起点としての80年代

2018年7月7日(土) - 2018年10月21日(日)

1970年代のコンセプチュアルでストイックな表現に対する反動から、80年代の日本では絵画や彫刻の復権が唱えられ、好調な経済状況を背景として、色彩豊かで伸び伸びとした筆遣いの「ニュー・ペインティング」などが広まりました。しかし、90年以降の美術は、むしろ「おたく」など80年代のサブカルチャーに影響を受けた表現が主流となります。そのため、それ以降、80年代の美術は参照されることが少なくなってしまいました。近年、「具体」や「もの派」など1970年代までの戦後日本美術に関する研究が国内外で急速に進んでいます。今こそ、70年代と90年代のはざまにある80年代の日本美術について深く見つめる時期に来ていると言えます。約30年を経た今日から振り返ると、80年代は、今日の美術において重要なインスタレーションという形式、作品制作への参加や社会との関係への意識、オルタナティブ・スペース、 メディア・アート、「美術」という制度を相対化する視点、日常性や軽やかさを大切にする感性などが新たに生まれた、充実した時代であったことがわかります。本展では今日の視点から80年代の日本の美術を見詰め直し、「起点」となる作品を紹介します。

アイ・チョー・クリスティン 霊性と寓意

2018年4月28日(土) - 2018年8月19日(日)

アイ・チョー・クリスティン(Ay Tjoe Christine, 1973-)はインドネシアの西ジャワ州バンドン出身の、インドネシアで活躍している現代アーティストです。彼女はドライポイントなどの凹版印刷の技術を習得した後、テキスタイルデザイナーとしてキャリアを積み、2000年頃からアーティストとしての活動を本格的にスタートさせました。
キリスト教の説話や精神的主題に基づいて表現を行うアイ・チョーの作品は、人間の不完全性や二面性についての深い洞察に裏付けられています。とりわけ絵画における飛び散るような色彩の断片は自身の揺れ動く感情の在りようを示す一方、カンヴァスの余白との魅力的な調和をみせる抽象化されたイメージには、万物と人間との関係性を探求するアイ・チョーの真摯な姿勢が現れているようです。
アイ・チョーの日本の美術館での初個展となる本展は、活動初期のドライポイントやドローイング、具象から抽象の間で表現の可能性を探求してきた油彩画群、ソフトスカルプチャーや大規模なインスタレーション、さらに本展のために制作された新作の大型絵画など、約50点の作品を通して、およそ20年にわたる多角的な創作活動の成果をご紹介いたします。

《私たちが過大評価されているのは、あなたたちが私たちのことを全く理解していないから 01(細部)》 2015
油彩、カンヴァス / 170x300
個人蔵
© Ay Tjoe Christine, courtesy of Ota Fine Arts

lab.3

DeathLAB:死を民主化せよ

2018年7月7日(土) - 2019年3月24日(日)

都市における「死」をめぐるさまざまな問題―人口集中とそれに伴う深刻な墓地不足、少子高齢化、無宗教を支持する人の増加、火葬の二酸化炭素排出による環境負荷など―を考えれば、これまでにない葬送の方法を発明しなくてはならないことは当たり前の話かもしれません。
コロンビア大学の「デスラボ」は、このような課題に正面から向き合い、環境、時間、空間といった街の多種多様な制約に対応できる「死」の未来を、宗教学や建築学、地球環境工学、生物学などを横断して探求する最先端の「死の研究所」として世界的に注目されています。
この展覧会では、デスラボを主催するコロンビア大学准教授のカーラ・ロススタインとともに、「郊外へ疎外される『死』をいかに街に生きた形で取り戻すのか」「現代の都市文化に見合う『生と死の循環』とは何か」「個人が死者を追悼する空間でありながら、都市のインフラストラクチャーにもなるような公共空間はどのように実現できるのか」といった問いに対する革新的な可能性を建築模型や映像資料を通してご紹介します。

アペルト08

七搦綾乃

2018年4月28日(土) - 2018年9月24日(月)

七搦綾乃(1987-)は山や森などの雄大な自然や、虹や霧などのはかなく消えていく自然現象をテーマとし、そこに独自の解釈や見立てを交えて木彫作品にします。本展で出品される、「rainbows edge」のシリーズでは、乾燥させたバナナの柄など、干からびた植物の形態と、布をかぶった自身の姿を合体させています。乾燥してよじれた植物のパーツと滑らかに仕上げられた布(身体)の部分が合体した様子は、若さと老いが同居しているような、もしくは布の中に奇妙な生物が隠れているような不穏な印象を与える一方で、仏像や神像のような静ひつさや、見てはいけないものを見てしまったような畏怖をも感じさせます。
みずみずしい生物が、年老い、枯れて、乾燥し、ゆっくりと形を変えていく、その変化の中に美しさを見いだす七搦の視線は、それらを忌避しがちな現代社会に生きる我々の価値観を大きく揺さぶることでしょう。

東アジア文化都市2018金沢

変容する家

2018年9月15日(土) - 2018年11月4日(日)

日本、中国、韓国の現代美術作家が「家」をテーマに作品を発表
我々の生きる現代では「家」は一つの社会システムとして構造化されています。建築的・物理的な 「家」は一般化しやすいのですが、表面化しない感情 、慣習や文化全般に融解している「家 」は 、多角的に考察されなければ、その意味を捉えることは困難です。とりわけ、グローバル化によって移動が常態化した今日において、人々の「家」はどこにでも、いくつもあるのか、 あるいはどこにもないのか。この問いを起点に、金沢の街なかに存在する使われていない日常空間を探し出し、日本、中国、 韓国の現代美術作家が「家」をテーマに作品を発表します。

Han Seok Hyun 《Super-Natural》 2011/2016
Courtesy of the artist

東アジア文化都市2018金沢 コア事業連携企画

チウ・ジージエ 書くことに生きる

2018年9月8日(土) - 2019年3月3日(日)

書くことに生きる

チウ・ジージエは、幼少から学んだ「書」を表現の中心に置いて、書くことを通じて、普遍的で根源的な人間の存在について問い直してきました。生誕の地である福建省は、かつて海上貿易が盛んだったこともあり、交易や移住による交流が豊かな地域です。彼のダイナミックで自由な視点を持った作品群は、そうした土地の文化にも大きな影響を受けたと考えられます。本展では、世界の有り様を俯瞰し、人と物事の関係を記述することに自身の存在を重ねる、チウ・ジージエの創造とその魅力に迫ります。

《暗がりの伝道者》 2008
© QIU Zhijie

EVENTイベント

映画 / 映像

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カナザワ映画祭2018 「期待の新人監督」

2018年7月14日(土) - 2018年7月16日(月)

自主映画コンペティション。これまでに内藤瑛亮(『ミスミソウ』)、二宮健(『リミット・オブ・スリーピング ビューティ』)、小林勇貴(『全員死刑』)などの新人監督を発掘してきました。

パフォーマンス

&21

LIRY Project 01 in KANAZAWA 4 x Personne

2018年7月20日(金) - 2018年7月21日(土)

国内外のアーティスト達によって個々の創作コンセプトを共有し、様々な視点から解釈する事でコンセプトの可能性を広げるクリエイティブで実験的な場として作られたプロジェクト。この活動は、公演・展示・講義・ディスカッション・ワークショップなど多岐に渡ることで、特定の様式に縛られない横断的な表現を可能としている。第一回となる今回は、石川県に縁のあるアーティスト5名によるパフォーマンス、展示、ワークショップ、レクチャーを開催する。

映画 / 映像

&21

iaku 『人の気も知らないで』

2018年7月28日(土)、29日(日)

春の日曜日の午後。桜は散った。彼女たちは交通事故で入院中の同僚のお見舞い帰りにカフェでお茶をしている。今日は寿退社する別の同僚の結婚式の余興の打ち合わせをしなければいけないのだけど気分じゃない。入院中の彼女の治療痕があまりにもショッキングだったから。「目に見える身体の一部欠損」を負った彼女をどのようにサポートしていくか。それぞれの事情や思いに“繋がれた”ところから激しい議論が交わされる…。
様々なところで様々な団体に戯曲をつかってもらい、全部あわせたら100ステージ近く上演されているiakuの代表作のひとつ。その観察眼、描写力で「婦人科劇作家」の異名をとった。
第1回せんだい短編戯曲賞受賞作。

パフォーマンス

伊藤郁女 『Je danse parce que je me méfie des mots / 私は言葉を信じないので踊る』

2018年8月4日(土)、5日(日)

フィリップ・ドゥクフレをはじめ、アンジュラン・プレルジョカージュ、ジェイムズ・ティエレ、シディ・ラルビ・シェルカウイ、アラン・プラテル等、世界の名だたる振付家たちにその才能を認められ、ヨーロッパのダンスシーンのなかで意欲的な活動を展開するダンサー・振付家 伊藤郁女。本作は、これまで40都市以上で上演された、娘である伊藤郁女が彫刻家の父親とのユニークな関係を綴った話題作。言葉を信じないと言う父娘が、舞台上のダンスと言葉の交差点で再び出会い、生真面目かつユーモラスに家族の肖像を描く。

Photo: Gregory Batardon

パフォーマンス

アクラム・カーン カンパニー『Chotto Desh / チョット・デッシュ』

2018年8月17日(金)、18日(土)

子どもから大人まで楽しめるダンス作品!バングラデシュとイギリスの二つの文化を背景に持つ少年が、ダンサ ーになることを夢見て旅をする物語。Chotto Deshはベンガル語で「小さな祖国」を意味します。音楽、 照明、アニメーションが融け合い幻想的な世界を描き出す、子どもから大人まで楽しめるダンス作品です 。

Photo: Richard Haughton

EDUCATIONAL PROGRAM教育普及プログラム

「キッズスタジオ・プログラム」とともに

絵本を読もう

2018年7月21日(土)

絵本を読んだ後、「アイ・チョー・クリスティン」展に関連した作品制作を行います。

読み手:木貞友里(ライブラリアン)
作品づくり案内:木村健(エデュケーター)

キッズスタジオ・プログラム

ハンズオン・まるびぃ!プレイルーム

毎週土・日

7月の「ハンズオン・まるびぃ」はプレイルーム。子どもも大人もいっしょに楽しめるスペースです。いろいろな造形遊びで、工夫と発見を楽しもう!(内容は日によって変わります)

★遊びの素材募集中
ご不用の包装紙、紙袋、和紙など工作の素材をキッズスタジオで集めています。包装紙、紙袋、紙の梱包材(詰め物や卵パック等)、ほか変わった紙製品などボタン、ビンのふた、ビーズ、ほか家の中で集まったキッチンや文具の小物など
※汚れていないものでお願いします。

ボランティア講座「新しい自分と仲間をみつける10のレッスン」

塩瀬隆之 美術館で「触れるように見る」 ワークショップ

2018年8月25日(土)

子どもの好奇心を引き出す学びのワークショップを全国で100回以上開催してきた京都大学の塩瀬隆之准教授とともに、「見ているつもり」「知っているつもり」でいた感覚をもう一度見つめなおし、時代を越え、言葉を超えて「見ること」の本質を考えます。

COMMUNITY EXHIBITION一般主催展覧会

市民ギャラリー

一般主催展覧会

平成30年度 石川の書展

2018年7月14日(土) - 2018年7月20日(金)

期間:
2018年7月14日(土) - 2018年7月20日(金)
9:30~18:00
会場:
金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA(1階)
市民ギャラリーB同時開催
料金:
500円
主催:
石川県書美術連盟、北國新聞社
お問い合わせ:
石川県書美術連盟事務局
(北國新聞社事業局内)
TEL 076-260-3581
FAX 076-260-3426

一般主催展覧会

布花展~大人シックな夏時間~

2018年7月24日(火) - 2018年7月29日(日)

白い花びらを1枚ずつ筆で手染めしたNana flower布花教室の展示会。
Nana flowerオープン12周年を記念した作品展です。
コサージュ作りのワークショップも27日(金)~29日(日)に開催します。

期間:
2018年7月24日(火) - 2018年7月29日(日)
10:00〜18:00(最終日17:00まで)
会場:
金沢21世紀美術館 市民ギャラリーB(地下1階)
料金:
無料
主催:
Nana flower
後援:
北國新聞社
お問い合わせ:
ナナフラワー
鮫島亜紀
TEL 0761-23-5008
MAIL nana2006flower@yahoo.co.jp
URL http://www.nana-flower.com
市民ギャラリー

一般主催展覧会

’18写友犀川写真展

2018年7月24日(火) - 2018年7月29日(日)

期間:
2018年7月24日(火) - 2018年7月29日(日)
10:00〜18:00(最終日17:00まで)
会場:
金沢21世紀美術館 市民ギャラリーB(地下1階)
料金:
無料
主催:
写友犀川
お問い合わせ:
竹崎 哲夫
TEL 076-243-6252

一般主催展覧会

第10回記念 風節会水墨画作品展「思うがままに」

2018年7月24日(火) - 2018年7月29日(日)

風節会会員による年一回の水墨画作品展を開催するもので、大作、掛軸、1/2額等100点程展示いたします。
全国の皆様に観ていただき、広くご意見をいただくものです。

期間:
2018年7月24日(火) - 2018年7月29日(日)
10:00〜18:00
会場:
金沢21世紀美術館 市民ギャラリーB(地下1階)
料金:
無料
主催:
風節会(主宰 森川風節)
後援等:
石川県水墨画協会、北國新聞社、北陸中日新聞、テレビ金沢
お問い合わせ:
森川風節
TEL 076-243-1225
FAX 076-243-1225
MAIL morikawa.setsuo@purple.plala.or.jp

COMMUNITY EVENT一般主催イベント

シアター21

一般主催イベント

映画上映会「さらば青春、されど青春。」「心に寄り添う。」

2018年7月24日(火) - 2018年7月25日(水)

「さらば青春、されど青春。」
昭和50年代の東京。本をこよなく愛し、勉学に励んできた青年が、誰も経験したことのない究極の選択を迫られる、神秘的な青春ストーリー。実直で霊的な能力に目覚めた主人公・中道真一には、「君のまなざし」(17年)で注目された大川宏洋。恋人・額田美子にはNHK連続テレビ小説「まれ」(15年)で話題を集めた干眼美子(清水富美加)を起用。儚くも美しい青春時代のノスタルジックを浮かび上がらせる。
「心に寄り添う。」
若者たちが取材を通じて自分自身と向き合い、「人生の意味」や「救いとは何か」、「本当に大切なもの」を探していくドキュメンタリー映画。

期間:
2018年7月24日(火) - 2018年7月25日(水)
10:30〜21:30(開場10:00)
会場:
金沢21世紀美術館 シアター21
料金:
1,400円
主催:
幸福の科学グループ(幸福の科学金沢支部)
お問い合わせ:
幸福の科学 金沢支部
TEL 076-280-7577
FAX 076-280-7578
mail kanazawa@sibu.irh.jp

一般主催イベント

夏休み特別企画 第12回 「親子で楽しく学ぼう!お金ってなに?」

2018年8月8日(水) - 2018年8月9日(木)

お金の大切さやお金の役割などについて、講座やクイズ等を通して楽しく学んでもらうイベントです。
主に小学生とその保護者を対象としますが、どなたでもご参加いただけます。(入場無料!)

【主な内容】
・お金のミニ講座
 -大学生の講座、小学生のおかね入門、お札のひみつ
・お買い物ごっこ
・クイズラリー
 ークイズに解答すると、子ども用電卓とお札の裁断片入りシャープペンシルをプレゼント!(電卓はなくなり次第貯金箱となります)
・お札で身長測定
・お札のパズル
・お札の顔出しパネル
・大金庫(写真)をバックに1億円と記念撮影

※10人以上の団体の場合、事前の電話予約が必要です(予約状況等によりお断りする場合がございます)。
※会場内が混雑した場合、入場制限を行うことがありますので予めご了承ください。

期間:
2018年8月8日(水) - 2018年8月9日(木)
10:00〜16:00(最終入場15:45)
会場:
金沢21世紀美術館 シアター21
料金:
無料
主催:
石川県金融広報委員会、石川県銀行協会、石川県信用金庫協会
後援:
石川県、金沢市、北陸財務局、日本銀行金沢支店、金融広報中央委員会
協力:
金沢大学、金沢工業大学
お問い合わせ:
石川県金融広報委員会(日本銀行金沢支店内)
TEL 076-223-9519