Inner Voices ー 内なる声

2011年7月30日(土) - 2011年11月6日(日)

世界の中に自分の居場所を見つけていく過程で作り上げられるアイデンティティを、人々はどのように引き受けていくのでしょうか。多様な表現を以て時代に向き合う現代美術の作家の中で、自己への縛りをはねのけて自分にとって可能な道を探し続けようという意欲は、女性の作家たちに強く見受けられます。なぜなら、既存の価値観や古い現実のパラダイムを脱し、もうひとつの現実を自ら作り出すことは、権威や通念から自由であろうとすることー自己決定の自由の獲得が、女性にとっては重要なことだからです。

本展は、経済成長とともにグローバル化の波を受けてきた1960年代以降に生まれた女性作家たちに注目し、生の困難さと可能性の両面を人間に見る、彼女たちのInner Voicesー内なる声に耳を傾けます。彼女たちは通説的に「女性的」であることを示すイメージや価値に対して、あるいは差異によって起きることへの誤解や無理解を、対立や抵抗ではないかたちで乗り越えようとしています。芸術表現において自由であることが、女性にとってのみならず、世界において同程度に普遍的で重要であることも彼女たちの実践=作品が示してくれることでしょう。

*シルパ・グプタ《I Keep Falling At You》は9月10日から公開します。

art-ZINE:冊子型アート・コミュニケーション

2011年6月11日(土) - 2011年9月25日(日)

「ZINE(ジン)」とは、表現したい人がコピーやプリンター等で少部数作り、販売/交換する冊子のことを指します。本展ではアート表現として制作されたZINEを「art-ZINE(アートジン)」と呼び、アートにおける新たな表現の場として着目します。ZINEは本来、複数部発行されるもので、一品制作のアート作品とは異なり、「アート・ブック」とも区別されます。既存の書籍流通システムを通さず、独自の流通で作り手と読み手をつなぐZINEは、新たなコミュニケーションをもたらすアート表現としての可能性が期待されます。

会期中、公募により集まったart-ZINEも会場内の書棚に並んでいきます。集まった一冊一冊から、みなさんと一緒に「art-ZINEとは何か」について考えていきたいと思っています。

イェッペ・ハイン 360°

2011年4月29日(金) - 2011年8月31日(水)

デンマークの若手作家、イェッペ・ハインの、美術館における日本で初めての個展。7つの展示室と廊下を舞台に、観客との関係を生み出すユーモアあふれるインスタレーション作品など10点を展示します。タイトルの「360°」には、全方位に開かれた金沢21世紀美術館の建物にちなみ、見る人との関わりを大切にしたいという思いと、鏡や光を使った回転する作品などによって、空間がぐらつくような体験を引き起こしたいという思いが込められています。空間と戯れる、参加体験型の展覧会です。

サイレント・エコー コレクション展 I

2011年4月29日(金) - 2011年7月18日(月)

「どうしたというのだろう?音楽はためらうように、うねりながらはじまった。散策か行進のように。夜の世界を歩む神のように。ミックの外の世界はにわかに凍りつき、音楽のあのすべり出しの部分だけが、胸の中で赤く燃えていた。そのあとの音楽は耳にもはいらず、彼女はただ拳を固く握りしめ、凍りついたようにすわったまま待ち受けていた。しばらくすると、音楽はふたたびはげしく、声高にうたいだした。もはや神とは何の関係もなかった。これこそミックであり、昼日中を歩むミック、夜をただひとり歩くミック・ケリーだった。・・・この音楽は彼女であり、ほんとうの、ありのままのミック自身であった。」(カーソン・マッカラーズ、河野一郎訳『心は孤独な狩人』新潮社、1972年、pp147-148)

1973 年にルクセンブルグ生まれたツエ・スーメイは、音楽をモチーフとする作品世界で注目されています。カーソン・マッカラーズの小説「心は孤独な狩人」で語られる音楽観、人と音楽の世界と深く共鳴し合うスーメイの代表的な作品を招き入れ、2011年度のコレクション展では、未だ語られたことのない当館コレクションの潜在的世界を展観します。身体、音、技術の融合や連鎖的なつながりの中で生み出される世界こそが音楽であり、かたちが造形芸術である所以も同様に自己、技術、対象の完全な融合によって作り出される世界であるという観点において、コレクション作品の新たな様相を浮き彫りにします。

ピーター・マクドナルド: 訪問者

2011年4月16日(土) - 2012年3月20日(火)

「金沢若者夢チャレンジ・アートプログラム:美術館はメディエーター」

今年度の「金沢若者夢チャレンジ・アートプログラム」(*1)では初の試みとして海外のアーティストに着目。イギリス在住の若手アーティストで世界が注目するピーター・マクドナルドを招聘し、アート・プロジェクトを展開します。「描くこと」を通じて、人と関わり、ジャンル、ジェンダー、国境、日常と非日常、といった境界を軽やかに超えてゆくマクドナルドを核とし、メンバー(*2)が彼の活動に参画することによって、コミュニケーションの多様性と可能性を体験します。館内での絵画作品展示(長期インスタレーションルーム)と壁画インスタレーション制作(展示室13)に始まり、一年を通してこれらの空間を舞台に様々なプログラムを随時併催します。マクドナルドと若者たちが金沢の町や人と交流しながら、作家の絵画世界が町のなかに徐々に浸透し、絵画という根源的な表現言語を通じて、人と人、人と場がしなやかにつながることを目指します。

*1
スウェーデンのストックホルム近代美術館の「ゾーン・モデルナ」の方法論を導入し、平成19(2007)年に立ち上げた金沢21世紀美術館の独自のプログラム。18~39歳の若者を主要な対象とし、アーティスト・イン・レジデンス、ワーク・イン・プログレス、ワークショップを組み込んだ長期プロジェクト型の展覧会。プログラム参加者は、共同作業を通じて、自己像や世界像を再発見し成長していく。過去4回の国内での成果を踏まえ、平成23年度より当館の美術館活動のキー概念「美術館はメディエーター」を集大成するモデルケースとして本事業を展開する。

*2
メンバー:
壁画制作メンバー(活動期間:4/20〜6/5):9名
プロジェクト・メンバー(活動期間:6/5〜2012/3月末):12名

EVENTイベント

映画の極意 vol.11 ケベック映画祭2011〜親子で出かけよう!

2011年7月23日(土) - 2011年7月31日(日)

フランス語を公用語とするケベック州は、独自の文化・芸術、エンターテイメントを育んできました。映画もその一つであり、州を代表する都市モントリオールでは、国際的に有名な「モントリオール世界映画祭」が開催されるなど“映画のまち”でもあります。
ケベック映画には、社会の現実を丁寧に描き、心に深く刻まれる作品が数多く存在し、ハリウッドやフランス映画とはまたひと味違う魅力があります。 今だからこそ、もう一度みんなで見たいフレデリック・バックの不朽の名作『木を植えた男』をはじめ、子どもから大人まで楽しめるファンタジー作品やアニメーション作品など、この夏休みは親子でケベック映画を楽しんでみてはいかがでしょうか。心に豊かな色彩を刻む、多彩なケベック映画をどうぞお楽しみください!

EDUCATIONAL PROGRAM教育普及プログラム

art-ZINE:冊子型アート・コミュニケーション

ワークショップ 「ZINEを作ろう」

2011年7月24日(日)

福井のオルタナティブスペースFLATを基点にZINEのワークショップを展開する製本、印刷のプロが本展にあわせてワークショップを開催。art-ZINEを作ってみたいけれど、どうやって冊子にしたらいいかわからないという方、おもしろい冊子の作り方を知りたいという方、ぜひご参加ください。コンテンツは自由。紙や大きいホッチキス、糸など基本のart-ZINE作りに必要なものを用意しておきます。気軽に、初めてのart-ZINE作りにチャレンジしてみましょう。
講師:宮永英治、内原誉志正(藤田製本印刷株式会社)、内田裕規、杉本ふみ(株式会社ヒュージ)
2011年8月20日(土)にも同じ内容のワークショップを実施します。
詳しくはこちら

講演会:デジタル画像で可視化する日本近世絵画の「サイレント・エコー」

2011年7月17日(日)

なぜ、優れた美術品は時空を越えて、鑑賞者の心を惹きつけ、揺さぶるのだろう?そこには、どのようなエネルギーが隠されているのか?作品から観念を剥奪し、素材のみに依存する物質に戻したとき、美術品としての意味もしくは価値は減少・喪失されるだろうか?
本レクチャーでは、実験的に17・18世紀の日本近世絵画をデジタル画像化し、細部に焦点を当てて拡大する。そうすることによって、画題やイコノグラフィーを奪い取られた作品は、代償として、金箔の上で光を放つ岩絵具の粒子の姿を現す。そのとき、作品は、まるで数百年の間守ってきた沈黙を破り、秘められた旋律を奏で出すように感知されるのだ。それは、明らかに作者の意図するところではない。鑑賞者の感動を引き起こす美しさは、宇宙の意図に他ならない。ナオミ・スカーの「部分言説」とビル・ブラウンの「感覚理論」を踏襲し、日本近世絵画における、工芸的素材の美しさに反応する人間の感覚を読み解きたい。

「イェッペ・ハイン 360°」担当キュレーターによる作品解説

2011年7月16日(土)

展覧会担当キュレーターが、イェッペ・ハインからのビデオメッセージや今回展示していないハインの作品の映像や写真も交えながら解説いたします。

キッズスタジオ・プログラム

子どもギャラリーツアー「ひびきを感じよう 伝えよう」

2011年7月10日(日)

目や耳をじっとすませてみよう。
そこは何がある?
どんなことがおきている世界かな?

アートライブラリー・プログラム / 展覧会「イェッペ・ハイン 360° 」とともに

絵本を読もう

2011年7月9日(土)

絵本『こんにちは わたし』『あけるな』を読んだあと、キュレーターといっしょに展示作品を見に行きましょう。
読み手:鍛冶裕子
『こんにちは わたし』小長谷清実ぶん 堀川理万子え 福音館書店(品切重版未定)
『あけるな』谷川俊太郎作 安野光雅絵 銀河社

キッズスタジオ・プログラム

「ハンズオン・まるびぃ!」プレイルーム

毎週土日一部除く

子どもも大人もいっしょに楽しめるスペースです。
いろいろな造形遊びで、工夫と発見を楽しもう!

COMMUNITY EXHIBITION一般主催展覧会

条件に該当する催しがありません。

COMMUNITY EVENT一般主催イベント

条件に該当する催しがありません。