン・チャンはベトナムが誇る近代絹絵のパイオニアとして知られる画家です。「ベトナム絹絵画家グエン・ファン・チャン 絵画修復プロジェクト展」では、彼が家族のもとに遺した作品3点が日本の多くの有志の熱い思いによって修復されるまでを紹介します。グエン・ファン・チャンの絹絵は、絹地に水彩で描かれ、何度も画面を洗浄しながら描くというその独特の手法ゆえ、温湿度や光の影響を受けやすく、高温多湿の本国では傷みの進行が懸念されていました。今回修復が試みられた3点を初公開するとともに、3年に渡る困難な修復への道程を綴るドキュメンタリー映像によって、ベトナムを愛する日本の民間の人々の力で成し遂げられた偉業をお伝えします。

サイレント・エコー コレクション展 II

2011年9月17日(土) - 2012年4月8日(日)

「どうしたというのだろう?音楽はためらうように、うねりながらはじまった。散策か行進のように。夜の世界を歩む神のように。ミックの外の世界はにわかに凍りつき、音楽のあのすべり出しの部分だけが、胸の中で赤く燃えていた。そのあとの音楽は耳にもはいらず、彼女はただ拳を固く握りしめ、凍りついたようにすわったまま待ち受けていた。しばらくすると、音楽はふたたびはげしく、声高にうたいだした。もはや神とは何の関係もなかった。これこそミックであり、昼日中を歩むミック、夜をただひとり歩くミック・ ケリーだった。・・・この音楽は彼女であり、ほんとうの、ありのままのミック自身であった。」(1)

カーソン・マッカラーズの小説「心は孤独な狩人」で語られる音楽観、人と音楽の世界と深く共鳴し合うルクセンブルグ出身のツェ・スーメイの《エコー》《ヤドリギ楽譜》を軸として、「サイレント・エコー コレクション展II 」では、当館コレクションの潜在する未だ語られたことのない世界の展観を試みる。

《エコー》《ヤドリギ楽譜》で提示される、身体、音、技術、自己をとりまくあらゆる事象との関わりや融合から生み出される世界を根底に据え、こうした音楽観を出発点に、かたちが造形芸術である所以も同様に自 己、技術、対象の十全な融合によってこそ作り出される造形芸術の世界を紹介する。この試みは、「工芸的造形」という概念をめぐって近年展開されている視座を起点としている。「素材/自然/環境/他者に寄り添い、自らを物事の生成のプロセスに投げ入れ、親密な交流を図ることによって、固有の技術を見いだしつつ新しいかたちを生み出す造形及び造形行為」(2) という美術表現を評価する新しい眼差しに依り、ツェ・スーメイ、アニッシュ・カプーア、粟津潔、山崎つる子、久世建二、角永和夫による、自己、他者、素材といったあらゆるものとの対話の営みを検証する。 彼らの作品にみる静かな対話や共鳴の様相は、人がこの世界とどのように関わり、生きるかという人間の存在性について物語り、どんなに困難な時代においても新たな可能性、希望を我々に示し続けるだろう。

(1) カーソン・マッカラーズ、河野一郎訳『心は孤独な狩人』新潮社、1972年、pp147-148
(2) 不動美里「生成のプロセスの只中にあるもの」『オルタナティブ・パラダイス〜もうひとつの楽園』金沢21世紀美術館、2005年、pp.8-11。近年の工芸的造形論の展開については、村田大輔「ロン・ミュエック- 対話というかたち」(『ロン・ミュ エック』フォイル、2008年)、「反重力構造 ‒「歴史の歴史」というかたち」(『杉本博司 ‒ 歴史の歴史』新素材研究所、 2008年)、「“ニットカフェ・イン・マイルーム”というかたち」(『広瀬光治と西山美なコの“ニットカフェ・イン・マイルーム”』金沢21世紀美術館、2009年)、「What would Hiroshi Sugimoto Do? What would Museums do? Deified Artist and Museum Hiroshi Sugimoto’s“History of History”」(AAS-ISS Joint Conference,2011年、 https://www.asian-studies.org/Conference/index.htm)を参照されたい。

Inner Voices ー 内なる声

2011年7月30日(土) - 2011年11月6日(日)

世界の中に自分の居場所を見つけていく過程で作り上げられるアイデンティティを、人々はどのように引き受けていくのでしょうか。多様な表現を以て時代に向き合う現代美術の作家の中で、自己への縛りをはねのけて自分にとって可能な道を探し続けようという意欲は、女性の作家たちに強く見受けられます。なぜなら、既存の価値観や古い現実のパラダイムを脱し、もうひとつの現実を自ら作り出すことは、権威や通念から自由であろうとすることー自己決定の自由の獲得が、女性にとっては重要なことだからです。

本展は、経済成長とともにグローバル化の波を受けてきた1960年代以降に生まれた女性作家たちに注目し、生の困難さと可能性の両面を人間に見る、彼女たちのInner Voicesー内なる声に耳を傾けます。彼女たちは通説的に「女性的」であることを示すイメージや価値に対して、あるいは差異によって起きることへの誤解や無理解を、対立や抵抗ではないかたちで乗り越えようとしています。芸術表現において自由であることが、女性にとってのみならず、世界において同程度に普遍的で重要であることも彼女たちの実践=作品が示してくれることでしょう。

*シルパ・グプタ《I Keep Falling At You》は9月10日から公開します。

ピーター・マクドナルド: 訪問者

2011年4月16日(土) - 2012年3月20日(火)

「金沢若者夢チャレンジ・アートプログラム:美術館はメディエーター」

今年度の「金沢若者夢チャレンジ・アートプログラム」(*1)では初の試みとして海外のアーティストに着目。イギリス在住の若手アーティストで世界が注目するピーター・マクドナルドを招聘し、アート・プロジェクトを展開します。「描くこと」を通じて、人と関わり、ジャンル、ジェンダー、国境、日常と非日常、といった境界を軽やかに超えてゆくマクドナルドを核とし、メンバー(*2)が彼の活動に参画することによって、コミュニケーションの多様性と可能性を体験します。館内での絵画作品展示(長期インスタレーションルーム)と壁画インスタレーション制作(展示室13)に始まり、一年を通してこれらの空間を舞台に様々なプログラムを随時併催します。マクドナルドと若者たちが金沢の町や人と交流しながら、作家の絵画世界が町のなかに徐々に浸透し、絵画という根源的な表現言語を通じて、人と人、人と場がしなやかにつながることを目指します。

*1
スウェーデンのストックホルム近代美術館の「ゾーン・モデルナ」の方法論を導入し、平成19(2007)年に立ち上げた金沢21世紀美術館の独自のプログラム。18~39歳の若者を主要な対象とし、アーティスト・イン・レジデンス、ワーク・イン・プログレス、ワークショップを組み込んだ長期プロジェクト型の展覧会。プログラム参加者は、共同作業を通じて、自己像や世界像を再発見し成長していく。過去4回の国内での成果を踏まえ、平成23年度より当館の美術館活動のキー概念「美術館はメディエーター」を集大成するモデルケースとして本事業を展開する。

*2
メンバー:
壁画制作メンバー(活動期間:4/20〜6/5):9名
プロジェクト・メンバー(活動期間:6/5〜2012/3月末):12名

EVENTイベント

プロジェクト大山「キャッチ マイ ビーム」

2011年10月29日(土) - 2011年10月30日(日)

トヨタ コレオグラフィーアワード「次代を担う振付家賞」を受賞し、金沢で滞在制作を行った古家優里が、10月、再び自身のカンパニー「プロジェクト大山」を率いて金沢に舞い戻ります。東京初演、高知公演を経て、金沢で上演される最終バージョン。不思議でキュートでユーモラス!女子力満載なコンテンポラリーダンス。プロジェクト大山「キャッチ マイ ビーム」金沢公演をどうぞお見逃しなく!

つながる輪☆広がる楽しさ

まるびぃ de パーティ7

2011年10月8日(土) - 2011年10月11日(火)

まるびぃのお誕生日である10月9日を中心に開催される“まるびぃ de パーティ7”。開館7周年を記念する今回は、“つながる輪☆広がる楽しさ”をテーマに行います。

EDUCATIONAL PROGRAM教育普及プログラム

「ピーター・マクドナルド:訪問者」特別プログラム

「Home Disco」

2011年10月29日(土) - 2011年10月30日(日)

「Home Disco」は、「ピーター・マクドナルド:訪問者」のために結成された北陸DJのショーケース・プロジェクト。
・日時:10月29日(土)13:30〜 出演:Wakato / Takahiro.N / DannyHaze
・日時:10月30日(日)13:30〜 出演:今越宏明(Old Mellow Days) / Wataru Takano(House Grow)

「ピーター・マクドナルド:訪問者」特別プログラム

「Home Disco」

2011年10月22日(土) - 2011年10月23日(日)

「Home Disco」は、「ピーター・マクドナルド:訪問者」のために結成された北陸DJのショーケース・プロジェクト。
・日時:10月22日(土)13:30〜 出演: Shaft a.k.a. Mediate / Funky Lemonade
・日時:10月23日(日)13:30〜 出演:Bonzrum (Closer) / 堂井裕之(everyday records)

アートライブラリー・プログラム / 「ピーター・マクドナルド:訪問者 - ディスコ」とともに

絵本を読もう

2011年10月22日(土)

ピーター・マクドナルドの作品のなかで、手遊びと絵本の読み聞かせを行います。
読み手:鍛冶裕子

プログラム
1.かぞえうた「ひとつひとよりおおきいあたま」
2.わらべうた「ぼうずぼうず」「かたどんひじどん」「さんといちに」
3.絵本『やまのディスコ』スズキコージ 架空社

サイレント・エコー コレクション展II

学芸員レクチャー「山崎つる子の"連鎖する旋律"から"ライヴ・ペインティング"まで」

2011年10月22日(土)

現在開催中の「サイレント・エコー - コレクション展II」では、山崎つる子による作品を展示しています。10月17日、作家によるライブ・ペインティングによって《Work(10点)》はその姿を変えます。
本レクチャーは、2007年当館で開催した特別展示「連鎖する旋律」と今回の「サイレント・エコー」展を中心に、山崎つる子の作品世界の本質に迫ります。

「ピーター・マクドナルド:訪問者」特別プログラム

「Home Disco」

2011年10月15日(土) - 2011年10月16日(日)

「Home Disco」は、「ピーター・マクドナルド:訪問者」のために結成された北陸DJのショーケース・プロジェクト。
・日時:10月15日(土)13:30〜 出演:Waxx Mobb
・日時:10月16日(日)13:30〜 出演:ハンサム泥棒(Kyosho + Yastak)

Inner Voices ー 内なる声

ワークショップ「身体を使って織る」

2011年10月15日(土)

呉夏枝(OH Haji)は、黄麻(ジュート)を素材にとり、手を使って織る、編む、結ぶ、繋ぐなどの手法で作品にしています。展覧会「Inner Voices-内なる声」においては、展示室11前の空間に、形が違う4点の作品を発表していますが、いずれも歴史の中に埋もれていく個人の記憶と体験を今に留めようと、黄麻の織り目や結び目に託しているかのような作品です。今回は呉氏を講師に迎え、器具や機械を使わずに、自分の身体を使ってシンプルな紐を織るワークショップを行います。想いを込めてひとつひとつの織り目をつなげながら、流れていく時間を呉氏と分かち合う機会とします。

「ピーター・マクドナルド:訪問者」特別プログラム

「Home Disco」

2011年10月8日(土) - 2011年10月9日(日)

「Home Disco」は、「ピーター・マクドナルド:訪問者」のために結成された北陸DJのショーケース・プロジェクト。
・日時:10月8日(土)13:30〜 出演:テクノクラート(tanaka scat + maeda shintaro)
・日時:10月9日(日)13:30〜 出演:モカ / ボブ

Inner Voices ー 内なる声

対談:藤原由葵 × 山下裕二

2011年10月8日(土)

藤原由葵の絵画に登場する被写体は確かな技術でリアルに描写されながら、しかし全体ではありえない組み合わせです。いわゆるシュルレアリズムが言うところの「異境の地に連れていかれたような」といった感覚に導く不思議な魅力があります。絵画というイリュージョンを創り出す装置を得て人間の「生と性」をテーマに幻想と現実の間を行き来する作品に込められたメッセージとは何か。作家自身の内に込められた声を、歴史家の視点を交えて再考察する機会とします。

アートライブラリー・プログラム / 「Inner Voices - 内なる声」とともに

絵本を読もう

2011年10月7日(金)

絵本の読み聞かせのあと、キュレーターによるミニトークがあります。
読み手:鍛冶裕子 キュレーター:黒澤浩美

・『わたし』谷川俊太郎文 長新太絵 福音館書店
・『かきねのむこうはアフリカ』バルト・ムイヤールト文 アンナ・ヘグルンド絵 佐伯愛子訳 ほるぷ出版

キッズスタジオ・プログラム

「ハンズオン・まるびぃ!」プレイルーム

毎週土日祝一部除く

子どもも大人もいっしょに楽しめるスペースです。
いろいろな造形遊びで、工夫と発見を楽しもう!

COMMUNITY EXHIBITION一般主催展覧会

条件に該当する催しがありません。

COMMUNITY EVENT一般主催イベント

条件に該当する催しがありません。