コレクション展 アジアの風景 / 粟津潔、マクリヒロゲル5

2018年11月3日(土) - 2019年5月6日(月)

アジアからあふれ出る様々な表現は、土地の歴史や文化と密接に結び付きながら、伝統と急速なグローバル化の間での模索や試行が続いています。ポスト工業化や技術革新の波にもまれながら、「人間はどこに向かって行くのか」という普遍的な問いを投げ掛ける作品を中心にご紹介します。
会期前半はス・ドホ《家の中の家ー 1/11スケールー原型》を展示します。 これは彼がアメリカに留学して初めて暮らした縮尺1/11の洋風建築の中に、 よく見ると、幼少期に韓国で過ごした間取りが埋め込まれています。ザイ・クーニンは、マレー族がイスラム化する前の文化の様相を明らかにしようと、初代のマレー王ダプンタ・ヒャン・ジャヤネサに関する研究と創作実践から成るプロジェクトの集大成を発表します。宇治野宗輝《プライウッド新地》のサウンド・スカルプチャーは、レトロな雰囲気を色濃く残した日常品の「都市」が出現します。ここ近年、2020 年のオリンピック・イヤーに向けて、昭和の高度経済が成長した時代のような熱気を帯びて日本全体が熱病に冒されているようです。宇治野の作った動く都市は、ユーモラスな動きとともに物質文明に激しく問い掛けているように感じられます。照屋勇賢の《遥か遠くからの未来より》では、沖縄出身で現在ニューヨークを拠点にしている照屋が伝統的な琉球着に、ジュゴンや軍事用ドローン、沖縄の110人以上の人々のモチーフを染めあげた作品を提示します。ジュン・グエン=ハツシバは、政治や社会の大きなうねりの中で犠牲となった、名もない人々の姿を美しい映像で表現しています。2001年から発表している難民や少数派の映像作品から10 年後、2011年に東北の被災された方々に捧げる近作も紹介します。
「アジアの風景」と題して、アジア地域から世界を見続け、変成する現代社会を照射する作品をセレクトし展観します。

粟津潔、マクリヒロゲル5 粟津潔のブック・イラストレーション
粟津潔の調査展示を行う「マクリヒロゲル」シリーズの最終回として、粟津潔の本の挿絵、特に子どもに向けたイラストレーションの世界をご紹介いたします。粟津作品は大人を対象にしたものがほとんどですが、数は多くないものの絵本や童話などの挿絵も手掛けています。子どもだろうとこびない大胆な構図と色彩で描かれ、ペン画では線描の繊細さ、配色の妙が際立っています。初期作品の平野威馬雄著『レミは生きている』(1958 年)の挿画は、ベン・シャーンの影響が見てとれますが、「あいのこ」としての生き方に苦しむ主人公の表情が幾多にも表現される秀作です。また、吉増剛造著『さわる』(1983 年)は、ふわふわと水の中を漂っているような不思議な感覚の本ですが、印刷とは異なる原画の白地に描かれた美しい水彩画の色彩に驚かされます。原画にはおそらく粟津自身と思われる印刷の指示も書き込まれており、手描きの原画から印刷へと展開する際の思い切りのよさも見られます。粟津潔の子どもたちへの柔らかなまなざし、また「印刷」を存分に楽しむ粟津ならではのスタイルも感じていただける展覧会です。

アペルト10

横山奈美 LOVEと私のメモリーズ

2019年4月6日(土) - 2019年6月30日(日)

横山奈美(1986- )は、日々の生活の中で消耗されていくもの、廃棄されていくものをモチーフに絵画を制作しています。通常見向きもされない捨てられる運命をもった、いわば主役にならないものを主役にすることで、そのものに本来備わる意味や用途から離れ、これまでとは異なる見え方、横山によれば「そのものが持つ根源的な存在感や美しさ」を提示します。

本展は、近年、横山が精力的に取り組んでいる「愛とは何か」「美とは何か」というテーマと向き合った作品群で構成されています。愛をテーマに造形されたネオン管を絵画に描いたネオンシリーズは、ネオン管の主役ともいえる美しい光の部分と、裏側で見えないよう隠される器具や配線の部分とを同等に描き出すことで、理想や憧れとともに誤魔化せない、見られたくない部分をも顕在化させます。また、本展タイトルにも使われた木炭ドローイングのシリーズ作品《LOVEと私のメモリーズ》は、少女とラブという名の犬との思い出をつづった場面が描かれています。人間好みにどんどん品種改良が進む犬が短命であるというニュースをきっかけに、愛犬へと向けられた「愛(LOVE)」について考察します。

横山は、ちまたに流布し、あまりに軽々しく多用される「LOVE」という言葉への疑問や違和感、あるいは複雑で深刻な感情を作品に落とし込むことで、私たちの日常にありふれる「LOVE」という言葉の意味を問いかけ続けています。本展では約30点の油彩画とドローイングにより、横山の問いかける「LOVE」を通して、物事の本質について探求する機会となるでしょう。

佐藤浩一 第三風景

2019年4月6日(土) - 2019年9月23日(月)

この度金沢21世紀美術館は、今日でもなお視覚中心的な作品が多数を占める中、視覚のみならず、非視覚的な感覚、聴覚・嗅覚をも揺さぶる新たな表現を取り上げ、美術館活動の次なる可能性を探求する展覧会を開催します。こうした特徴的な表現を、これまでlab.シリーズなど数々の実験的な取り組みを紹介してきたデザインギャラリーで取り上げます。
佐藤浩一(1990-)は、人類学や植物学への関心から、これまで様々な境界線上を曖昧に揺れ動く存在の可能性を考察してきました。「わたし」と「わたしならざるもの」の合間にある、見えないけれど確実にあるその境界を問い、これらの存在がその間で揺れ動きながら共生するこれからを、映像やインスタレーションのみならず、音や香りといった非視覚的なメディウムをも複合的に組み合わせながら表出しています。
本展のタイトル「第三風景」は、風景の進化を自然のみに委ねた空間を指し示すフランスを代表する庭師ジル・クレマンが提唱した概念で、都市の空き地や農村の放棄地・国境地帯など、人間が顧みない、あるいは抑圧している場所を、あえて生物多様性を受け入れられる特権的な場として積極的に評価した言葉です。様々な要素が複雑に混在し得る第三風景は、これからの私たちの社会における、人と植物の関係性の在り方に示唆を与えるものであるといえるかもしれません。本展はこの象徴的な言葉を起点に、イチジクの生殖をテーマとした「Mutant Variations」、人工湖をテーマとした新作を含めて、佐藤浩一の現在地を俯瞰します。

大岩オスカール 光をめざす旅

2019年4月27日(土) - 2019年8月25日(日)

大岩オスカールは、光あふれる鮮やかな色彩とダイナミックな空間構成によって、ときに批評やユーモアを交えながら現代社会を生き生きと描き出してきました。1965年にブラジルのサンパウロで日本人の両親のもとに生まれ、東京、ニューヨークと移動しながら制作を続ける大岩の作品には、一人の生活者としての視点と、どこか客観的な俯瞰の視点が共存しています。自らの暮らす都市や社会、環境問題をテーマに、写真や印刷物、インターネット上のイメージを自在に組み合わせることで、現実と虚構、人工物と自然、光と影のあいだで揺らめく独特の世界観を生み出しているのです。本展覧会では、近作を中心とした60点あまりの作品と、金沢21世紀美術館の27メートルの壁面に描かれるドローイングを通して、大岩のヴィジョンに迫ります。また、ゲストアーティストとして作曲家のチャド・キャノンを招き、画家の作品からインスピレーションを得て生み出された壮大な交響曲と絵画の融合を試みます。大岩が世界を旅しながら絵画の中に追い求めてきた「光」は、今を生きることの複雑さの先にある希望を思い起こさせてくれるでしょう。

特別展示

名和晃平 Foam

2019年4月27日(土) - 2019年8月25日(日)

名和晃平は本展において、泡と光のインスタレーション作品「Foam」を展示します。次々と終わりなく湧き出る小さな泡(セル)が次第に寄り集まり、泡の集合体(フォーム)として有機的な構造を自律的に形成してゆく様子を表現します。生成と消滅というシンプルなプロセスを繰り返す個々の泡(セル)は、代謝や循環を支える細胞の本質的な振る舞いと類似しており、観る者に生命の根源を連想させます。

粟津潔 デザインになにができるか

2019年5月18日(土) - 2019年9月23日(月)

「デザインになにができるか」を問い続け、行動したデザイナー粟津潔。成熟していく日本のデザイン界のなかで、揺るぎない民衆としての視点を持ち続けた粟津は、原水爆禁止のアピールや韓国民衆運動を支援するポスターなど、社会的なデザインにこだわり続けました。大阪万博のデザインやメタボリズムの建築運動への参加、映像やパフォーマンスなど幅広い活動への一貫した態度も見えてきます。粟津潔の仕事を通してデザインの可能性を問い、そして今、私たちはなにができるのか考えます。

《FALLOUT》1957年

EVENTイベント

広場イベント

まるびぃ ARTS PARK

ようこそ!こどもシアター

2019年4月30日(火) - 2019年5月5日(日)

ゴールデンウィークはまるびぃでふしぎ体験!人形劇、パフォーマンス、演劇、映像を通して日常とは違う、多様な表現を鑑賞・体験しながら「ふしぎなせかい」へと誘います。 幼児から大人まで、あなたもわたしも記憶に刻む6日間!

「妖怪ショー!!」
Photo: HANDSAM

EDUCATIONAL PROGRAM教育普及プログラム

キッズスタジオ・プログラム

ハンズオン・まるびぃ!プレイルーム

土日祝 ※3月23日(土)、24日(日)は休場

3月の「ハンズオン・まるびぃ」はプレイルーム。子どもも大人もいっしょに楽しめるスペースです。いろいろな造形遊びで、工夫と発見を楽しもう!(内容は日によって変わります)

★遊びの素材募集中
ご不用の包装紙、紙袋、和紙など工作の素材をキッズスタジオで集めています。包装紙、紙袋、紙の梱包材(詰め物や卵パック等)、ほか変わった紙製品などボタン、ビンのふた、ビーズ、ほか家の中で集まったキッチンや文具の小物など
※汚れていないものでお願いします。

COMMUNITY EXHIBITION一般主催展覧会

市民ギャラリー

一般主催展覧会

第75回現代美術展

2019年3月29日(金) - 2019年4月15日(月)

期間:
2019年3月29日(金) - 2019年4月15日(月)
9:30~18:00会期中無休
会場:
金沢21世紀美術館
市民ギャラリーA・B、展示室7~11、13、14
料金:
一般:1,000円(前売:900円)
高大生:600円(前売:500円)
小中生:500円(前売:400円)
※団体(20人以上)は前売料金の各100円引き
主催:
一般財団法人石川県美術文化協会、北國新聞社、北陸放送、テレビ金沢、石川県、金沢市、石川県教育委員会、金沢市教育委員会、一般財団法人石川県芸術文化協会
後援:
白山市、小松市、加賀市、野々市市、七尾市、能美市、かほく市、輪島市、羽咋市、珠洲市、津幡町、内灘町、金沢商工会議所、金沢中央ライオンズクラブ、北國新聞文化センター、NHK金沢放送局、エフエム石川、ラジオかなざわ、ラジオこまつ、ラジオななお、金沢ケーブルテレビネット
お問い合わせ:
一般財団法人石川県美術文化協会
金沢市南町2番1号 北國新聞社事業局内
TEL 076-260-3581
FAX 076-260-3426

COMMUNITY EVENT一般主催イベント

シアター21

一般主催イベント

アプリコットコンサート

2019年3月30日(土)

ピアノ教室に通う生徒たちが自分の好きな曲を一生けん命練習した成果を発表します。
ゲストにはチェリストの伊田直樹氏を迎え素敵な演奏をして頂きます。

期間:
2019年3月30日(土)
会場:
金沢21世紀美術館 シアター21
13:30~16:00(開場13:00)
料金:
無料
主催:
松本かすみピアノ教室
後援等:
北國新聞社
お問い合わせ:
松本かすみピアノ教室
TEL 076-221-2264
FAX 076-221-2264

一般主催イベント

書籍「い〜じ〜大波小波」の出版記念トークショー

2019年4月12日(金)

朗読や制作秘話、樹木希林さんとのエピソード、能登の映画のお話などなど
終了後サイン会を行います

朗読 乃波木、松岡 理恵(ラジオパーソナリティ)
踊り LAVIT(ダンサー)
演奏 徳力 清香(ピアニスト)
ゲスト 白羽 弥仁(映画監督)

自分の小説を自分が朗読するという、これほどダイレクトで恥ずかしい朗読劇もないと思います。でも、素晴らしい仲間たちにお力を借りて、物語に息を吹き込んで膨らませてお届けします。どうかこの機会をご一緒できますよう、心よりお待ちしております!
書籍「い〜じ〜大波小波」は3月末日刊行、ロクリン社刊

限りなく自由な母親と12歳の私の能登移住物語「大波小波」出版を記念して朗読劇と対談。朗読劇と特別対談の2部構成。朗読は筆者とラジオパーソナリティ画家の松岡理恵
ピアノ演奏 徳力清香
特別対談では筆者と舞台となった能登にまつわるスペシャルゲストをむかえての今夜限りの能登談話をくり広げます。信じられないけど笑ってしまう不思議な実話の世界へ。

期間:
2019年4月12日(金)
会場:
金沢21世紀美術館 シアター21
18:30〜20:00(開場18:00)
料金:
書籍「い〜じ〜大波小波」付きチケットです!
*本を持参された方は1000円割引致します
●一般 前売り:3000円、当日3500円
●高校生以下:2000円
●小学生以下:無料(保護者同伴でお願いします)
全席自由 要予約 当日精算になります
※お申し込みフォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdoPE37lUr2BvvssHTLncTQPAeAg6YE1rMyB7vyIum8AEuP9A/viewform
主催:
アトリエ乃波木
後援等:
北國新聞社、ラジオかなざわ、ラジオななお、ラジオこまつ
お問い合わせ:
ご予約・お問い合わせは oh73ko73noto@gmail.com
または申し込みフォームよりお願い致します。