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金沢21世紀美術館

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EXHIBITION展覧会

コレクション展 「shiftー揺らぎの場」

2009年9月12日(土) -
2010年4月11日(日)

インフォメーション

期間:
2009年9月12日(土) 〜2010年4月11日(日)
10:00〜18:00 (金・土曜日は20:00まで) *1月2日(土)、3日(日)は17:00まで
会場:
金沢21世紀美術館
休場日:
毎週月曜日(ただし9月21日、11月2日、11月23日、1月11日、3月22日は開場)、
10月13日(火)、11月4日(水)、11月24日(火)、12月28日〜1月1日(年末年始)、1月12日(火)、3月23日(火)
※展示室6は展示替えのため、次の期間閉場いたします。
2009年11月9日(月)〜11月20日(金)、2010年3月23日(火)〜4月11日(日)
料金:
<当日>
一般=350円
大学生・65歳以上=280円
小中高校生=無料

<団体>
一般=280円
大学生=220円
小中高校生=無料

※コレクション展の観覧券にて、長期プロジェクト型展覧会「広瀬光治と西山美なコの“ニットカフェ・イン・マイルーム”」(展示室13)も入場できます(2010年3月22日まで)。
美術奨励の日
市民がより美術に親しみ、豊かな心を育むよう、金沢21世紀美術館では、「美術奨励の日」を設けております。

この日は、金沢市民の方が金沢21世紀美術館主催の「コレクション展」を無料で観覧できる日です。
※今回は、「広瀬光治と西山美なコの“ニットカフェ・イン・マイルーム”」も併せて無料でご覧頂けます。
総合案内で金沢市民であることを証明できるものを提示いただき、無料の観覧券をお受け取りください。
9月12日 / 10月10日 / 11月14日 / 12月12日 / 1月9日 / 2月13日 / 3月13日
(いずれも第2土曜日)
お問い合わせ:
金沢21世紀美術館
TEL 076-220-2800

概要

ふとした瞬間、何かをきっかけに、見慣れているはずの風景が違った世界に見え、全く別の意味を帯び始める。このような視点や感覚の転換、移動、変異は誰でも大なり小なり経験したことがあるだろう。膨大な情報や物質が氾濫する現代の社会において、麻痺しつつある身体や感覚、既成概念の輪郭のみをなぞって通り過ぎるだけの思考。ここでもう一度立ち止まり、自身の感覚や思考を開放し、今、目の前にある世界や通り過ぎてきた過去、自らの身体感覚のゆらぎや変化、新たな認識や知覚に身を任せてみたらどうだろう。本展で紹介する作品は、そういった視点の移動、感覚の変化、価値観の転換を我々に促し、働きかける。ガラスに囲まれた空間の内と外が緩やかに連続する中、日常と非日常が多層的に混在し関係しあう当館の建築的特徴を意識しつつ、5周年を迎える本年のコレクション展では、「shiftー揺らぎの場」をキーワードに、「私」を含む様々な物事を繋ぎとめる境界の揺らぎを探る。

関連プログラム

学芸員によるギャラリー・トーク
日時:各日14:00〜
2009年9月26日(土)/ 10月10日(土)/ 11月7日(土)/ 12月12日(土)/
2010年1月9日(土)/ 2月13日(土)/ 3月13日(土)/ 4月10日(土)

集合場所:金沢21世紀美術館 レクチャーホール
料金:無料(ただし、当日の本展観覧券が必要)
ワークショップ「わたしの《バイサークル》を作ろう!」
日時:2010年2月20日(土)10:30〜16:00
会場:金沢21世紀美術館 キッズスタジオ
料金:300円
対象:小学生・中学生
定員:15名(先着順、電話予約可)
持参するもの:お弁当、お茶、材料(包装紙、布、雑誌、写真、プラスチック類、毛糸など)
絵本を読もう
日時:
2009年 10月10日(土)11:00〜11:30 / 11月7日(土)11:00〜11:30 /
2010年 2月6日(土)14:00〜14:30 / 3月27日(土)14:00〜14:30

集合場所:金沢21世紀美術館 授乳室前(キッズスタジオ横)
料金:無料
アーティスト・トーク
須田悦弘によるアーティスト・トーク

日時:12月6日(日)14:00〜15:30
会場:金沢21世紀美術館 レクチャーホール
料金:無料(ただし、当日もしくは使用済みの観覧券が必要)
定員:先着80名(当日午前10時より、レクチャーホール前で整理券を配布します)

出品作家プロフィール

フランシス・アリス Francis ALŸS

1959年アントワープ(ベルギー)生まれ、メキシコ・シティ(メキシコ)在住。
トルネイ(ベルギー)とヴェネツィア(イタリア)で工学と建築を学んだ後、1986年に建築家としてメキシコへ派遣され、以後、メキシコ・シティに住み、制作活動を続ける。パフォーマンス、映像、写真、絵画、ドローイングなどの手法を取りながら、都市環境に身を置き「歩くこと」を手段、テーマとし、作品の主な基盤とする。日常生活のささいな事柄や状況に寄り添いつつ客観的な視座をもって都市の断片を抽出、収集する彼の介入行為は、極めて孤独な行為ながら、現代の社会・経済情勢、また、人間の存在といった根源的な問題と結びつき、また、移動、多義性、隠喩、逆説といった要素を孕む。こうして描かれる物語は寓話や噂のように観る者の中に多様に、無辺に紡がれていく。

ゴードン・マッタ=クラーク Gordon MATTA-CLARK

1943年ニューヨーク(米国)生まれ、1978年死去。
父はシュールレアリストのロベルト・マッタ。幼少期からイサム・ノグチやマルセル・デュシャンらに親しみつつ過ごし、ソルボンヌ大学で仏文学を、コーネル大学で建築を学び、デニス・オッペンハイムらの助手を経て芸術家として活動を始める。多くのアーティストを巻き込んだ多彩なパフォーマンスに始まり、都市部で打ち棄てられた建築などの切断を行なってはその一部を彫刻作品として提示したのみならず、その過程を写真や映像で記録しつつ、印刷物や書籍で積極的に発表し自らの作品とした。

村山留里子 MURAYAMA Ruriko

1968年秋田県生まれ、秋田県在住。
村山は1990年代初頭に秋田から上京し、舞台美術に関わる一方で、ろうけつ染めを独学で学ぶ。90年代後半からは、化学染料で染めた絹布を細く切り裂いてひたすら縫い重ねた作品を発表。2000年初頭からは、ビーズやパール、造花、レースなど手芸用品店で入手した素材をぎっしりと埋め尽くしていくオブジェ、「奇麗の塊」シリーズの制作を開始した。やがて「塊」は、増殖変化を遂げ、より「身体」へ引きつけたビスチェやドレス、腕の形の作品などにも発展している。

ピーター・ニューマン Peter NEWMAN

1969年ロンドン(英国)生まれ、同地在住。
飛行機の噴煙の軌跡を延々と横長の画面に焼き付けた写真、伝説的な大波に挑み命を落としたサーファーの記録映像を加工したインスタレーションをはじめ、彫刻、映像、写真、絵画等様々なメディアを用いて制作を行う。光、水、空といった自然現象や飛行機、ロケット等の近代文明、それらに対し人間が抱く心理を題材に取り入れながら、世界における人間の存在を身体的に捉えつつ、時空を超越した、未知なる領域を探求している。

須田悦弘 SUDA Yoshihiro

1969年山梨県生まれ、東京都在住。
多摩美術大学卒業後、99年まで数人の作家らと共にスタジオ食堂で活動。初めての個展で銀座のパーキングメーターに作品を設置するなど、当初から作品とそれが置かれる場所とが密接な関係を有する展示を行ってきた。須田は現在、花や草をモチーフに、本物と見間違うように精巧に彫り上げて彩色を施した木彫り彫刻を制作する。作品は展示空間の中でもあえて目立たない場所やさりげない場所が選ばれて設置されるので、鑑賞者は、「見つける」という能動的行為によってか、たまたま目に留まるとういう偶然性によって作品と出会う。

パトリック・トゥットフオコ Patrick TUTTOFUOCO

1974年ミラノ(イタリア)生まれ、ベルリン(ドイツ)在住。
ミラノ工科大学で建築を、ブレラ美術学院で美術を学ぶ。蛍光管やプラスチックを用いた彫刻や、音と光を連動させたインスタレーション、映像インスタレーション、体験型のマシーンなどを制作し、若い世代のイタリア人作家を代表する存在として評価が高い。テクノ・ミュージック、ゲーム、都市生活などに興味を持ち、それらに共通するスピード感や遊びの要素が作品にも表れている。近年では、アジアと南北アメリカを3ヶ月かけて旅をし、各都市の観察や住民との交流を通じて積み上げた日記、写真、映像をもとにした作品を発表している。

アン・ウィルソン Anne WILSON

1949年デトロイト(米国)生まれ、シカゴ(米国)在住。
ウィルソンは、レースやリネン、髪や糸などの素材を用い、「縫う」「結ぶ」「結びつける」といった手法を駆使しながら、文化的に構築された意味規範や人々の感覚を問うような作品を制作してきた。糸や髪を布に縫いとめた平面作品から、長さ10メートルにわたる立体作品に加え、映像作品、写真作品を手がける。ウィルソンは、私的で身体的な素材が想起させるある種の感情、糸片や針が紡ぎ出す繊細で複雑な表情に加え、素材が背負う過去の役割や記憶などを、自らの手を通して、濃密で雄弁な世界へと紡ぎ上げている。

オラファー・エリアソン Olafur ELIASSON
(2009年11月21日〜2010年3月22日)

1967年コペンハーゲン(デンマーク)生まれ、ベルリン(ドイツ)在住。
光、水、色、鏡などを使い、人間が眼に見える現象を認識する一方で、その認識がどのように形成されるかの過程を探求する作品で世界的に知られている。代表作《ウエザー・プロジェクト》(2003年、テート・モダン、ロンドン)は、オレンジ色の単周波ライトで作られた夕陽の光が巨大な空間を満たし、天井に貼られた鏡によって人々は自分と周囲のすべてが黒く映り込んでいることの不思議さを発見するというものであり、人々に空間との対話を促すことに卓越した作品である。

Images

    フランシス・アリス 《無知の果て》、1997
    油彩 / 木製パネルにカンヴァス
    金沢21世紀美術館蔵

    © Francis ALŸS
    Photo: SAIKI Taku

    村山留里子 《無題》(部分)、2005
    化学染料、正絹
    金沢21世紀美術館蔵
    © MURAYAMA Ruriko
    Photo: NAKAMICHI Atsushi / Nacása & Partners

    須田悦弘 《雑草》、2004-05
    木、彩色
    金沢21世紀美術館蔵
    © SUDA Yoshihiro
    Photo: NAKAMICHI Atsushi / Nacása & Partners

    アン・ウィルソン《逸脱の行動》 2004
    Composer: Shawn Decker, Animator: Cat Solen, Post-production Animator and Mastering: Daniel Torrente
    金沢21世紀美術館蔵
    © 2004 Anne Wilson

主催/ほか

主催:
金沢21世紀美術館[(財)金沢芸術創造財団]